週替わり日記2009春学期 その6 I.A.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。I.A.です。本LL.M.プログラムの修了まで、残すところあとわずか二か月と一週間ほどになりました。春休みが終わった後には、期末試験が近づくにつれ再び慌ただしくなりそうです。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業等の様子
今セメスターは、先セメスターと違って1年生用の授業は履修せずに、2、3年生用の科目のみを履修しています。クラスの雰囲気は、1年生の必修科目であるContractsやCivil procedureとは異なり、学生がリラックスした感じなのに驚きました。私は午前中に受ける授業がないので、なるべく朝は早く起きて図書館で自習を行うことにしました。無料で飲むことのできるコーヒーが無くなり始めるのが9時を過ぎてからなので、それまでには図書館での自習をスタートさせる習慣をつけました。
通常の授業に加えて、今セメスターはObtaining and enforcing relief in institutional reform litigationとAnti trustのショート・コースを履修しました。前者の授業は、ロースクールにおいて通常開講される授業とは趣が異なり、内容的にも面白く感じました。この授業においては、州の公共教育機関による人種隔離政策を構造的に是正するための連邦裁判所の機能・役割について学びました。テネシー州にて実際に起こった州立大学の人種隔離政策に対する訴訟をケース・スタディーの対象として、この事件で特別補助裁判官を務めた弁護士の方が授業を行いました。Institutional reform litigationの大きな特徴の一つが裁判所による組織構造改革の執行が長期化することであり、私たちが学んだこの事件も15年以上の歳月をかけて最近決着がついたものでした。また、授業の一環として、この訴訟に今まで関わってきた双方の当事者や裁判官などが一同に会してのパネル・ディスカッションが開かれました。
先セメスターに比べて時間的な余裕ができたこともあり、履修している授業以外の特別に開講される講義に出席することも多くなりました。大抵、木曜日の昼などには学生団体によって他校やその他の機関から招かれた研究者や専門家の講演会が開催されます。講演のトピックは、法律の問題はもちろん、社会、経済、政治など多岐にわたります。ロースクールで履修できる科目の数は限られていることもあり、授業以外で学術的な体験をできる貴重な機会なので、なるべく出席しようと思っています。また、ピザやサンドイッチなどの昼食が配布されることもあるのでお得です。
3.その他
勉強以外の時間や余暇にLLMの友人たちと過ごす時間が先セメスターにも増して多くなってきました。バンダービルトのLLMは比較的に小規模なので、同級生と仲良くなりやすい環境にあると思います。金曜の夜や週末は、友人たちと映画を観にいったり、ダウンタウンに行ったり、誰かの家に集まったりと、楽しい時間を過ごしています。多様な国籍、年齢、職業を背景に持った人々と知り合いになれて、とてもうれしく思います。残り少ない留学生活、一日一日を大事に過ごしたいと感じています。
1.春学期の週間スケジュール
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AM | PM |
Mon |
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Corporations |
Tue |
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|
Wed |
|
Corporations |
Thu |
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International Business Transaction Professional and Ethical Consideration of Corporate Practice |
Fri |
|
International Business Transaction |
2.授業等の様子
今セメスターは、先セメスターと違って1年生用の授業は履修せずに、2、3年生用の科目のみを履修しています。クラスの雰囲気は、1年生の必修科目であるContractsやCivil procedureとは異なり、学生がリラックスした感じなのに驚きました。私は午前中に受ける授業がないので、なるべく朝は早く起きて図書館で自習を行うことにしました。無料で飲むことのできるコーヒーが無くなり始めるのが9時を過ぎてからなので、それまでには図書館での自習をスタートさせる習慣をつけました。
通常の授業に加えて、今セメスターはObtaining and enforcing relief in institutional reform litigationとAnti trustのショート・コースを履修しました。前者の授業は、ロースクールにおいて通常開講される授業とは趣が異なり、内容的にも面白く感じました。この授業においては、州の公共教育機関による人種隔離政策を構造的に是正するための連邦裁判所の機能・役割について学びました。テネシー州にて実際に起こった州立大学の人種隔離政策に対する訴訟をケース・スタディーの対象として、この事件で特別補助裁判官を務めた弁護士の方が授業を行いました。Institutional reform litigationの大きな特徴の一つが裁判所による組織構造改革の執行が長期化することであり、私たちが学んだこの事件も15年以上の歳月をかけて最近決着がついたものでした。また、授業の一環として、この訴訟に今まで関わってきた双方の当事者や裁判官などが一同に会してのパネル・ディスカッションが開かれました。
先セメスターに比べて時間的な余裕ができたこともあり、履修している授業以外の特別に開講される講義に出席することも多くなりました。大抵、木曜日の昼などには学生団体によって他校やその他の機関から招かれた研究者や専門家の講演会が開催されます。講演のトピックは、法律の問題はもちろん、社会、経済、政治など多岐にわたります。ロースクールで履修できる科目の数は限られていることもあり、授業以外で学術的な体験をできる貴重な機会なので、なるべく出席しようと思っています。また、ピザやサンドイッチなどの昼食が配布されることもあるのでお得です。
3.その他
勉強以外の時間や余暇にLLMの友人たちと過ごす時間が先セメスターにも増して多くなってきました。バンダービルトのLLMは比較的に小規模なので、同級生と仲良くなりやすい環境にあると思います。金曜の夜や週末は、友人たちと映画を観にいったり、ダウンタウンに行ったり、誰かの家に集まったりと、楽しい時間を過ごしています。多様な国籍、年齢、職業を背景に持った人々と知り合いになれて、とてもうれしく思います。残り少ない留学生活、一日一日を大事に過ごしたいと感じています。
週替わり日記2009春学期 その5 S.T.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
2月も終わりにさしかかり、LL.M.の生活もいよいよ終盤です。まだまだやり残しているものがたくさんありますが、帰国まで一つずつ終わらせていきたいと思います。
1. 授業の様子
今学期の私の時間割は以下のとおりです。週2コマの授業を4つ取りました。いずれも、2,3年生用の授業です。先学期は、一般的に大変と言われている一年生用の授業しか取らず、2,3年生用の授業は少しは楽なのかなあと思っていましたが、宿題が多い授業が多く、あまり楽だとは感じません。期末試験で試験が4つあるのも大変そうです。
2. 食べ物雑感
今回は、ナッシュビルでの食事情について少し触れたいと思います。当初は毎日自炊を目指していたものの、勉強が大変になってきて、かなり挫折しかかり、今では細々とたまに自炊を楽しんでいる料理初心者の感想です。ナッシュビルにも日本食材店があるので、調味料や納豆など一応一通りのものがそろいますが、NY等の大都市と比べて、種類が豊富でない点は否めません。それは、予め予想していましたが、以下では、ちょっと細かい日米の食材の違いをご紹介します。
a. 人参
人参は、アメリカも日本も同じだろうと思っていましたが、アメリカの一般的な人参は、とても細くて見た目も乾燥している感じで、あのみずみずしい日本の人参とは違います。そのせいか、お料理にあまり人参を使わなくなったような気がします。また、手の小指ほどのベビーキャロットもよく見かけます。
b. キャベツ
こちらのキャベツはとても固いです。少々炒めたくらいでは、あまりおいしく食べられません。でも、30分ほど煮込むと普通においしく食べられます。
c. ブドウ
こちらのブドウは、巨峰より小粒で、実が固く、皮をむかずにそのまま食べます。甘みも巨峰に比べると少ないのですが、その素朴な味と食べやすさが気に入りこちらに来た当初、私は毎日ブドウを食べていました。
d. 鷹の爪
