週替わり日記2009春学期 その6 I.A.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。I.A.です。本LL.M.プログラムの修了まで、残すところあとわずか二か月と一週間ほどになりました。春休みが終わった後には、期末試験が近づくにつれ再び慌ただしくなりそうです。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業等の様子
今セメスターは、先セメスターと違って1年生用の授業は履修せずに、2、3年生用の科目のみを履修しています。クラスの雰囲気は、1年生の必修科目であるContractsやCivil procedureとは異なり、学生がリラックスした感じなのに驚きました。私は午前中に受ける授業がないので、なるべく朝は早く起きて図書館で自習を行うことにしました。無料で飲むことのできるコーヒーが無くなり始めるのが9時を過ぎてからなので、それまでには図書館での自習をスタートさせる習慣をつけました。
通常の授業に加えて、今セメスターはObtaining and enforcing relief in institutional reform litigationとAnti trustのショート・コースを履修しました。前者の授業は、ロースクールにおいて通常開講される授業とは趣が異なり、内容的にも面白く感じました。この授業においては、州の公共教育機関による人種隔離政策を構造的に是正するための連邦裁判所の機能・役割について学びました。テネシー州にて実際に起こった州立大学の人種隔離政策に対する訴訟をケース・スタディーの対象として、この事件で特別補助裁判官を務めた弁護士の方が授業を行いました。Institutional reform litigationの大きな特徴の一つが裁判所による組織構造改革の執行が長期化することであり、私たちが学んだこの事件も15年以上の歳月をかけて最近決着がついたものでした。また、授業の一環として、この訴訟に今まで関わってきた双方の当事者や裁判官などが一同に会してのパネル・ディスカッションが開かれました。
先セメスターに比べて時間的な余裕ができたこともあり、履修している授業以外の特別に開講される講義に出席することも多くなりました。大抵、木曜日の昼などには学生団体によって他校やその他の機関から招かれた研究者や専門家の講演会が開催されます。講演のトピックは、法律の問題はもちろん、社会、経済、政治など多岐にわたります。ロースクールで履修できる科目の数は限られていることもあり、授業以外で学術的な体験をできる貴重な機会なので、なるべく出席しようと思っています。また、ピザやサンドイッチなどの昼食が配布されることもあるのでお得です。
3.その他
勉強以外の時間や余暇にLLMの友人たちと過ごす時間が先セメスターにも増して多くなってきました。バンダービルトのLLMは比較的に小規模なので、同級生と仲良くなりやすい環境にあると思います。金曜の夜や週末は、友人たちと映画を観にいったり、ダウンタウンに行ったり、誰かの家に集まったりと、楽しい時間を過ごしています。多様な国籍、年齢、職業を背景に持った人々と知り合いになれて、とてもうれしく思います。残り少ない留学生活、一日一日を大事に過ごしたいと感じています。
1.春学期の週間スケジュール
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AM | PM |
Mon |
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Corporations |
Tue |
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|
Wed |
|
Corporations |
Thu |
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International Business Transaction Professional and Ethical Consideration of Corporate Practice |
Fri |
|
International Business Transaction |
2.授業等の様子
今セメスターは、先セメスターと違って1年生用の授業は履修せずに、2、3年生用の科目のみを履修しています。クラスの雰囲気は、1年生の必修科目であるContractsやCivil procedureとは異なり、学生がリラックスした感じなのに驚きました。私は午前中に受ける授業がないので、なるべく朝は早く起きて図書館で自習を行うことにしました。無料で飲むことのできるコーヒーが無くなり始めるのが9時を過ぎてからなので、それまでには図書館での自習をスタートさせる習慣をつけました。
通常の授業に加えて、今セメスターはObtaining and enforcing relief in institutional reform litigationとAnti trustのショート・コースを履修しました。前者の授業は、ロースクールにおいて通常開講される授業とは趣が異なり、内容的にも面白く感じました。この授業においては、州の公共教育機関による人種隔離政策を構造的に是正するための連邦裁判所の機能・役割について学びました。テネシー州にて実際に起こった州立大学の人種隔離政策に対する訴訟をケース・スタディーの対象として、この事件で特別補助裁判官を務めた弁護士の方が授業を行いました。Institutional reform litigationの大きな特徴の一つが裁判所による組織構造改革の執行が長期化することであり、私たちが学んだこの事件も15年以上の歳月をかけて最近決着がついたものでした。また、授業の一環として、この訴訟に今まで関わってきた双方の当事者や裁判官などが一同に会してのパネル・ディスカッションが開かれました。
先セメスターに比べて時間的な余裕ができたこともあり、履修している授業以外の特別に開講される講義に出席することも多くなりました。大抵、木曜日の昼などには学生団体によって他校やその他の機関から招かれた研究者や専門家の講演会が開催されます。講演のトピックは、法律の問題はもちろん、社会、経済、政治など多岐にわたります。ロースクールで履修できる科目の数は限られていることもあり、授業以外で学術的な体験をできる貴重な機会なので、なるべく出席しようと思っています。また、ピザやサンドイッチなどの昼食が配布されることもあるのでお得です。
3.その他
勉強以外の時間や余暇にLLMの友人たちと過ごす時間が先セメスターにも増して多くなってきました。バンダービルトのLLMは比較的に小規模なので、同級生と仲良くなりやすい環境にあると思います。金曜の夜や週末は、友人たちと映画を観にいったり、ダウンタウンに行ったり、誰かの家に集まったりと、楽しい時間を過ごしています。多様な国籍、年齢、職業を背景に持った人々と知り合いになれて、とてもうれしく思います。残り少ない留学生活、一日一日を大事に過ごしたいと感じています。
週替わり日記2009春学期 その5 S.T.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
2月も終わりにさしかかり、LL.M.の生活もいよいよ終盤です。まだまだやり残しているものがたくさんありますが、帰国まで一つずつ終わらせていきたいと思います。
1. 授業の様子
今学期の私の時間割は以下のとおりです。週2コマの授業を4つ取りました。いずれも、2,3年生用の授業です。先学期は、一般的に大変と言われている一年生用の授業しか取らず、2,3年生用の授業は少しは楽なのかなあと思っていましたが、宿題が多い授業が多く、あまり楽だとは感じません。期末試験で試験が4つあるのも大変そうです。
2. 食べ物雑感
今回は、ナッシュビルでの食事情について少し触れたいと思います。当初は毎日自炊を目指していたものの、勉強が大変になってきて、かなり挫折しかかり、今では細々とたまに自炊を楽しんでいる料理初心者の感想です。ナッシュビルにも日本食材店があるので、調味料や納豆など一応一通りのものがそろいますが、NY等の大都市と比べて、種類が豊富でない点は否めません。それは、予め予想していましたが、以下では、ちょっと細かい日米の食材の違いをご紹介します。
a. 人参
人参は、アメリカも日本も同じだろうと思っていましたが、アメリカの一般的な人参は、とても細くて見た目も乾燥している感じで、あのみずみずしい日本の人参とは違います。そのせいか、お料理にあまり人参を使わなくなったような気がします。また、手の小指ほどのベビーキャロットもよく見かけます。
b. キャベツ
こちらのキャベツはとても固いです。少々炒めたくらいでは、あまりおいしく食べられません。でも、30分ほど煮込むと普通においしく食べられます。
c. ブドウ
こちらのブドウは、巨峰より小粒で、実が固く、皮をむかずにそのまま食べます。甘みも巨峰に比べると少ないのですが、その素朴な味と食べやすさが気に入りこちらに来た当初、私は毎日ブドウを食べていました。
d. 鷹の爪