ピリ辛味が好きな私は、こちらに来て唐辛子を使ったお料理を作ろうと思ったものの、スーパーで鷹の爪がなかなか見つかりませんでした。巨大な乾燥した唐辛子(長さ10センチくらい)を細かく刻むと、日本の鷹の爪と同様に使えるそうですが、私は日本から鷹の爪を送ってもらいました。
e. お肉
こちらでは、日本食材店に行かないと薄切りのお肉が売っていません。私が日本から持ってきたお料理本は薄切り肉を使うものが多いので、使えるレシピが限られてしまいました。
f. 卵
日本ではよく卵料理を作っていましたが、こちらでは、生卵は怖くて食べられず、半熟も不安なので、しっかり火を通すしかありません。そうするとあのとろりとしたおいしさがなくなってしまい、あまり作らなくなってしまいました。
こちらに来てからよく使うようになった野菜は、パプリカとマッシュルームです。普通のピーマンがないのと、エノキやシメジは値段が高いのでこれらを使っています。ちなみに、こちらのレストランでは、マッシュルームがほとんど生で、かつ、結構厚切りで出されることがあります(たまにお味噌汁に入っています。)。また、日本のナスも売っていますが、やはり値段が高いので私は米ナスを使っています。せっかくなので、今度米ナスのあの大きさを活かして、中身をくりぬいて外側を器にしたグラタンに挑戦しようと思っています。
なお、スーパーでは、野菜は量り売りで、レジのところで量っているので、かごに入れる時は、一つ一つがいくらなのかよくわからないままです。
最後に、留学されるときに、和のおもてなしをしようと、和食を練習される方のために。こちらでは、日本食の代表料理の中に、「照り焼き」が含まれます(私は、こちらに来るまで、照り焼きが日本料理だとは特に認識していませんでした。)。もっとも、こちらのレストランで出される照り焼きは、大抵ソースが甘すぎて、あまりおいしくありません。ですので、ホームパーティーでおいしい照り焼きを出せば、「これが本当の日本の照り焼きなのよ」と胸をはって言えます。
1. 授業の様子
今学期の私の時間割は以下のとおりです。週2コマの授業を4つ取りました。いずれも、2,3年生用の授業です。先学期は、一般的に大変と言われている一年生用の授業しか取らず、2,3年生用の授業は少しは楽なのかなあと思っていましたが、宿題が多い授業が多く、あまり楽だとは感じません。期末試験で試験が4つあるのも大変そうです。
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AM | PM |
Mon | Secured Transactions |
Corporations |
Tue | Secured Transactions |
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Wed | Bankruptcy |
Corporations |
Thu | Bankruptcy | International Business Transaction |
Fri |
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International Business Transaction |
2. 食べ物雑感
今回は、ナッシュビルでの食事情について少し触れたいと思います。当初は毎日自炊を目指していたものの、勉強が大変になってきて、かなり挫折しかかり、今では細々とたまに自炊を楽しんでいる料理初心者の感想です。ナッシュビルにも日本食材店があるので、調味料や納豆など一応一通りのものがそろいますが、NY等の大都市と比べて、種類が豊富でない点は否めません。それは、予め予想していましたが、以下では、ちょっと細かい日米の食材の違いをご紹介します。
a. 人参
人参は、アメリカも日本も同じだろうと思っていましたが、アメリカの一般的な人参は、とても細くて見た目も乾燥している感じで、あのみずみずしい日本の人参とは違います。そのせいか、お料理にあまり人参を使わなくなったような気がします。また、手の小指ほどのベビーキャロットもよく見かけます。
b. キャベツ
こちらのキャベツはとても固いです。少々炒めたくらいでは、あまりおいしく食べられません。でも、30分ほど煮込むと普通においしく食べられます。
c. ブドウ
こちらのブドウは、巨峰より小粒で、実が固く、皮をむかずにそのまま食べます。甘みも巨峰に比べると少ないのですが、その素朴な味と食べやすさが気に入りこちらに来た当初、私は毎日ブドウを食べていました。
d. 鷹の爪
ピリ辛味が好きな私は、こちらに来て唐辛子を使ったお料理を作ろうと思ったものの、スーパーで鷹の爪がなかなか見つかりませんでした。巨大な乾燥した唐辛子(長さ10センチくらい)を細かく刻むと、日本の鷹の爪と同様に使えるそうですが、私は日本から鷹の爪を送ってもらいました。
e. お肉
こちらでは、日本食材店に行かないと薄切りのお肉が売っていません。私が日本から持ってきたお料理本は薄切り肉を使うものが多いので、使えるレシピが限られてしまいました。
f. 卵
日本ではよく卵料理を作っていましたが、こちらでは、生卵は怖くて食べられず、半熟も不安なので、しっかり火を通すしかありません。そうするとあのとろりとしたおいしさがなくなってしまい、あまり作らなくなってしまいました。
こちらに来てからよく使うようになった野菜は、パプリカとマッシュルームです。普通のピーマンがないのと、エノキやシメジは値段が高いのでこれらを使っています。ちなみに、こちらのレストランでは、マッシュルームがほとんど生で、かつ、結構厚切りで出されることがあります(たまにお味噌汁に入っています。)。また、日本のナスも売っていますが、やはり値段が高いので私は米ナスを使っています。せっかくなので、今度米ナスのあの大きさを活かして、中身をくりぬいて外側を器にしたグラタンに挑戦しようと思っています。
なお、スーパーでは、野菜は量り売りで、レジのところで量っているので、かごに入れる時は、一つ一つがいくらなのかよくわからないままです。
最後に、留学されるときに、和のおもてなしをしようと、和食を練習される方のために。こちらでは、日本食の代表料理の中に、「照り焼き」が含まれます(私は、こちらに来るまで、照り焼きが日本料理だとは特に認識していませんでした。)。もっとも、こちらのレストランで出される照り焼きは、大抵ソースが甘すぎて、あまりおいしくありません。ですので、ホームパーティーでおいしい照り焼きを出せば、「これが本当の日本の照り焼きなのよ」と胸をはって言えます。
週替わり日記2009春学期 その4 D.S.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
ナッシュビルに来てもう半年以上が経ち、友達も随分でき、本当に楽しい毎日を過ごしています。ただ、4月の半ばからは期末試験期間に入り、卒業後はバーの試験勉強に終われる日々が待っていますので、友達と一緒に遊べるのはあと2ヶ月程度かと思うと、さびしくなってきます。あと2ヶ月、悔いの残らないように思いっきり学生生活を楽しみたいと思っています。英会話力ももうちょっと上達させたいです。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Constitutional Law
アメリカの統治構造を理解したいと思い取った授業です。ご承知のとおり、アメリカの憲法は日本の憲法に似ていますので、理解しやすい部分もありますが、細かな議論に入るとお手上げです。
②Corporations
会社法の重要論点を網羅的に広く浅くつぶしていく授業を想像して取ったのですが、実際は、教授が関心を持っているいくつかの論点を深く勉強するというスタイルの授業が進められています。この点が少し残念ですが、予習範囲がそれほど多くいというのはとても助かっています(僕は、リーディングスピードが遅いので、予習範囲が多いと十分に予習ができず、授業が分からないという悪循環に陥ってしまいます。)。
③International Business Transaction
国際商取引に関連する法律問題を網羅的に勉強していきます。教授が毎回パワーポイントを使って授業を進めてくれるので、非常に分かりやすいです。
④International Civil Litigation
5日間で集中的に授業を行うショートコースの科目で、1月下旬に授業を受け、先週試験を終わらせました。授業内容は非常に興味深いのですが、予習範囲が毎日50ページ以上もあり、とても予習範囲を全て終わらせることができず、そのため授業内容も良く分からないという悪循環に陥ってしまいました。このため、試験勉強の際には随分苦労しました。
3.余暇について
春学期に入り、妻ともども随分とこちらの生活に慣れ、友達もたくさん出来ましたので、最近は家に友達を呼んでホームパーティをしたり、友達と旅行に行ったりして楽しんでいます。LL.M.の友人や妻が英語学校で知り合ったリビアや韓国の友人たちと一緒に遊ぶことが多いです。1月にはリビアの友人とミシシッピの牧場に1泊旅行をしてきました。春休み(3月上旬)には、LL.M.の友人とフロリダに旅行に行く予定にしています。日本で仕事に追われているときは、このような時間を全く想像できませんでしたが、本当に貴重な経験をさせてもらっていると思います。皆さんも留学されたら、きっと世界が広がると思いますよ!
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Constitutional Law
アメリカの統治構造を理解したいと思い取った授業です。ご承知のとおり、アメリカの憲法は日本の憲法に似ていますので、理解しやすい部分もありますが、細かな議論に入るとお手上げです。
②Corporations
会社法の重要論点を網羅的に広く浅くつぶしていく授業を想像して取ったのですが、実際は、教授が関心を持っているいくつかの論点を深く勉強するというスタイルの授業が進められています。この点が少し残念ですが、予習範囲がそれほど多くいというのはとても助かっています(僕は、リーディングスピードが遅いので、予習範囲が多いと十分に予習ができず、授業が分からないという悪循環に陥ってしまいます。)。
③International Business Transaction
国際商取引に関連する法律問題を網羅的に勉強していきます。教授が毎回パワーポイントを使って授業を進めてくれるので、非常に分かりやすいです。
④International Civil Litigation
5日間で集中的に授業を行うショートコースの科目で、1月下旬に授業を受け、先週試験を終わらせました。授業内容は非常に興味深いのですが、予習範囲が毎日50ページ以上もあり、とても予習範囲を全て終わらせることができず、そのため授業内容も良く分からないという悪循環に陥ってしまいました。このため、試験勉強の際には随分苦労しました。
3.余暇について
春学期に入り、妻ともども随分とこちらの生活に慣れ、友達もたくさん出来ましたので、最近は家に友達を呼んでホームパーティをしたり、友達と旅行に行ったりして楽しんでいます。LL.M.の友人や妻が英語学校で知り合ったリビアや韓国の友人たちと一緒に遊ぶことが多いです。1月にはリビアの友人とミシシッピの牧場に1泊旅行をしてきました。春休み(3月上旬)には、LL.M.の友人とフロリダに旅行に行く予定にしています。日本で仕事に追われているときは、このような時間を全く想像できませんでしたが、本当に貴重な経験をさせてもらっていると思います。皆さんも留学されたら、きっと世界が広がると思いますよ!
週替わり日記2009春学期 その3 S.Yの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
あっという間に2月になってしまいました。本当に時間が経つのは早いと実感しています。
5月8日が卒業式なので、仲良くなった留学生の友人とあと3カ月でお別れか~と思うととても寂しくなります。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Secured Transactions
Kさんが取られている授業と同じものです(なので、内容の説明は省略します)教授が実務家(大手弁護士事務所のパートナー。毎週シカゴからナッシュビルに通ってきています)で、事例を使ってわかりやすく説明してくれるので理解し易いです。
②Securities Regulation
日本の証券取引法の勉強をするのと同様、条文をきちんと読みこむ作業が非常に大変です。教授は非常に熱のこもった授業をされる方です。
③Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
Kさんが取られている授業と同じものです。企業内弁護士の話などは自分の仕事に関連する部分なので面白いですが、教授はあまり生徒をあてずに一人で延々としゃべり続けるので若干単調な授業です。
④Ethics and Methods of Information Gathering
講師は雑誌の記者で、効率的に顧客等から情報収集する方法やその方法が倫理的に問題ないかということを考える実務的な授業で大変面白いです。なかなか話を聞くことがないだろうなと思われるゲストスピーカーが毎週来るのでそれも興味深いです。元々人数制限のあるクラスで、生徒の数が少ないのでDiscussionになったときは少し大変ですが。教授は、日本の某大手新聞社に2年勤務されていたということで、非常に日本語が堪能です。
⑤Antitrust
短期間で集中的に授業を行うショートコースの科目です。生徒が10人位なので発言を求められるのですが、私はよく答えに詰まってしまっているのでクラスに迷惑掛けまくりです(苦笑)。
3.その他
①Nashvilleの冬
私は、冬休みは日本に帰らず、年末はアメリカ国内旅行をし、年始は友達が日本から遊びに来てくれたのでNashvilleで過ごしました。びっくりしたのが、Nashvilleの冬の寒さです。もちろんNew YorkやBoston、Chicagoと比べたら全然寒くはないですが、南部だからもう少し暖かいと思っていたのに、氷点下の日も結構ありました。しかも常に寒いというわけではなく、15度位の暖かい週の次の週に氷点下の週が来たりして、寒暖の差がとても大きかったです。この冬はラスベガスでも雪が降るという異常気候だったので、この寒暖の差が毎年のものなのか今年だけ特別なのかは分かりません。ただ、Kさんも書かれていましたが、基本的には寒さは東京とそれほど変わらないかな~と思います。
②Nashville周辺観光
上述の通り、年始に日本から友達が遊びに来たことと、ペーパードライバーだった車の運転もさすがに慣れてきたこともあり、Nashville及びNashville周辺に車で遊びに行きました。ケンタッキー州にある世界最長の洞窟といわれるマンモスケーブや、アラバマ州にあるNASAのスペースセンターに行きました。春学期は秋学期よりも勉強が大変になるのでなかなか難しいかもしれませんが、リフレッシュのために時間を見つけて時には車で遠出ができたらいいな~と考えています。車で数時間行くと、他の州に遊びに行けてしまうのは、ここのウリかな~と思います。
③これまでの生活で感じたこと
留学してから半年以上経ち、今までしたことのない体験をしたりいろんな人に会ったりして、留学して本当によかったなと思っています。特に、LL.M.に来ている留学生の友人に出会えたことが一番よかったことです。一部のLL.M.プログラムでは、同じ国の留学生同士で固まってしまうという話を聞いたことがありますが、この大学はLL.M.が30人と比較的小規模なせいか国籍に関係なく仲良くなれていると思います。
5月8日が卒業式なので、仲良くなった留学生の友人とあと3カ月でお別れか~と思うととても寂しくなります。
1.春学期の週間スケジュール
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AM | PM |
Mon | Secured Transactions | Securities Regulations |
Tue | Secured Transactions | Securities Regulations |
Wed |
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Securities Regulations |
Thu |
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Information Gathering Professional & Ethical |
Fri | Information Gathering |
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Sat |
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Sun |
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2.授業の様子
①Secured Transactions
Kさんが取られている授業と同じものです(なので、内容の説明は省略します)教授が実務家(大手弁護士事務所のパートナー。毎週シカゴからナッシュビルに通ってきています)で、事例を使ってわかりやすく説明してくれるので理解し易いです。
②Securities Regulation
日本の証券取引法の勉強をするのと同様、条文をきちんと読みこむ作業が非常に大変です。教授は非常に熱のこもった授業をされる方です。
③Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