ピリ辛味が好きな私は、こちらに来て唐辛子を使ったお料理を作ろうと思ったものの、スーパーで鷹の爪がなかなか見つかりませんでした。巨大な乾燥した唐辛子(長さ10センチくらい)を細かく刻むと、日本の鷹の爪と同様に使えるそうですが、私は日本から鷹の爪を送ってもらいました。
e. お肉
こちらでは、日本食材店に行かないと薄切りのお肉が売っていません。私が日本から持ってきたお料理本は薄切り肉を使うものが多いので、使えるレシピが限られてしまいました。
f. 卵
日本ではよく卵料理を作っていましたが、こちらでは、生卵は怖くて食べられず、半熟も不安なので、しっかり火を通すしかありません。そうするとあのとろりとしたおいしさがなくなってしまい、あまり作らなくなってしまいました。
こちらに来てからよく使うようになった野菜は、パプリカとマッシュルームです。普通のピーマンがないのと、エノキやシメジは値段が高いのでこれらを使っています。ちなみに、こちらのレストランでは、マッシュルームがほとんど生で、かつ、結構厚切りで出されることがあります(たまにお味噌汁に入っています。)。また、日本のナスも売っていますが、やはり値段が高いので私は米ナスを使っています。せっかくなので、今度米ナスのあの大きさを活かして、中身をくりぬいて外側を器にしたグラタンに挑戦しようと思っています。
なお、スーパーでは、野菜は量り売りで、レジのところで量っているので、かごに入れる時は、一つ一つがいくらなのかよくわからないままです。
最後に、留学されるときに、和のおもてなしをしようと、和食を練習される方のために。こちらでは、日本食の代表料理の中に、「照り焼き」が含まれます(私は、こちらに来るまで、照り焼きが日本料理だとは特に認識していませんでした。)。もっとも、こちらのレストランで出される照り焼きは、大抵ソースが甘すぎて、あまりおいしくありません。ですので、ホームパーティーでおいしい照り焼きを出せば、「これが本当の日本の照り焼きなのよ」と胸をはって言えます。
1. 授業の様子
今学期の私の時間割は以下のとおりです。週2コマの授業を4つ取りました。いずれも、2,3年生用の授業です。先学期は、一般的に大変と言われている一年生用の授業しか取らず、2,3年生用の授業は少しは楽なのかなあと思っていましたが、宿題が多い授業が多く、あまり楽だとは感じません。期末試験で試験が4つあるのも大変そうです。
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AM | PM |
Mon | Secured Transactions |
Corporations |
Tue | Secured Transactions |
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Wed | Bankruptcy |
Corporations |
Thu | Bankruptcy | International Business Transaction |
Fri |
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International Business Transaction |
2. 食べ物雑感
今回は、ナッシュビルでの食事情について少し触れたいと思います。当初は毎日自炊を目指していたものの、勉強が大変になってきて、かなり挫折しかかり、今では細々とたまに自炊を楽しんでいる料理初心者の感想です。ナッシュビルにも日本食材店があるので、調味料や納豆など一応一通りのものがそろいますが、NY等の大都市と比べて、種類が豊富でない点は否めません。それは、予め予想していましたが、以下では、ちょっと細かい日米の食材の違いをご紹介します。
a. 人参
人参は、アメリカも日本も同じだろうと思っていましたが、アメリカの一般的な人参は、とても細くて見た目も乾燥している感じで、あのみずみずしい日本の人参とは違います。そのせいか、お料理にあまり人参を使わなくなったような気がします。また、手の小指ほどのベビーキャロットもよく見かけます。
b. キャベツ
こちらのキャベツはとても固いです。少々炒めたくらいでは、あまりおいしく食べられません。でも、30分ほど煮込むと普通においしく食べられます。
c. ブドウ
こちらのブドウは、巨峰より小粒で、実が固く、皮をむかずにそのまま食べます。甘みも巨峰に比べると少ないのですが、その素朴な味と食べやすさが気に入りこちらに来た当初、私は毎日ブドウを食べていました。
d. 鷹の爪
ピリ辛味が好きな私は、こちらに来て唐辛子を使ったお料理を作ろうと思ったものの、スーパーで鷹の爪がなかなか見つかりませんでした。巨大な乾燥した唐辛子(長さ10センチくらい)を細かく刻むと、日本の鷹の爪と同様に使えるそうですが、私は日本から鷹の爪を送ってもらいました。
e. お肉
こちらでは、日本食材店に行かないと薄切りのお肉が売っていません。私が日本から持ってきたお料理本は薄切り肉を使うものが多いので、使えるレシピが限られてしまいました。
f. 卵
日本ではよく卵料理を作っていましたが、こちらでは、生卵は怖くて食べられず、半熟も不安なので、しっかり火を通すしかありません。そうするとあのとろりとしたおいしさがなくなってしまい、あまり作らなくなってしまいました。
こちらに来てからよく使うようになった野菜は、パプリカとマッシュルームです。普通のピーマンがないのと、エノキやシメジは値段が高いのでこれらを使っています。ちなみに、こちらのレストランでは、マッシュルームがほとんど生で、かつ、結構厚切りで出されることがあります(たまにお味噌汁に入っています。)。また、日本のナスも売っていますが、やはり値段が高いので私は米ナスを使っています。せっかくなので、今度米ナスのあの大きさを活かして、中身をくりぬいて外側を器にしたグラタンに挑戦しようと思っています。
なお、スーパーでは、野菜は量り売りで、レジのところで量っているので、かごに入れる時は、一つ一つがいくらなのかよくわからないままです。
最後に、留学されるときに、和のおもてなしをしようと、和食を練習される方のために。こちらでは、日本食の代表料理の中に、「照り焼き」が含まれます(私は、こちらに来るまで、照り焼きが日本料理だとは特に認識していませんでした。)。もっとも、こちらのレストランで出される照り焼きは、大抵ソースが甘すぎて、あまりおいしくありません。ですので、ホームパーティーでおいしい照り焼きを出せば、「これが本当の日本の照り焼きなのよ」と胸をはって言えます。
週替わり日記2009春学期 その4 D.S.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
ナッシュビルに来てもう半年以上が経ち、友達も随分でき、本当に楽しい毎日を過ごしています。ただ、4月の半ばからは期末試験期間に入り、卒業後はバーの試験勉強に終われる日々が待っていますので、友達と一緒に遊べるのはあと2ヶ月程度かと思うと、さびしくなってきます。あと2ヶ月、悔いの残らないように思いっきり学生生活を楽しみたいと思っています。英会話力ももうちょっと上達させたいです。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Constitutional Law
アメリカの統治構造を理解したいと思い取った授業です。ご承知のとおり、アメリカの憲法は日本の憲法に似ていますので、理解しやすい部分もありますが、細かな議論に入るとお手上げです。
②Corporations
会社法の重要論点を網羅的に広く浅くつぶしていく授業を想像して取ったのですが、実際は、教授が関心を持っているいくつかの論点を深く勉強するというスタイルの授業が進められています。この点が少し残念ですが、予習範囲がそれほど多くいというのはとても助かっています(僕は、リーディングスピードが遅いので、予習範囲が多いと十分に予習ができず、授業が分からないという悪循環に陥ってしまいます。)。
③International Business Transaction
国際商取引に関連する法律問題を網羅的に勉強していきます。教授が毎回パワーポイントを使って授業を進めてくれるので、非常に分かりやすいです。
④International Civil Litigation
5日間で集中的に授業を行うショートコースの科目で、1月下旬に授業を受け、先週試験を終わらせました。授業内容は非常に興味深いのですが、予習範囲が毎日50ページ以上もあり、とても予習範囲を全て終わらせることができず、そのため授業内容も良く分からないという悪循環に陥ってしまいました。このため、試験勉強の際には随分苦労しました。
3.余暇について
春学期に入り、妻ともども随分とこちらの生活に慣れ、友達もたくさん出来ましたので、最近は家に友達を呼んでホームパーティをしたり、友達と旅行に行ったりして楽しんでいます。LL.M.の友人や妻が英語学校で知り合ったリビアや韓国の友人たちと一緒に遊ぶことが多いです。1月にはリビアの友人とミシシッピの牧場に1泊旅行をしてきました。春休み(3月上旬)には、LL.M.の友人とフロリダに旅行に行く予定にしています。日本で仕事に追われているときは、このような時間を全く想像できませんでしたが、本当に貴重な経験をさせてもらっていると思います。皆さんも留学されたら、きっと世界が広がると思いますよ!