Kさんが取られている授業と同じものです。企業内弁護士の話などは自分の仕事に関連する部分なので面白いですが、教授はあまり生徒をあてずに一人で延々としゃべり続けるので若干単調な授業です。
④Ethics and Methods of Information Gathering
講師は雑誌の記者で、効率的に顧客等から情報収集する方法やその方法が倫理的に問題ないかということを考える実務的な授業で大変面白いです。なかなか話を聞くことがないだろうなと思われるゲストスピーカーが毎週来るのでそれも興味深いです。元々人数制限のあるクラスで、生徒の数が少ないのでDiscussionになったときは少し大変ですが。教授は、日本の某大手新聞社に2年勤務されていたということで、非常に日本語が堪能です。
⑤Antitrust
短期間で集中的に授業を行うショートコースの科目です。生徒が10人位なので発言を求められるのですが、私はよく答えに詰まってしまっているのでクラスに迷惑掛けまくりです(苦笑)。
3.その他
①Nashvilleの冬
私は、冬休みは日本に帰らず、年末はアメリカ国内旅行をし、年始は友達が日本から遊びに来てくれたのでNashvilleで過ごしました。びっくりしたのが、Nashvilleの冬の寒さです。もちろんNew YorkやBoston、Chicagoと比べたら全然寒くはないですが、南部だからもう少し暖かいと思っていたのに、氷点下の日も結構ありました。しかも常に寒いというわけではなく、15度位の暖かい週の次の週に氷点下の週が来たりして、寒暖の差がとても大きかったです。この冬はラスベガスでも雪が降るという異常気候だったので、この寒暖の差が毎年のものなのか今年だけ特別なのかは分かりません。ただ、Kさんも書かれていましたが、基本的には寒さは東京とそれほど変わらないかな~と思います。
②Nashville周辺観光
上述の通り、年始に日本から友達が遊びに来たことと、ペーパードライバーだった車の運転もさすがに慣れてきたこともあり、Nashville及びNashville周辺に車で遊びに行きました。ケンタッキー州にある世界最長の洞窟といわれるマンモスケーブや、アラバマ州にあるNASAのスペースセンターに行きました。春学期は秋学期よりも勉強が大変になるのでなかなか難しいかもしれませんが、リフレッシュのために時間を見つけて時には車で遠出ができたらいいな~と考えています。車で数時間行くと、他の州に遊びに行けてしまうのは、ここのウリかな~と思います。
③これまでの生活で感じたこと
留学してから半年以上経ち、今までしたことのない体験をしたりいろんな人に会ったりして、留学して本当によかったなと思っています。特に、LL.M.に来ている留学生の友人に出会えたことが一番よかったことです。一部のLL.M.プログラムでは、同じ国の留学生同士で固まってしまうという話を聞いたことがありますが、この大学はLL.M.が30人と比較的小規模なせいか国籍に関係なく仲良くなれていると思います。
週替わり日記2009春学期 その2 N.Mの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。LL.Mプログラムも残すところあと3カ月となりましたが、あいかわらず英語が話せるようにならないN.Mです。幼稚園に通う娘がたまに披露するネイティブな発音が聞き取れず、すでに父娘の壁を感じております。
1.春学期の週間スケジュール
卒業に必要な単位23単位のうち秋学期に13単位を取得したため、今学期は10単位履修すれば卒業できます。ちなみに当校のLL.Mプログラムでは平均C以上の成績を取れば卒業できますが、平均Cを下回るにはC-やDをたくさん頂戴しなければなりません。ほとんどの科目ではC未満がつくことはありませんので(例外はあります。私が秋学期履修した科目のように…)、当校では「卒業できない」という心配はありません。「毎年一人は脱落させる」学校もあるという噂も耳にしたことがありますが、さすがに卒業できないと会社に戻れないので、私にとっては結構重要なところです。
さて、春学期は7科目12単位を登録しています。この他LL.M用の英会話教室にも秋学期に引き続き参加しています。なお7科目中4科目はショートコースなので、学期を通して授業があるのは3科目ですが、それぞれ「興味がある科目」、「Barの試験科目」、「楽そうな科目」を選びました。同じ科目を取っている日本人の方もおられるので、どれが「楽そうな科目」なのかは申しませんが、秋学期に比べると気持ちの余裕も出てきたのか、自分なりにメリハリをつけて授業に臨めるようになってきました。
今学期の生活パターンは、幼稚園に娘を送った後、朝9時半頃学校に到着、毎朝無料で提供されているコーヒーを飲んで一息ついてから図書館に行き、キャレル(LL.Mは好きなキャレルを年間を通じてキープできます)でこっそりお弁当を食べて毎日午後1時から授業。授業後は図書館で勉強のほか、プール(大学の運動施設はもちろん自由に利用できます。)に行ったり、友人とスタバに行ったりして、夕方6時過ぎに一旦帰宅。夕食後一休みしてから、また図書館にきて12時の閉館にあわせ帰宅、という感じです。家と学校が近いので、気軽に行ったり来たりできるのはとても便利です。図書館にいる時間は長いのですが、家族と一緒に過ごしている時間は日本にいたころよりだいぶ長いと思います。
2.学校外生活
家族(妻・娘)もだいぶこちらの生活に慣れてきました。最初の頃は日本と同じ食材を探したりしていましたが、同じ生活をするのはどだい無理な話なので(日本食材店はあるのでほとんどのものは手に入りますが少々高くつきます)、大きくて分厚いステーキや、マッシュルームのお味噌汁、1羽6ドルの鳥の丸焼きや強烈に甘くて毒々しい色をしたケーキなど、こちらなりの食生活を楽しんでいます。
もちろんおいしいものは沢山あります。これは南部の伝統的な“ビスケット”です。グレービーソースをつけていただきます。おいしいですよ。
さて、せっかくアメリカに家族で来たんだからアメリカ人の家族と触れ合いたい、ということで、我が家は大学が提供するFirst Friend Programに登録し、アメリカ人の一家を紹介してもらいました。こちらの家族構成に合わせ、1歳の娘さんがいる一家を紹介してもらいましたが、お互い小さい子供がいることに加え、ご主人はテネシー州政府で働く弁護士さん、奥様は宣教師の娘で日本に10年以上住んでいたとのことで、共通の話題もあり、とても仲良くさせてもらっています。ハロウィン、クリスマス、お誕生日などの行事ごとに自宅や所属する教会に招待してもらったり、我が家に招待したりと行き来を重ねています。帰国後も、末長くお付き合いしていきたいものです。
First Firendの所属する教会のハロウィンパーティにご招待いただきました。
ここテネシーは「南部」ですが、ひと冬に数回は雪が降るとのことです。今年はまだ積もるような雪は降っていませんが、それでも東京よりはだいぶ寒いです。とはいえ、ニューヨークやシカゴのように凍りつくような寒さではありませんので、真冬でもゴルフはできます(私も1月2日から打ち初めでした)。Contractsの次にゴルフの予習(練習)が大切だというセミプロのKさんからいずれ転戦記のレポートがあると思いますが、やはり冬でも(ゴルフに限らず)外で遊べる、というのは気分転換の意味からも留学生活を充実させる要素のような気がします。
真冬でもこんな感じです。ちなみに打ちっぱなし(ただの原っぱ)は10ドルぐらいで籠に球テンコ盛りです。
〈おまけ〉アメリカの子供のお誕生日会は色々なパターンがありますが盛大にお祝いします。
First Friendの自宅にて。日本でもそうですが1歳のお誕生日は特別です。わざわざミシガンからおじいさん・おばあさんもお祝いにこられていました。
幼稚園の日本人のお友達にご招待いただきました。パーティ施設を借りてお祝いです。健康そうなお姉さんが子供達と遊んでくれます。この後大勢の子ども達で大騒ぎです。
LLMの同級生の自宅(ナッシュビル郊外に豪邸を持っています)にて。プロのピエロを自宅に呼んできました。
1.春学期の週間スケジュール
卒業に必要な単位23単位のうち秋学期に13単位を取得したため、今学期は10単位履修すれば卒業できます。ちなみに当校のLL.Mプログラムでは平均C以上の成績を取れば卒業できますが、平均Cを下回るにはC-やDをたくさん頂戴しなければなりません。ほとんどの科目ではC未満がつくことはありませんので(例外はあります。私が秋学期履修した科目のように…)、当校では「卒業できない」という心配はありません。「毎年一人は脱落させる」学校もあるという噂も耳にしたことがありますが、さすがに卒業できないと会社に戻れないので、私にとっては結構重要なところです。