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Constitutional Law
アメリカの統治構造を理解したいと思い取った授業です。ご承知のとおり、アメリカの憲法は日本の憲法に似ていますので、理解しやすい部分もありますが、細かな議論に入るとお手上げです。
②Corporations
会社法の重要論点を網羅的に広く浅くつぶしていく授業を想像して取ったのですが、実際は、教授が関心を持っているいくつかの論点を深く勉強するというスタイルの授業が進められています。この点が少し残念ですが、予習範囲がそれほど多くいというのはとても助かっています(僕は、リーディングスピードが遅いので、予習範囲が多いと十分に予習ができず、授業が分からないという悪循環に陥ってしまいます。)。
③International Business Transaction
国際商取引に関連する法律問題を網羅的に勉強していきます。教授が毎回パワーポイントを使って授業を進めてくれるので、非常に分かりやすいです。
④International Civil Litigation
5日間で集中的に授業を行うショートコースの科目で、1月下旬に授業を受け、先週試験を終わらせました。授業内容は非常に興味深いのですが、予習範囲が毎日50ページ以上もあり、とても予習範囲を全て終わらせることができず、そのため授業内容も良く分からないという悪循環に陥ってしまいました。このため、試験勉強の際には随分苦労しました。
3.余暇について
春学期に入り、妻ともども随分とこちらの生活に慣れ、友達もたくさん出来ましたので、最近は家に友達を呼んでホームパーティをしたり、友達と旅行に行ったりして楽しんでいます。LL.M.の友人や妻が英語学校で知り合ったリビアや韓国の友人たちと一緒に遊ぶことが多いです。1月にはリビアの友人とミシシッピの牧場に1泊旅行をしてきました。春休み(3月上旬)には、LL.M.の友人とフロリダに旅行に行く予定にしています。日本で仕事に追われているときは、このような時間を全く想像できませんでしたが、本当に貴重な経験をさせてもらっていると思います。皆さんも留学されたら、きっと世界が広がると思いますよ!
週替わり日記2009春学期 その3 S.Yの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
あっという間に2月になってしまいました。本当に時間が経つのは早いと実感しています。
5月8日が卒業式なので、仲良くなった留学生の友人とあと3カ月でお別れか~と思うととても寂しくなります。
1.春学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Secured Transactions
Kさんが取られている授業と同じものです(なので、内容の説明は省略します)教授が実務家(大手弁護士事務所のパートナー。毎週シカゴからナッシュビルに通ってきています)で、事例を使ってわかりやすく説明してくれるので理解し易いです。
②Securities Regulation
日本の証券取引法の勉強をするのと同様、条文をきちんと読みこむ作業が非常に大変です。教授は非常に熱のこもった授業をされる方です。
③Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
Kさんが取られている授業と同じものです。企業内弁護士の話などは自分の仕事に関連する部分なので面白いですが、教授はあまり生徒をあてずに一人で延々としゃべり続けるので若干単調な授業です。
④Ethics and Methods of Information Gathering
講師は雑誌の記者で、効率的に顧客等から情報収集する方法やその方法が倫理的に問題ないかということを考える実務的な授業で大変面白いです。なかなか話を聞くことがないだろうなと思われるゲストスピーカーが毎週来るのでそれも興味深いです。元々人数制限のあるクラスで、生徒の数が少ないのでDiscussionになったときは少し大変ですが。教授は、日本の某大手新聞社に2年勤務されていたということで、非常に日本語が堪能です。
⑤Antitrust
短期間で集中的に授業を行うショートコースの科目です。生徒が10人位なので発言を求められるのですが、私はよく答えに詰まってしまっているのでクラスに迷惑掛けまくりです(苦笑)。
3.その他
①Nashvilleの冬
私は、冬休みは日本に帰らず、年末はアメリカ国内旅行をし、年始は友達が日本から遊びに来てくれたのでNashvilleで過ごしました。びっくりしたのが、Nashvilleの冬の寒さです。もちろんNew YorkやBoston、Chicagoと比べたら全然寒くはないですが、南部だからもう少し暖かいと思っていたのに、氷点下の日も結構ありました。しかも常に寒いというわけではなく、15度位の暖かい週の次の週に氷点下の週が来たりして、寒暖の差がとても大きかったです。この冬はラスベガスでも雪が降るという異常気候だったので、この寒暖の差が毎年のものなのか今年だけ特別なのかは分かりません。ただ、Kさんも書かれていましたが、基本的には寒さは東京とそれほど変わらないかな~と思います。
②Nashville周辺観光
上述の通り、年始に日本から友達が遊びに来たことと、ペーパードライバーだった車の運転もさすがに慣れてきたこともあり、Nashville及びNashville周辺に車で遊びに行きました。ケンタッキー州にある世界最長の洞窟といわれるマンモスケーブや、アラバマ州にあるNASAのスペースセンターに行きました。春学期は秋学期よりも勉強が大変になるのでなかなか難しいかもしれませんが、リフレッシュのために時間を見つけて時には車で遠出ができたらいいな~と考えています。車で数時間行くと、他の州に遊びに行けてしまうのは、ここのウリかな~と思います。
③これまでの生活で感じたこと
留学してから半年以上経ち、今までしたことのない体験をしたりいろんな人に会ったりして、留学して本当によかったなと思っています。特に、LL.M.に来ている留学生の友人に出会えたことが一番よかったことです。一部のLL.M.プログラムでは、同じ国の留学生同士で固まってしまうという話を聞いたことがありますが、この大学はLL.M.が30人と比較的小規模なせいか国籍に関係なく仲良くなれていると思います。
5月8日が卒業式なので、仲良くなった留学生の友人とあと3カ月でお別れか~と思うととても寂しくなります。
1.春学期の週間スケジュール
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AM | PM |
Mon | Secured Transactions | Securities Regulations |
Tue | Secured Transactions | Securities Regulations |
Wed |
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Securities Regulations |
Thu |
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Information Gathering Professional & Ethical |
Fri | Information Gathering |
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Sat |
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Sun |
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2.授業の様子
①Secured Transactions
Kさんが取られている授業と同じものです(なので、内容の説明は省略します)教授が実務家(大手弁護士事務所のパートナー。毎週シカゴからナッシュビルに通ってきています)で、事例を使ってわかりやすく説明してくれるので理解し易いです。
②Securities Regulation
日本の証券取引法の勉強をするのと同様、条文をきちんと読みこむ作業が非常に大変です。教授は非常に熱のこもった授業をされる方です。
③Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
Kさんが取られている授業と同じものです。企業内弁護士の話などは自分の仕事に関連する部分なので面白いですが、教授はあまり生徒をあてずに一人で延々としゃべり続けるので若干単調な授業です。
④Ethics and Methods of Information Gathering
講師は雑誌の記者で、効率的に顧客等から情報収集する方法やその方法が倫理的に問題ないかということを考える実務的な授業で大変面白いです。なかなか話を聞くことがないだろうなと思われるゲストスピーカーが毎週来るのでそれも興味深いです。元々人数制限のあるクラスで、生徒の数が少ないのでDiscussionになったときは少し大変ですが。教授は、日本の某大手新聞社に2年勤務されていたということで、非常に日本語が堪能です。
⑤Antitrust
短期間で集中的に授業を行うショートコースの科目です。生徒が10人位なので発言を求められるのですが、私はよく答えに詰まってしまっているのでクラスに迷惑掛けまくりです(苦笑)。
3.その他
①Nashvilleの冬
私は、冬休みは日本に帰らず、年末はアメリカ国内旅行をし、年始は友達が日本から遊びに来てくれたのでNashvilleで過ごしました。びっくりしたのが、Nashvilleの冬の寒さです。もちろんNew YorkやBoston、Chicagoと比べたら全然寒くはないですが、南部だからもう少し暖かいと思っていたのに、氷点下の日も結構ありました。しかも常に寒いというわけではなく、15度位の暖かい週の次の週に氷点下の週が来たりして、寒暖の差がとても大きかったです。この冬はラスベガスでも雪が降るという異常気候だったので、この寒暖の差が毎年のものなのか今年だけ特別なのかは分かりません。ただ、Kさんも書かれていましたが、基本的には寒さは東京とそれほど変わらないかな~と思います。
②Nashville周辺観光
上述の通り、年始に日本から友達が遊びに来たことと、ペーパードライバーだった車の運転もさすがに慣れてきたこともあり、Nashville及びNashville周辺に車で遊びに行きました。ケンタッキー州にある世界最長の洞窟といわれるマンモスケーブや、アラバマ州にあるNASAのスペースセンターに行きました。春学期は秋学期よりも勉強が大変になるのでなかなか難しいかもしれませんが、リフレッシュのために時間を見つけて時には車で遠出ができたらいいな~と考えています。車で数時間行くと、他の州に遊びに行けてしまうのは、ここのウリかな~と思います。
③これまでの生活で感じたこと
留学してから半年以上経ち、今までしたことのない体験をしたりいろんな人に会ったりして、留学して本当によかったなと思っています。特に、LL.M.に来ている留学生の友人に出会えたことが一番よかったことです。一部のLL.M.プログラムでは、同じ国の留学生同士で固まってしまうという話を聞いたことがありますが、この大学はLL.M.が30人と比較的小規模なせいか国籍に関係なく仲良くなれていると思います。
週替わり日記2009春学期 その2 N.Mの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。LL.Mプログラムも残すところあと3カ月となりましたが、あいかわらず英語が話せるようにならないN.Mです。幼稚園に通う娘がたまに披露するネイティブな発音が聞き取れず、すでに父娘の壁を感じております。
1.春学期の週間スケジュール
卒業に必要な単位23単位のうち秋学期に13単位を取得したため、今学期は10単位履修すれば卒業できます。ちなみに当校のLL.Mプログラムでは平均C以上の成績を取れば卒業できますが、平均Cを下回るにはC-やDをたくさん頂戴しなければなりません。ほとんどの科目ではC未満がつくことはありませんので(例外はあります。私が秋学期履修した科目のように…)、当校では「卒業できない」という心配はありません。「毎年一人は脱落させる」学校もあるという噂も耳にしたことがありますが、さすがに卒業できないと会社に戻れないので、私にとっては結構重要なところです。
さて、春学期は7科目12単位を登録しています。この他LL.M用の英会話教室にも秋学期に引き続き参加しています。なお7科目中4科目はショートコースなので、学期を通して授業があるのは3科目ですが、それぞれ「興味がある科目」、「Barの試験科目」、「楽そうな科目」を選びました。同じ科目を取っている日本人の方もおられるので、どれが「楽そうな科目」なのかは申しませんが、秋学期に比べると気持ちの余裕も出てきたのか、自分なりにメリハリをつけて授業に臨めるようになってきました。
今学期の生活パターンは、幼稚園に娘を送った後、朝9時半頃学校に到着、毎朝無料で提供されているコーヒーを飲んで一息ついてから図書館に行き、キャレル(LL.Mは好きなキャレルを年間を通じてキープできます)でこっそりお弁当を食べて毎日午後1時から授業。授業後は図書館で勉強のほか、プール(大学の運動施設はもちろん自由に利用できます。)に行ったり、友人とスタバに行ったりして、夕方6時過ぎに一旦帰宅。夕食後一休みしてから、また図書館にきて12時の閉館にあわせ帰宅、という感じです。家と学校が近いので、気軽に行ったり来たりできるのはとても便利です。図書館にいる時間は長いのですが、家族と一緒に過ごしている時間は日本にいたころよりだいぶ長いと思います。
2.学校外生活
家族(妻・娘)もだいぶこちらの生活に慣れてきました。最初の頃は日本と同じ食材を探したりしていましたが、同じ生活をするのはどだい無理な話なので(日本食材店はあるのでほとんどのものは手に入りますが少々高くつきます)、大きくて分厚いステーキや、マッシュルームのお味噌汁、1羽6ドルの鳥の丸焼きや強烈に甘くて毒々しい色をしたケーキなど、こちらなりの食生活を楽しんでいます。
もちろんおいしいものは沢山あります。これは南部の伝統的な“ビスケット”です。グレービーソースをつけていただきます。おいしいですよ。
さて、せっかくアメリカに家族で来たんだからアメリカ人の家族と触れ合いたい、ということで、我が家は大学が提供するFirst Friend Programに登録し、アメリカ人の一家を紹介してもらいました。こちらの家族構成に合わせ、1歳の娘さんがいる一家を紹介してもらいましたが、お互い小さい子供がいることに加え、ご主人はテネシー州政府で働く弁護士さん、奥様は宣教師の娘で日本に10年以上住んでいたとのことで、共通の話題もあり、とても仲良くさせてもらっています。ハロウィン、クリスマス、お誕生日などの行事ごとに自宅や所属する教会に招待してもらったり、我が家に招待したりと行き来を重ねています。帰国後も、末長くお付き合いしていきたいものです。
First Firendの所属する教会のハロウィンパーティにご招待いただきました。
ここテネシーは「南部」ですが、ひと冬に数回は雪が降るとのことです。今年はまだ積もるような雪は降っていませんが、それでも東京よりはだいぶ寒いです。とはいえ、ニューヨークやシカゴのように凍りつくような寒さではありませんので、真冬でもゴルフはできます(私も1月2日から打ち初めでした)。Contractsの次にゴルフの予習(練習)が大切だというセミプロのKさんからいずれ転戦記のレポートがあると思いますが、やはり冬でも(ゴルフに限らず)外で遊べる、というのは気分転換の意味からも留学生活を充実させる要素のような気がします。
真冬でもこんな感じです。ちなみに打ちっぱなし(ただの原っぱ)は10ドルぐらいで籠に球テンコ盛りです。
〈おまけ〉アメリカの子供のお誕生日会は色々なパターンがありますが盛大にお祝いします。
First Friendの自宅にて。日本でもそうですが1歳のお誕生日は特別です。わざわざミシガンからおじいさん・おばあさんもお祝いにこられていました。
幼稚園の日本人のお友達にご招待いただきました。パーティ施設を借りてお祝いです。健康そうなお姉さんが子供達と遊んでくれます。この後大勢の子ども達で大騒ぎです。
LLMの同級生の自宅(ナッシュビル郊外に豪邸を持っています)にて。プロのピエロを自宅に呼んできました。
1.春学期の週間スケジュール
卒業に必要な単位23単位のうち秋学期に13単位を取得したため、今学期は10単位履修すれば卒業できます。ちなみに当校のLL.Mプログラムでは平均C以上の成績を取れば卒業できますが、平均Cを下回るにはC-やDをたくさん頂戴しなければなりません。ほとんどの科目ではC未満がつくことはありませんので(例外はあります。私が秋学期履修した科目のように…)、当校では「卒業できない」という心配はありません。「毎年一人は脱落させる」学校もあるという噂も耳にしたことがありますが、さすがに卒業できないと会社に戻れないので、私にとっては結構重要なところです。