さて、春学期は7科目12単位を登録しています。この他LL.M用の英会話教室にも秋学期に引き続き参加しています。なお7科目中4科目はショートコースなので、学期を通して授業があるのは3科目ですが、それぞれ「興味がある科目」、「Barの試験科目」、「楽そうな科目」を選びました。同じ科目を取っている日本人の方もおられるので、どれが「楽そうな科目」なのかは申しませんが、秋学期に比べると気持ちの余裕も出てきたのか、自分なりにメリハリをつけて授業に臨めるようになってきました。
今学期の生活パターンは、幼稚園に娘を送った後、朝9時半頃学校に到着、毎朝無料で提供されているコーヒーを飲んで一息ついてから図書館に行き、キャレル(LL.Mは好きなキャレルを年間を通じてキープできます)でこっそりお弁当を食べて毎日午後1時から授業。授業後は図書館で勉強のほか、プール(大学の運動施設はもちろん自由に利用できます。)に行ったり、友人とスタバに行ったりして、夕方6時過ぎに一旦帰宅。夕食後一休みしてから、また図書館にきて12時の閉館にあわせ帰宅、という感じです。家と学校が近いので、気軽に行ったり来たりできるのはとても便利です。図書館にいる時間は長いのですが、家族と一緒に過ごしている時間は日本にいたころよりだいぶ長いと思います。
2.学校外生活
家族(妻・娘)もだいぶこちらの生活に慣れてきました。最初の頃は日本と同じ食材を探したりしていましたが、同じ生活をするのはどだい無理な話なので(日本食材店はあるのでほとんどのものは手に入りますが少々高くつきます)、大きくて分厚いステーキや、マッシュルームのお味噌汁、1羽6ドルの鳥の丸焼きや強烈に甘くて毒々しい色をしたケーキなど、こちらなりの食生活を楽しんでいます。
もちろんおいしいものは沢山あります。これは南部の伝統的な“ビスケット”です。グレービーソースをつけていただきます。おいしいですよ。
さて、せっかくアメリカに家族で来たんだからアメリカ人の家族と触れ合いたい、ということで、我が家は大学が提供するFirst Friend Programに登録し、アメリカ人の一家を紹介してもらいました。こちらの家族構成に合わせ、1歳の娘さんがいる一家を紹介してもらいましたが、お互い小さい子供がいることに加え、ご主人はテネシー州政府で働く弁護士さん、奥様は宣教師の娘で日本に10年以上住んでいたとのことで、共通の話題もあり、とても仲良くさせてもらっています。ハロウィン、クリスマス、お誕生日などの行事ごとに自宅や所属する教会に招待してもらったり、我が家に招待したりと行き来を重ねています。帰国後も、末長くお付き合いしていきたいものです。
First Firendの所属する教会のハロウィンパーティにご招待いただきました。
ここテネシーは「南部」ですが、ひと冬に数回は雪が降るとのことです。今年はまだ積もるような雪は降っていませんが、それでも東京よりはだいぶ寒いです。とはいえ、ニューヨークやシカゴのように凍りつくような寒さではありませんので、真冬でもゴルフはできます(私も1月2日から打ち初めでした)。Contractsの次にゴルフの予習(練習)が大切だというセミプロのKさんからいずれ転戦記のレポートがあると思いますが、やはり冬でも(ゴルフに限らず)外で遊べる、というのは気分転換の意味からも留学生活を充実させる要素のような気がします。
真冬でもこんな感じです。ちなみに打ちっぱなし(ただの原っぱ)は10ドルぐらいで籠に球テンコ盛りです。
〈おまけ〉アメリカの子供のお誕生日会は色々なパターンがありますが盛大にお祝いします。
First Friendの自宅にて。日本でもそうですが1歳のお誕生日は特別です。わざわざミシガンからおじいさん・おばあさんもお祝いにこられていました。
幼稚園の日本人のお友達にご招待いただきました。パーティ施設を借りてお祝いです。健康そうなお姉さんが子供達と遊んでくれます。この後大勢の子ども達で大騒ぎです。
LLMの同級生の自宅(ナッシュビル郊外に豪邸を持っています)にて。プロのピエロを自宅に呼んできました。
日常生活情報 [Nashville近辺情報]
ナッシュビルのスーパーなど、我々留学生が日常的に利用している店などの情報を掲載しています。
「View Larger Map」でStreet viewをご覧頂くと街の雰囲気が分かると思います。
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週替わり日記2009春学期 その1 Kの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。Kです。
冬休み明け直後のAdd&Drop期間(学期最初の1週間でどの授業を登録するか決めます)、秋学期の成績発表、そしてオバマ大統領の就任式(当然学生生活には直接的には影響はありませんが、就任式の行われた1月20日は、少なくとも私の受講している2科目は教授が就任式を見に行ったのか、休講でした。)等と何かと気ぜわしい学期のスタートでしたが、そろそろ通常のペースになってきました。
1. 秋学期の振り返り
授業・教授によっては授業内でのディスカッションやレポート提出、中間試験も成績評価の一部とされることもあるようですが、ロースクールの大半の授業では期末試験の一発勝負で成績が決められます。ここで簡単にVanderbilt law schoolでの試験について紹介したいと思います。
形式は、普通に教室で受験する試験と試験問題を事務局で入手して家で受験するTake homeの試験があります。さらに、前者はノートやテキスト等の持ち込みが許されるOpen book形式と、持ち込みが一切認められないClosed book形式のものがあります。(Take home examは必然的にOpen bookになります。)
英語を母国語としないLL.M.については、受験時間が1.5倍になる、Closed bookでも辞書の持ち込みが許される(電子辞書は不可で書籍に限定されます。また、『英米法辞典』のような法律英語に特化した専門的な辞書は不可で、一般的な語彙が掲載されている英和・和英辞典のみ可とされます。)、といった措置が取られます。
私が受講した科目の中で一番試験時間が長かったものはContractsの4時間(したがってLL.M.は1.5倍の6時間)。飲食物持ち込み可なので、教室におにぎりとバナナを持ち込んで試験中に空腹を満たしました。
受験前は6時間の試験なんて集中力も体力ももたないのではないかと思っていましたが、いざ受験してみると答案に書かなければならないこと、書きたいことがとても多く、試験時間が余るということはありませんでした。受験後には疲労感で一杯になってしまいました。(残念ながら達成感・満足感は全くなしでした。)
私の受験していない科目では元々の試験時間が6時間・8時間(したがってLL.M.は9時間・12時間受験)といった試験もあったようです。
試験内容は、Essayのみ・Multiple choiceのみ・両者の混合、と様々なパターンがあります。OpenがCloseか、EssayかMultiple choiceか等、試験の情報は受験科目を決める最初の授業で教授から説明されるので、授業登録の際には参考にされた方がいいと思います。
個人的にはMultiple choiceは部分点がない怖さがあるので、Essayタイプの方が好きです。ただ、英語の表現力、タイプするスピードで圧倒的にネイティブに比べて不利なことは否めませんでした。
試験期間の1~2週間前から、学校全体が試験モードになり、図書館だけでなく授業で使っていない教室が24時間解放されるようになったり、コーヒーやドーナツが大学から提供されたりします。
2. 週間スケジュール
その他、2月下旬に1週間の集中講義のCorporate Governanceを受講予定です。
私は図書館で勉強するよりも家で勉強する方が好きなタイプなので、授業がある曜日を固めて、大学に行かないで済む曜日を設定できたのは良かったかなと思っています。
3. 授業の様子
(1) Secured Transactions
動産担保法の授業で、UCC Article9を勉強しています。
完全な制定法の科目で、caseを読むことよりもUCCの条文を細かく読み込むことが求められますので、内容の理解度はともかく、勉強のスタンスとしては日本の法律を勉強するのと同じ感覚で取り組みやすいかなと感じています。
教授はシカゴの弁護士の方で、メリハリを持って話される方なので分かりやすいと思います。
(2) Securities Regulation
証券取引法の授業。