さて、春学期は7科目12単位を登録しています。この他LL.M用の英会話教室にも秋学期に引き続き参加しています。なお7科目中4科目はショートコースなので、学期を通して授業があるのは3科目ですが、それぞれ「興味がある科目」、「Barの試験科目」、「楽そうな科目」を選びました。同じ科目を取っている日本人の方もおられるので、どれが「楽そうな科目」なのかは申しませんが、秋学期に比べると気持ちの余裕も出てきたのか、自分なりにメリハリをつけて授業に臨めるようになってきました。
今学期の生活パターンは、幼稚園に娘を送った後、朝9時半頃学校に到着、毎朝無料で提供されているコーヒーを飲んで一息ついてから図書館に行き、キャレル(LL.Mは好きなキャレルを年間を通じてキープできます)でこっそりお弁当を食べて毎日午後1時から授業。授業後は図書館で勉強のほか、プール(大学の運動施設はもちろん自由に利用できます。)に行ったり、友人とスタバに行ったりして、夕方6時過ぎに一旦帰宅。夕食後一休みしてから、また図書館にきて12時の閉館にあわせ帰宅、という感じです。家と学校が近いので、気軽に行ったり来たりできるのはとても便利です。図書館にいる時間は長いのですが、家族と一緒に過ごしている時間は日本にいたころよりだいぶ長いと思います。
2.学校外生活
家族(妻・娘)もだいぶこちらの生活に慣れてきました。最初の頃は日本と同じ食材を探したりしていましたが、同じ生活をするのはどだい無理な話なので(日本食材店はあるのでほとんどのものは手に入りますが少々高くつきます)、大きくて分厚いステーキや、マッシュルームのお味噌汁、1羽6ドルの鳥の丸焼きや強烈に甘くて毒々しい色をしたケーキなど、こちらなりの食生活を楽しんでいます。
もちろんおいしいものは沢山あります。これは南部の伝統的な“ビスケット”です。グレービーソースをつけていただきます。おいしいですよ。
さて、せっかくアメリカに家族で来たんだからアメリカ人の家族と触れ合いたい、ということで、我が家は大学が提供するFirst Friend Programに登録し、アメリカ人の一家を紹介してもらいました。こちらの家族構成に合わせ、1歳の娘さんがいる一家を紹介してもらいましたが、お互い小さい子供がいることに加え、ご主人はテネシー州政府で働く弁護士さん、奥様は宣教師の娘で日本に10年以上住んでいたとのことで、共通の話題もあり、とても仲良くさせてもらっています。ハロウィン、クリスマス、お誕生日などの行事ごとに自宅や所属する教会に招待してもらったり、我が家に招待したりと行き来を重ねています。帰国後も、末長くお付き合いしていきたいものです。
First Firendの所属する教会のハロウィンパーティにご招待いただきました。
ここテネシーは「南部」ですが、ひと冬に数回は雪が降るとのことです。今年はまだ積もるような雪は降っていませんが、それでも東京よりはだいぶ寒いです。とはいえ、ニューヨークやシカゴのように凍りつくような寒さではありませんので、真冬でもゴルフはできます(私も1月2日から打ち初めでした)。Contractsの次にゴルフの予習(練習)が大切だというセミプロのKさんからいずれ転戦記のレポートがあると思いますが、やはり冬でも(ゴルフに限らず)外で遊べる、というのは気分転換の意味からも留学生活を充実させる要素のような気がします。
真冬でもこんな感じです。ちなみに打ちっぱなし(ただの原っぱ)は10ドルぐらいで籠に球テンコ盛りです。
〈おまけ〉アメリカの子供のお誕生日会は色々なパターンがありますが盛大にお祝いします。
First Friendの自宅にて。日本でもそうですが1歳のお誕生日は特別です。わざわざミシガンからおじいさん・おばあさんもお祝いにこられていました。
幼稚園の日本人のお友達にご招待いただきました。パーティ施設を借りてお祝いです。健康そうなお姉さんが子供達と遊んでくれます。この後大勢の子ども達で大騒ぎです。
LLMの同級生の自宅(ナッシュビル郊外に豪邸を持っています)にて。プロのピエロを自宅に呼んできました。
週替わり日記2009春学期 その1 Kの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。Kです。
冬休み明け直後のAdd&Drop期間(学期最初の1週間でどの授業を登録するか決めます)、秋学期の成績発表、そしてオバマ大統領の就任式(当然学生生活には直接的には影響はありませんが、就任式の行われた1月20日は、少なくとも私の受講している2科目は教授が就任式を見に行ったのか、休講でした。)等と何かと気ぜわしい学期のスタートでしたが、そろそろ通常のペースになってきました。
1. 秋学期の振り返り
授業・教授によっては授業内でのディスカッションやレポート提出、中間試験も成績評価の一部とされることもあるようですが、ロースクールの大半の授業では期末試験の一発勝負で成績が決められます。ここで簡単にVanderbilt law schoolでの試験について紹介したいと思います。
形式は、普通に教室で受験する試験と試験問題を事務局で入手して家で受験するTake homeの試験があります。さらに、前者はノートやテキスト等の持ち込みが許されるOpen book形式と、持ち込みが一切認められないClosed book形式のものがあります。(Take home examは必然的にOpen bookになります。)
英語を母国語としないLL.M.については、受験時間が1.5倍になる、Closed bookでも辞書の持ち込みが許される(電子辞書は不可で書籍に限定されます。また、『英米法辞典』のような法律英語に特化した専門的な辞書は不可で、一般的な語彙が掲載されている英和・和英辞典のみ可とされます。)、といった措置が取られます。
私が受講した科目の中で一番試験時間が長かったものはContractsの4時間(したがってLL.M.は1.5倍の6時間)。飲食物持ち込み可なので、教室におにぎりとバナナを持ち込んで試験中に空腹を満たしました。
受験前は6時間の試験なんて集中力も体力ももたないのではないかと思っていましたが、いざ受験してみると答案に書かなければならないこと、書きたいことがとても多く、試験時間が余るということはありませんでした。受験後には疲労感で一杯になってしまいました。(残念ながら達成感・満足感は全くなしでした。)
私の受験していない科目では元々の試験時間が6時間・8時間(したがってLL.M.は9時間・12時間受験)といった試験もあったようです。
試験内容は、Essayのみ・Multiple choiceのみ・両者の混合、と様々なパターンがあります。OpenがCloseか、EssayかMultiple choiceか等、試験の情報は受験科目を決める最初の授業で教授から説明されるので、授業登録の際には参考にされた方がいいと思います。
個人的にはMultiple choiceは部分点がない怖さがあるので、Essayタイプの方が好きです。ただ、英語の表現力、タイプするスピードで圧倒的にネイティブに比べて不利なことは否めませんでした。
試験期間の1~2週間前から、学校全体が試験モードになり、図書館だけでなく授業で使っていない教室が24時間解放されるようになったり、コーヒーやドーナツが大学から提供されたりします。
2. 週間スケジュール
その他、2月下旬に1週間の集中講義のCorporate Governanceを受講予定です。
私は図書館で勉強するよりも家で勉強する方が好きなタイプなので、授業がある曜日を固めて、大学に行かないで済む曜日を設定できたのは良かったかなと思っています。
3. 授業の様子
(1) Secured Transactions
動産担保法の授業で、UCC Article9を勉強しています。
完全な制定法の科目で、caseを読むことよりもUCCの条文を細かく読み込むことが求められますので、内容の理解度はともかく、勉強のスタンスとしては日本の法律を勉強するのと同じ感覚で取り組みやすいかなと感じています。
教授はシカゴの弁護士の方で、メリハリを持って話される方なので分かりやすいと思います。
(2) Securities Regulation
証券取引法の授業。
これも完全に制定法やSECの規則の条文、SECのアナウンスメント等を読み込むことが求められます。1933年の証券法・1934年の証券取引所法がメインですが、時代の流れに即して頻繁に改正が重ねられたりSECによる条文の解釈が度々変更されていたりと、かなり複雑な法体系になっていて、条文を理解するのに時間がかかってしまっています。
(3) Insurance Law
全体で20人弱しか受講しておらず(LL.M.は私だけ)、1回目の授業では受講生全員が自己紹介をするというアットホームな感じの授業です。
授業は、caseのディスカッションが中心となっています。
(4) Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
アメリカのロースクールでは、弁護士になるにあたっての職業倫理を学ぶProfessional Responsibilityという科目がJDでは必須科目とされていますが、この授業はその企業法務に就く弁護士に特化した内容という感じです。
私は弁護士ではなく企業派遣なので直接的には関係なさそうにも思えますが、会社で社外弁護士の方に案件を依頼する際や、法務部門で働く際の社内の他の部門との関わり方などに役立てられるかなと思い受講しています。
教授は地元ナッシュビルの弁護士で、2008年の大統領選と同時に行われた連邦上院選でテネシー州の民主党候補として立候補したそうです(結果は共和党候補に敗れたそうですが)。政治家を目指したことのある人だけあって、授業も何か政治家のスピーチを聞いているようです。
(5) LL.M. English
秋学期に引き続き英語の授業を受けています。単位等には全く関係なくて、自由参加の授業です。
今はタイ人の学生2人と、N.Mさんと私の日本人学生2人の計4人でメンバーが固定化されてきました。
特定テーマや時事ネタをディスカッションするなど、最近は会話を中心に授業をしてもらっています。
4. 学校外生活
1) 娯楽
娯楽の少ないナッシュビルですが、休みの日には近くのゴルフ場に行ったり、近場の観光地までドライブをしたりして楽しんでします。
【Mammoth Cave】
お隣のケンタッキー州にある国立公園。世界最長の洞窟らしいです。Nashvilleから車で2時間くらいです。
【Hot Springs】
こちらはアーカンソー州にある国立公園。ナッシュビルからは車で6時間程度かかるので、日帰りは厳しいです。
その名の通り、温泉で有名な観光地で、クリントン元大統領の出身地です。観光地と言っても人は少なくてものすごくのんびりした雰囲気でした。
温泉といっても、日本のように大浴場にみんなで浸かる訳ではなく、個人ごとに50~60分のコースで個々に仕切られたバスタブに入る→サウナに入る→ベンチで横になり蒸しタオルをかけてもらいゆっくりと寝る、といった感じです。
大きな浴槽でお湯に浸かれなかったのは残念でしたが、アメリカ式の温泉を経験できたのでよかっです。
その他、サンクスギビングの週に1週間の秋休みにはフロリダ・オーランドのディズニーワールド、期末試験終了後の冬休みにはフロリダのマイアミに旅行してきました。ナッシュビルからオーランドやマイアミには飛行機で2時間程度ですので旅行がしやすいです。
また、先日はセリーヌ・ディオンの世界ツアーがここナッシュビルでも開催され、コンサートを観に行ってきました。たまにはこのような世界的な有名人もナッシュビルに来ることもあるようです。
2) 日常生活
i)治安
場所によるのでしょうが、少なくとも私自身は身に危険を感じたことはありませんし、周りから治安が悪いという話はほとんど聞きません。治安は良くて過ごしやすい街だと思います。
ⅱ)気候
ここ数週間は、アメリカ全体が歴史的な寒気に襲われ、ナッシュビルでも最高でも氷点下以下、最低で-10℃以下と寒い日が続き、先日は私がナッシュビルに来て以来初の雪が降りました。しかし雪は積もらず、また吹雪くこともないので何とか耐えられるかなと思っています。
冬の気温以外は四季を通じて東京・大阪と似た気候なので、日本人にとっては過ごしやすい土地と言えると思います。
ⅲ)日本料理・日本食材
ナッシュビル近郊には多くの日本企業が進出していることもあり、私が想像していた以上に日本人が多く、日本料理店や日本食材店も数多くありますので、和食に困ることはありません。
(JALやANAが乗り入れているNYのJFK空港やシカゴのO’Hare空港ですら日本語の案内は見かけませんが、ここナッシュビル空港では日本語の表示がなされています。「Security」を「安全」と訳してあったりして多少の違和感はありますが・・・)
冬休み明け直後のAdd&Drop期間(学期最初の1週間でどの授業を登録するか決めます)、秋学期の成績発表、そしてオバマ大統領の就任式(当然学生生活には直接的には影響はありませんが、就任式の行われた1月20日は、少なくとも私の受講している2科目は教授が就任式を見に行ったのか、休講でした。)等と何かと気ぜわしい学期のスタートでしたが、そろそろ通常のペースになってきました。
1. 秋学期の振り返り
授業・教授によっては授業内でのディスカッションやレポート提出、中間試験も成績評価の一部とされることもあるようですが、ロースクールの大半の授業では期末試験の一発勝負で成績が決められます。ここで簡単にVanderbilt law schoolでの試験について紹介したいと思います。
形式は、普通に教室で受験する試験と試験問題を事務局で入手して家で受験するTake homeの試験があります。さらに、前者はノートやテキスト等の持ち込みが許されるOpen book形式と、持ち込みが一切認められないClosed book形式のものがあります。(Take home examは必然的にOpen bookになります。)
英語を母国語としないLL.M.については、受験時間が1.5倍になる、Closed bookでも辞書の持ち込みが許される(電子辞書は不可で書籍に限定されます。また、『英米法辞典』のような法律英語に特化した専門的な辞書は不可で、一般的な語彙が掲載されている英和・和英辞典のみ可とされます。)、といった措置が取られます。
私が受講した科目の中で一番試験時間が長かったものはContractsの4時間(したがってLL.M.は1.5倍の6時間)。飲食物持ち込み可なので、教室におにぎりとバナナを持ち込んで試験中に空腹を満たしました。
受験前は6時間の試験なんて集中力も体力ももたないのではないかと思っていましたが、いざ受験してみると答案に書かなければならないこと、書きたいことがとても多く、試験時間が余るということはありませんでした。受験後には疲労感で一杯になってしまいました。(残念ながら達成感・満足感は全くなしでした。)
私の受験していない科目では元々の試験時間が6時間・8時間(したがってLL.M.は9時間・12時間受験)といった試験もあったようです。
試験内容は、Essayのみ・Multiple choiceのみ・両者の混合、と様々なパターンがあります。OpenがCloseか、EssayかMultiple choiceか等、試験の情報は受験科目を決める最初の授業で教授から説明されるので、授業登録の際には参考にされた方がいいと思います。
個人的にはMultiple choiceは部分点がない怖さがあるので、Essayタイプの方が好きです。ただ、英語の表現力、タイプするスピードで圧倒的にネイティブに比べて不利なことは否めませんでした。
試験期間の1~2週間前から、学校全体が試験モードになり、図書館だけでなく授業で使っていない教室が24時間解放されるようになったり、コーヒーやドーナツが大学から提供されたりします。
2. 週間スケジュール
|
AM | PM |
Mon | ・Secured Transactions ・Securities Regulation | ・Insurance Law ・LL.M. English |
Tue | ・Secured Transactions ・Securities Regulation | ・LL.M. English |
Wed | Free | 自習 |
Thu | 自習 | ・Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice |
Fri | 自習 | 自習 |
Sat | Free | Free |
Sun | 自習 | 自習 |
その他、2月下旬に1週間の集中講義のCorporate Governanceを受講予定です。
私は図書館で勉強するよりも家で勉強する方が好きなタイプなので、授業がある曜日を固めて、大学に行かないで済む曜日を設定できたのは良かったかなと思っています。
3. 授業の様子