これも完全に制定法やSECの規則の条文、SECのアナウンスメント等を読み込むことが求められます。1933年の証券法・1934年の証券取引所法がメインですが、時代の流れに即して頻繁に改正が重ねられたりSECによる条文の解釈が度々変更されていたりと、かなり複雑な法体系になっていて、条文を理解するのに時間がかかってしまっています。
(3) Insurance Law
全体で20人弱しか受講しておらず(LL.M.は私だけ)、1回目の授業では受講生全員が自己紹介をするというアットホームな感じの授業です。
授業は、caseのディスカッションが中心となっています。
(4) Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
アメリカのロースクールでは、弁護士になるにあたっての職業倫理を学ぶProfessional Responsibilityという科目がJDでは必須科目とされていますが、この授業はその企業法務に就く弁護士に特化した内容という感じです。
私は弁護士ではなく企業派遣なので直接的には関係なさそうにも思えますが、会社で社外弁護士の方に案件を依頼する際や、法務部門で働く際の社内の他の部門との関わり方などに役立てられるかなと思い受講しています。
教授は地元ナッシュビルの弁護士で、2008年の大統領選と同時に行われた連邦上院選でテネシー州の民主党候補として立候補したそうです(結果は共和党候補に敗れたそうですが)。政治家を目指したことのある人だけあって、授業も何か政治家のスピーチを聞いているようです。
(5) LL.M. English
秋学期に引き続き英語の授業を受けています。単位等には全く関係なくて、自由参加の授業です。
今はタイ人の学生2人と、N.Mさんと私の日本人学生2人の計4人でメンバーが固定化されてきました。
特定テーマや時事ネタをディスカッションするなど、最近は会話を中心に授業をしてもらっています。
4. 学校外生活
1) 娯楽
娯楽の少ないナッシュビルですが、休みの日には近くのゴルフ場に行ったり、近場の観光地までドライブをしたりして楽しんでします。
【Mammoth Cave】
お隣のケンタッキー州にある国立公園。世界最長の洞窟らしいです。Nashvilleから車で2時間くらいです。
【Hot Springs】
こちらはアーカンソー州にある国立公園。ナッシュビルからは車で6時間程度かかるので、日帰りは厳しいです。
その名の通り、温泉で有名な観光地で、クリントン元大統領の出身地です。観光地と言っても人は少なくてものすごくのんびりした雰囲気でした。
温泉といっても、日本のように大浴場にみんなで浸かる訳ではなく、個人ごとに50~60分のコースで個々に仕切られたバスタブに入る→サウナに入る→ベンチで横になり蒸しタオルをかけてもらいゆっくりと寝る、といった感じです。
大きな浴槽でお湯に浸かれなかったのは残念でしたが、アメリカ式の温泉を経験できたのでよかっです。
その他、サンクスギビングの週に1週間の秋休みにはフロリダ・オーランドのディズニーワールド、期末試験終了後の冬休みにはフロリダのマイアミに旅行してきました。ナッシュビルからオーランドやマイアミには飛行機で2時間程度ですので旅行がしやすいです。
また、先日はセリーヌ・ディオンの世界ツアーがここナッシュビルでも開催され、コンサートを観に行ってきました。たまにはこのような世界的な有名人もナッシュビルに来ることもあるようです。
2) 日常生活
i)治安
場所によるのでしょうが、少なくとも私自身は身に危険を感じたことはありませんし、周りから治安が悪いという話はほとんど聞きません。治安は良くて過ごしやすい街だと思います。
ⅱ)気候
ここ数週間は、アメリカ全体が歴史的な寒気に襲われ、ナッシュビルでも最高でも氷点下以下、最低で-10℃以下と寒い日が続き、先日は私がナッシュビルに来て以来初の雪が降りました。しかし雪は積もらず、また吹雪くこともないので何とか耐えられるかなと思っています。
冬の気温以外は四季を通じて東京・大阪と似た気候なので、日本人にとっては過ごしやすい土地と言えると思います。
ⅲ)日本料理・日本食材
ナッシュビル近郊には多くの日本企業が進出していることもあり、私が想像していた以上に日本人が多く、日本料理店や日本食材店も数多くありますので、和食に困ることはありません。
(JALやANAが乗り入れているNYのJFK空港やシカゴのO’Hare空港ですら日本語の案内は見かけませんが、ここナッシュビル空港では日本語の表示がなされています。「Security」を「安全」と訳してあったりして多少の違和感はありますが・・・)
冬休み明け直後のAdd&Drop期間(学期最初の1週間でどの授業を登録するか決めます)、秋学期の成績発表、そしてオバマ大統領の就任式(当然学生生活には直接的には影響はありませんが、就任式の行われた1月20日は、少なくとも私の受講している2科目は教授が就任式を見に行ったのか、休講でした。)等と何かと気ぜわしい学期のスタートでしたが、そろそろ通常のペースになってきました。
1. 秋学期の振り返り
授業・教授によっては授業内でのディスカッションやレポート提出、中間試験も成績評価の一部とされることもあるようですが、ロースクールの大半の授業では期末試験の一発勝負で成績が決められます。ここで簡単にVanderbilt law schoolでの試験について紹介したいと思います。
形式は、普通に教室で受験する試験と試験問題を事務局で入手して家で受験するTake homeの試験があります。さらに、前者はノートやテキスト等の持ち込みが許されるOpen book形式と、持ち込みが一切認められないClosed book形式のものがあります。(Take home examは必然的にOpen bookになります。)
英語を母国語としないLL.M.については、受験時間が1.5倍になる、Closed bookでも辞書の持ち込みが許される(電子辞書は不可で書籍に限定されます。また、『英米法辞典』のような法律英語に特化した専門的な辞書は不可で、一般的な語彙が掲載されている英和・和英辞典のみ可とされます。)、といった措置が取られます。
私が受講した科目の中で一番試験時間が長かったものはContractsの4時間(したがってLL.M.は1.5倍の6時間)。飲食物持ち込み可なので、教室におにぎりとバナナを持ち込んで試験中に空腹を満たしました。
受験前は6時間の試験なんて集中力も体力ももたないのではないかと思っていましたが、いざ受験してみると答案に書かなければならないこと、書きたいことがとても多く、試験時間が余るということはありませんでした。受験後には疲労感で一杯になってしまいました。(残念ながら達成感・満足感は全くなしでした。)
私の受験していない科目では元々の試験時間が6時間・8時間(したがってLL.M.は9時間・12時間受験)といった試験もあったようです。
試験内容は、Essayのみ・Multiple choiceのみ・両者の混合、と様々なパターンがあります。OpenがCloseか、EssayかMultiple choiceか等、試験の情報は受験科目を決める最初の授業で教授から説明されるので、授業登録の際には参考にされた方がいいと思います。
個人的にはMultiple choiceは部分点がない怖さがあるので、Essayタイプの方が好きです。ただ、英語の表現力、タイプするスピードで圧倒的にネイティブに比べて不利なことは否めませんでした。
試験期間の1~2週間前から、学校全体が試験モードになり、図書館だけでなく授業で使っていない教室が24時間解放されるようになったり、コーヒーやドーナツが大学から提供されたりします。
2. 週間スケジュール
|
AM | PM |
Mon | ・Secured Transactions ・Securities Regulation | ・Insurance Law ・LL.M. English |
Tue | ・Secured Transactions ・Securities Regulation | ・LL.M. English |
Wed | Free | 自習 |
Thu | 自習 | ・Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice |
Fri | 自習 | 自習 |
Sat | Free | Free |
Sun | 自習 | 自習 |
その他、2月下旬に1週間の集中講義のCorporate Governanceを受講予定です。