(1) Secured Transactions
動産担保法の授業で、UCC Article9を勉強しています。
完全な制定法の科目で、caseを読むことよりもUCCの条文を細かく読み込むことが求められますので、内容の理解度はともかく、勉強のスタンスとしては日本の法律を勉強するのと同じ感覚で取り組みやすいかなと感じています。
教授はシカゴの弁護士の方で、メリハリを持って話される方なので分かりやすいと思います。
(2) Securities Regulation
証券取引法の授業。
これも完全に制定法やSECの規則の条文、SECのアナウンスメント等を読み込むことが求められます。1933年の証券法・1934年の証券取引所法がメインですが、時代の流れに即して頻繁に改正が重ねられたりSECによる条文の解釈が度々変更されていたりと、かなり複雑な法体系になっていて、条文を理解するのに時間がかかってしまっています。
(3) Insurance Law
全体で20人弱しか受講しておらず(LL.M.は私だけ)、1回目の授業では受講生全員が自己紹介をするというアットホームな感じの授業です。
授業は、caseのディスカッションが中心となっています。
(4) Professional and Ethical Considerations in Corporate Practice
アメリカのロースクールでは、弁護士になるにあたっての職業倫理を学ぶProfessional Responsibilityという科目がJDでは必須科目とされていますが、この授業はその企業法務に就く弁護士に特化した内容という感じです。
私は弁護士ではなく企業派遣なので直接的には関係なさそうにも思えますが、会社で社外弁護士の方に案件を依頼する際や、法務部門で働く際の社内の他の部門との関わり方などに役立てられるかなと思い受講しています。
教授は地元ナッシュビルの弁護士で、2008年の大統領選と同時に行われた連邦上院選でテネシー州の民主党候補として立候補したそうです(結果は共和党候補に敗れたそうですが)。政治家を目指したことのある人だけあって、授業も何か政治家のスピーチを聞いているようです。
(5) LL.M. English
秋学期に引き続き英語の授業を受けています。単位等には全く関係なくて、自由参加の授業です。
今はタイ人の学生2人と、N.Mさんと私の日本人学生2人の計4人でメンバーが固定化されてきました。
特定テーマや時事ネタをディスカッションするなど、最近は会話を中心に授業をしてもらっています。
4. 学校外生活
1) 娯楽
娯楽の少ないナッシュビルですが、休みの日には近くのゴルフ場に行ったり、近場の観光地までドライブをしたりして楽しんでします。
【Mammoth Cave】
お隣のケンタッキー州にある国立公園。世界最長の洞窟らしいです。Nashvilleから車で2時間くらいです。
【Hot Springs】
こちらはアーカンソー州にある国立公園。ナッシュビルからは車で6時間程度かかるので、日帰りは厳しいです。
その名の通り、温泉で有名な観光地で、クリントン元大統領の出身地です。観光地と言っても人は少なくてものすごくのんびりした雰囲気でした。
温泉といっても、日本のように大浴場にみんなで浸かる訳ではなく、個人ごとに50~60分のコースで個々に仕切られたバスタブに入る→サウナに入る→ベンチで横になり蒸しタオルをかけてもらいゆっくりと寝る、といった感じです。
大きな浴槽でお湯に浸かれなかったのは残念でしたが、アメリカ式の温泉を経験できたのでよかっです。
その他、サンクスギビングの週に1週間の秋休みにはフロリダ・オーランドのディズニーワールド、期末試験終了後の冬休みにはフロリダのマイアミに旅行してきました。ナッシュビルからオーランドやマイアミには飛行機で2時間程度ですので旅行がしやすいです。
また、先日はセリーヌ・ディオンの世界ツアーがここナッシュビルでも開催され、コンサートを観に行ってきました。たまにはこのような世界的な有名人もナッシュビルに来ることもあるようです。
2) 日常生活
i)治安
場所によるのでしょうが、少なくとも私自身は身に危険を感じたことはありませんし、周りから治安が悪いという話はほとんど聞きません。治安は良くて過ごしやすい街だと思います。
ⅱ)気候
ここ数週間は、アメリカ全体が歴史的な寒気に襲われ、ナッシュビルでも最高でも氷点下以下、最低で-10℃以下と寒い日が続き、先日は私がナッシュビルに来て以来初の雪が降りました。しかし雪は積もらず、また吹雪くこともないので何とか耐えられるかなと思っています。
冬の気温以外は四季を通じて東京・大阪と似た気候なので、日本人にとっては過ごしやすい土地と言えると思います。
ⅲ)日本料理・日本食材
ナッシュビル近郊には多くの日本企業が進出していることもあり、私が想像していた以上に日本人が多く、日本料理店や日本食材店も数多くありますので、和食に困ることはありません。
(JALやANAが乗り入れているNYのJFK空港やシカゴのO’Hare空港ですら日本語の案内は見かけませんが、ここナッシュビル空港では日本語の表示がなされています。「Security」を「安全」と訳してあったりして多少の違和感はありますが・・・)
週替わり日記2008秋学期 その7 I.A.の場合 [週替わり日記(2008-2009)] [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは、I.A.です。ナッシュビルの寒さも一段と増して、本格的な冬が近づいている今日この頃です。学期末が近づくにつれて、試験やゼミ論文の準備に追われて忙しくなってきている人が多いようです。ロースクールの雰囲気も、8月の頃とは変って慌ただしくなってきました。私もそろそろ期末試験の勉強を始めるところですが、噂に聞くロースクールの試験が実際にどのようなものなのか気になるところです。
1. 秋学期のスケジュール
2. 授業の様子
まだ紹介されていない、Civil Procedureの授業について書かせていただきます。この授業は、ロースクールの一年生が履修する基礎的な科目のひとつで、アメリカ連邦法上の民事訴訟手続きを学びます。ただし、アメリカの民事訴訟法は範囲が膨大なため、この授業では主に正式事実審理前に問題となる裁判管轄やディスカバリー手続き等に焦点が当てられています。民事訴訟法関連のその他のトピックは、他の授業でカバーされているようです。たとえば、クラス・アクションについてはComplex Litigationという授業で独立して教えられていて、また正式事実審理や陪審員に関する制度は証拠法の授業で習うようになっています。
授業を教えている教授は、ロースクールを卒業後、連邦最高裁判事の一人であるScaliaの下でClerkshipを行い、ワシントンDCの大手法律事務所に数年間弁護士として勤務していた経歴を持ちます。そのため、教授の個人的な経験等が授業に盛り込まれていて、とてもおもしろい内容の授業だと感じています。ディスカバリー手続きを学ぶ週には、教授がかつて勤務していた法律事務所から招かれた訴訟専門の弁護士が授業の中でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションを通じ、「訴訟社会」と呼ばれるアメリカの制度的な裏付けに関する実態を垣間見る気分でした。
この授業において、日本の法学部(恐らく法科大学院も)における授業と最も異なる点は、判例についての法的な分析にとどまらず、政治的な分析も行う点です(授業の違いそれ自体というよりも、両国の司法制度の違いに起因する事柄だとは思いますが)。判例の意見で過去の判例とかみ合わない部分等を教授が指摘して、個々の裁判官の政治的なバックグラウンドを用いた説明が行われます。ある学生が「民事訴訟法の授業で政治の話をするのはおかしい」という趣旨の意見を教授に出したところ、教授が「アメリカ合衆国では、法理論が形成される過程で現実に重要な要素となっている政治的な側面をも考慮しないと法実務は行えない」と返答したのが印象的でした。
3. その他
日々予習・復習に追われて勉強が中心となるロースクール生活ですが、その他にも色々なイベントがあります。特に、私はキャンパス近くにあるロースクール生専用の「Barbizon(いまだに名前の由来がわかりません)」というアパートに住んでいるため、同級生とも顔を合わせる機会が多いです。(私がBarbizon住民であることから、「毎日夜飲み歩いている」とか「勉強していない」と思われていたことがあるようですが、全くの誤解です!)