私は図書館で勉強するよりも家で勉強する方が好きなタイプなので、授業がある曜日を固めて、大学に行かないで済む曜日を設定できたのは良かったかなと思っています。
3. 授業の様子
(1) Secured Transactions
動産担保法の授業で、UCC Article9を勉強しています。
完全な制定法の科目で、caseを読むことよりもUCCの条文を細かく読み込むことが求められますので、内容の理解度はともかく、勉強のスタンスとしては日本の法律を勉強するのと同じ感覚で取り組みやすいかなと感じています。
教授はシカゴの弁護士の方で、メリハリを持って話される方なので分かりやすいと思います。
(2) Securities Regulation
証券取引法の授業。
これも完全に制定法やSECの規則の条文、SECのアナウンスメント等を読み込むことが求められます。1933年の証券法・1934年の証券取引所法がメインですが、時代の流れに即して頻繁に改正が重ねられたりSECによる条文の解釈が度々変更されていたりと、かなり複雑な法体系になっていて、条文を理解するのに時間がかかってしまっています。
(3) Insurance Law
全体で20人弱しか受講しておらず(LL.M.は私だけ)、1回目の授業では受講生全員が自己紹介をするというアットホームな感じの授業です。
授業は、caseのディスカッションが中心となっています。
(4) Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
アメリカのロースクールでは、弁護士になるにあたっての職業倫理を学ぶProfessional Responsibilityという科目がJDでは必須科目とされていますが、この授業はその企業法務に就く弁護士に特化した内容という感じです。
私は弁護士ではなく企業派遣なので直接的には関係なさそうにも思えますが、会社で社外弁護士の方に案件を依頼する際や、法務部門で働く際の社内の他の部門との関わり方などに役立てられるかなと思い受講しています。
教授は地元ナッシュビルの弁護士で、2008年の大統領選と同時に行われた連邦上院選でテネシー州の民主党候補として立候補したそうです(結果は共和党候補に敗れたそうですが)。政治家を目指したことのある人だけあって、授業も何か政治家のスピーチを聞いているようです。
(5) LL.M. English
秋学期に引き続き英語の授業を受けています。単位等には全く関係なくて、自由参加の授業です。
今はタイ人の学生2人と、N.Mさんと私の日本人学生2人の計4人でメンバーが固定化されてきました。
特定テーマや時事ネタをディスカッションするなど、最近は会話を中心に授業をしてもらっています。
4. 学校外生活
1) 娯楽
娯楽の少ないナッシュビルですが、休みの日には近くのゴルフ場に行ったり、近場の観光地までドライブをしたりして楽しんでします。
【Mammoth Cave】
お隣のケンタッキー州にある国立公園。世界最長の洞窟らしいです。Nashvilleから車で2時間くらいです。
【Hot Springs】
こちらはアーカンソー州にある国立公園。ナッシュビルからは車で6時間程度かかるので、日帰りは厳しいです。
その名の通り、温泉で有名な観光地で、クリントン元大統領の出身地です。観光地と言っても人は少なくてものすごくのんびりした雰囲気でした。
温泉といっても、日本のように大浴場にみんなで浸かる訳ではなく、個人ごとに50~60分のコースで個々に仕切られたバスタブに入る→サウナに入る→ベンチで横になり蒸しタオルをかけてもらいゆっくりと寝る、といった感じです。
大きな浴槽でお湯に浸かれなかったのは残念でしたが、アメリカ式の温泉を経験できたのでよかっです。
その他、サンクスギビングの週に1週間の秋休みにはフロリダ・オーランドのディズニーワールド、期末試験終了後の冬休みにはフロリダのマイアミに旅行してきました。ナッシュビルからオーランドやマイアミには飛行機で2時間程度ですので旅行がしやすいです。
また、先日はセリーヌ・ディオンの世界ツアーがここナッシュビルでも開催され、コンサートを観に行ってきました。たまにはこのような世界的な有名人もナッシュビルに来ることもあるようです。
2) 日常生活
i)治安
場所によるのでしょうが、少なくとも私自身は身に危険を感じたことはありませんし、周りから治安が悪いという話はほとんど聞きません。治安は良くて過ごしやすい街だと思います。
ⅱ)気候
ここ数週間は、アメリカ全体が歴史的な寒気に襲われ、ナッシュビルでも最高でも氷点下以下、最低で-10℃以下と寒い日が続き、先日は私がナッシュビルに来て以来初の雪が降りました。しかし雪は積もらず、また吹雪くこともないので何とか耐えられるかなと思っています。
冬の気温以外は四季を通じて東京・大阪と似た気候なので、日本人にとっては過ごしやすい土地と言えると思います。
ⅲ)日本料理・日本食材
ナッシュビル近郊には多くの日本企業が進出していることもあり、私が想像していた以上に日本人が多く、日本料理店や日本食材店も数多くありますので、和食に困ることはありません。
(JALやANAが乗り入れているNYのJFK空港やシカゴのO’Hare空港ですら日本語の案内は見かけませんが、ここナッシュビル空港では日本語の表示がなされています。「Security」を「安全」と訳してあったりして多少の違和感はありますが・・・)
週替わり日記2008秋学期 その7 I.A.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは、I.A.です。ナッシュビルの寒さも一段と増して、本格的な冬が近づいている今日この頃です。学期末が近づくにつれて、試験やゼミ論文の準備に追われて忙しくなってきている人が多いようです。ロースクールの雰囲気も、8月の頃とは変って慌ただしくなってきました。私もそろそろ期末試験の勉強を始めるところですが、噂に聞くロースクールの試験が実際にどのようなものなのか気になるところです。
1. 秋学期のスケジュール
2. 授業の様子
まだ紹介されていない、Civil Procedureの授業について書かせていただきます。この授業は、ロースクールの一年生が履修する基礎的な科目のひとつで、アメリカ連邦法上の民事訴訟手続きを学びます。ただし、アメリカの民事訴訟法は範囲が膨大なため、この授業では主に正式事実審理前に問題となる裁判管轄やディスカバリー手続き等に焦点が当てられています。民事訴訟法関連のその他のトピックは、他の授業でカバーされているようです。たとえば、クラス・アクションについてはComplex Litigationという授業で独立して教えられていて、また正式事実審理や陪審員に関する制度は証拠法の授業で習うようになっています。
授業を教えている教授は、ロースクールを卒業後、連邦最高裁判事の一人であるScaliaの下でClerkshipを行い、ワシントンDCの大手法律事務所に数年間弁護士として勤務していた経歴を持ちます。そのため、教授の個人的な経験等が授業に盛り込まれていて、とてもおもしろい内容の授業だと感じています。ディスカバリー手続きを学ぶ週には、教授がかつて勤務していた法律事務所から招かれた訴訟専門の弁護士が授業の中でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションを通じ、「訴訟社会」と呼ばれるアメリカの制度的な裏付けに関する実態を垣間見る気分でした。
この授業において、日本の法学部(恐らく法科大学院も)における授業と最も異なる点は、判例についての法的な分析にとどまらず、政治的な分析も行う点です(授業の違いそれ自体というよりも、両国の司法制度の違いに起因する事柄だとは思いますが)。判例の意見で過去の判例とかみ合わない部分等を教授が指摘して、個々の裁判官の政治的なバックグラウンドを用いた説明が行われます。ある学生が「民事訴訟法の授業で政治の話をするのはおかしい」という趣旨の意見を教授に出したところ、教授が「アメリカ合衆国では、法理論が形成される過程で現実に重要な要素となっている政治的な側面をも考慮しないと法実務は行えない」と返答したのが印象的でした。
3. その他
日々予習・復習に追われて勉強が中心となるロースクール生活ですが、その他にも色々なイベントがあります。特に、私はキャンパス近くにあるロースクール生専用の「Barbizon(いまだに名前の由来がわかりません)」というアパートに住んでいるため、同級生とも顔を合わせる機会が多いです。(私がBarbizon住民であることから、「毎日夜飲み歩いている」とか「勉強していない」と思われていたことがあるようですが、全くの誤解です!)
金曜日の夜はBarbizonの裏手にあるバルコニーでビールや食べ物を持ち寄ってLL.M.生を中心としたパーティーが開かれるという習慣がなぜか一時期ありました。ロースクールに近いという地の利もあり、LL.M.のみではなくJ.D.の学生もこの会には頻繁に訪れていたので、授業以外でロースクール生と交流を図るには絶好の機会でした。ただ、寒くなるにつれてバルコニーで開催されるこの会を維持するのは難しくなり、10月末には残念ながら廃止となりました。
アメリカ大統領選挙が近づくに従って、ロースクール内外で開かれたイベントに参加することができました。ナッシュビルで候補者の討論会が開かれた際には、同級生とともに会場まで足を運んで現地の熱気を目の当たりにしました。また、開票日には大学近くのバーで民主党を支持するロースクール生がテレビ中継をみるという集まりがありましたが、それにも参加しました。午後十時にオバマ当選確実の発表が行われた瞬間、バーは歓喜で溢れかえっていました。印象的だったのは、その場で多くの学生が涙を流していたことです。アメリカの歴史に鑑みて、今回の大統領選挙ではアフリカ系アメリカ人であるオバマが大統領になることの象徴的な意味合いが大きかったことを改めて感じました。
1. 秋学期のスケジュール
|
AM | PM |
Mon | Contracts | Civil Procedure |
Tue | Contracts | Civil Procedure |
Wed | Contracts | Civil Procedure |
Thu | Conflicts of Law | Writing |
Fri | Conflicts of Law | Legal Research and Writing |
Sat | 惰眠 | 予習等 |
Sun | 予習 | 予習 |
2. 授業の様子
まだ紹介されていない、Civil Procedureの授業について書かせていただきます。この授業は、ロースクールの一年生が履修する基礎的な科目のひとつで、アメリカ連邦法上の民事訴訟手続きを学びます。ただし、アメリカの民事訴訟法は範囲が膨大なため、この授業では主に正式事実審理前に問題となる裁判管轄やディスカバリー手続き等に焦点が当てられています。民事訴訟法関連のその他のトピックは、他の授業でカバーされているようです。たとえば、クラス・アクションについてはComplex Litigationという授業で独立して教えられていて、また正式事実審理や陪審員に関する制度は証拠法の授業で習うようになっています。
授業を教えている教授は、ロースクールを卒業後、連邦最高裁判事の一人であるScaliaの下でClerkshipを行い、ワシントンDCの大手法律事務所に数年間弁護士として勤務していた経歴を持ちます。そのため、教授の個人的な経験等が授業に盛り込まれていて、とてもおもしろい内容の授業だと感じています。ディスカバリー手続きを学ぶ週には、教授がかつて勤務していた法律事務所から招かれた訴訟専門の弁護士が授業の中でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションを通じ、「訴訟社会」と呼ばれるアメリカの制度的な裏付けに関する実態を垣間見る気分でした。
この授業において、日本の法学部(恐らく法科大学院も)における授業と最も異なる点は、判例についての法的な分析にとどまらず、政治的な分析も行う点です(授業の違いそれ自体というよりも、両国の司法制度の違いに起因する事柄だとは思いますが)。判例の意見で過去の判例とかみ合わない部分等を教授が指摘して、個々の裁判官の政治的なバックグラウンドを用いた説明が行われます。ある学生が「民事訴訟法の授業で政治の話をするのはおかしい」という趣旨の意見を教授に出したところ、教授が「アメリカ合衆国では、法理論が形成される過程で現実に重要な要素となっている政治的な側面をも考慮しないと法実務は行えない」と返答したのが印象的でした。
3. その他
日々予習・復習に追われて勉強が中心となるロースクール生活ですが、その他にも色々なイベントがあります。特に、私はキャンパス近くにあるロースクール生専用の「Barbizon(いまだに名前の由来がわかりません)」というアパートに住んでいるため、同級生とも顔を合わせる機会が多いです。(私がBarbizon住民であることから、「毎日夜飲み歩いている」とか「勉強していない」と思われていたことがあるようですが、全くの誤解です!)
金曜日の夜はBarbizonの裏手にあるバルコニーでビールや食べ物を持ち寄ってLL.M.生を中心としたパーティーが開かれるという習慣がなぜか一時期ありました。ロースクールに近いという地の利もあり、LL.M.のみではなくJ.D.の学生もこの会には頻繁に訪れていたので、授業以外でロースクール生と交流を図るには絶好の機会でした。ただ、寒くなるにつれてバルコニーで開催されるこの会を維持するのは難しくなり、10月末には残念ながら廃止となりました。
アメリカ大統領選挙が近づくに従って、ロースクール内外で開かれたイベントに参加することができました。ナッシュビルで候補者の討論会が開かれた際には、同級生とともに会場まで足を運んで現地の熱気を目の当たりにしました。また、開票日には大学近くのバーで民主党を支持するロースクール生がテレビ中継をみるという集まりがありましたが、それにも参加しました。午後十時にオバマ当選確実の発表が行われた瞬間、バーは歓喜で溢れかえっていました。印象的だったのは、その場で多くの学生が涙を流していたことです。アメリカの歴史に鑑みて、今回の大統領選挙ではアフリカ系アメリカ人であるオバマが大統領になることの象徴的な意味合いが大きかったことを改めて感じました。