金曜日の夜はBarbizonの裏手にあるバルコニーでビールや食べ物を持ち寄ってLL.M.生を中心としたパーティーが開かれるという習慣がなぜか一時期ありました。ロースクールに近いという地の利もあり、LL.M.のみではなくJ.D.の学生もこの会には頻繁に訪れていたので、授業以外でロースクール生と交流を図るには絶好の機会でした。ただ、寒くなるにつれてバルコニーで開催されるこの会を維持するのは難しくなり、10月末には残念ながら廃止となりました。
アメリカ大統領選挙が近づくに従って、ロースクール内外で開かれたイベントに参加することができました。ナッシュビルで候補者の討論会が開かれた際には、同級生とともに会場まで足を運んで現地の熱気を目の当たりにしました。また、開票日には大学近くのバーで民主党を支持するロースクール生がテレビ中継をみるという集まりがありましたが、それにも参加しました。午後十時にオバマ当選確実の発表が行われた瞬間、バーは歓喜で溢れかえっていました。印象的だったのは、その場で多くの学生が涙を流していたことです。アメリカの歴史に鑑みて、今回の大統領選挙ではアフリカ系アメリカ人であるオバマが大統領になることの象徴的な意味合いが大きかったことを改めて感じました。
1. 秋学期のスケジュール
|
AM | PM |
Mon | Contracts | Civil Procedure |
Tue | Contracts | Civil Procedure |
Wed | Contracts | Civil Procedure |
Thu | Conflicts of Law | Writing |
Fri | Conflicts of Law | Legal Research and Writing |
Sat | 惰眠 | 予習等 |
Sun | 予習 | 予習 |
2. 授業の様子
まだ紹介されていない、Civil Procedureの授業について書かせていただきます。この授業は、ロースクールの一年生が履修する基礎的な科目のひとつで、アメリカ連邦法上の民事訴訟手続きを学びます。ただし、アメリカの民事訴訟法は範囲が膨大なため、この授業では主に正式事実審理前に問題となる裁判管轄やディスカバリー手続き等に焦点が当てられています。民事訴訟法関連のその他のトピックは、他の授業でカバーされているようです。たとえば、クラス・アクションについてはComplex Litigationという授業で独立して教えられていて、また正式事実審理や陪審員に関する制度は証拠法の授業で習うようになっています。
授業を教えている教授は、ロースクールを卒業後、連邦最高裁判事の一人であるScaliaの下でClerkshipを行い、ワシントンDCの大手法律事務所に数年間弁護士として勤務していた経歴を持ちます。そのため、教授の個人的な経験等が授業に盛り込まれていて、とてもおもしろい内容の授業だと感じています。ディスカバリー手続きを学ぶ週には、教授がかつて勤務していた法律事務所から招かれた訴訟専門の弁護士が授業の中でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションを通じ、「訴訟社会」と呼ばれるアメリカの制度的な裏付けに関する実態を垣間見る気分でした。
この授業において、日本の法学部(恐らく法科大学院も)における授業と最も異なる点は、判例についての法的な分析にとどまらず、政治的な分析も行う点です(授業の違いそれ自体というよりも、両国の司法制度の違いに起因する事柄だとは思いますが)。判例の意見で過去の判例とかみ合わない部分等を教授が指摘して、個々の裁判官の政治的なバックグラウンドを用いた説明が行われます。ある学生が「民事訴訟法の授業で政治の話をするのはおかしい」という趣旨の意見を教授に出したところ、教授が「アメリカ合衆国では、法理論が形成される過程で現実に重要な要素となっている政治的な側面をも考慮しないと法実務は行えない」と返答したのが印象的でした。
3. その他
日々予習・復習に追われて勉強が中心となるロースクール生活ですが、その他にも色々なイベントがあります。特に、私はキャンパス近くにあるロースクール生専用の「Barbizon(いまだに名前の由来がわかりません)」というアパートに住んでいるため、同級生とも顔を合わせる機会が多いです。(私がBarbizon住民であることから、「毎日夜飲み歩いている」とか「勉強していない」と思われていたことがあるようですが、全くの誤解です!)
金曜日の夜はBarbizonの裏手にあるバルコニーでビールや食べ物を持ち寄ってLL.M.生を中心としたパーティーが開かれるという習慣がなぜか一時期ありました。ロースクールに近いという地の利もあり、LL.M.のみではなくJ.D.の学生もこの会には頻繁に訪れていたので、授業以外でロースクール生と交流を図るには絶好の機会でした。ただ、寒くなるにつれてバルコニーで開催されるこの会を維持するのは難しくなり、10月末には残念ながら廃止となりました。
アメリカ大統領選挙が近づくに従って、ロースクール内外で開かれたイベントに参加することができました。ナッシュビルで候補者の討論会が開かれた際には、同級生とともに会場まで足を運んで現地の熱気を目の当たりにしました。また、開票日には大学近くのバーで民主党を支持するロースクール生がテレビ中継をみるという集まりがありましたが、それにも参加しました。午後十時にオバマ当選確実の発表が行われた瞬間、バーは歓喜で溢れかえっていました。印象的だったのは、その場で多くの学生が涙を流していたことです。アメリカの歴史に鑑みて、今回の大統領選挙ではアフリカ系アメリカ人であるオバマが大統領になることの象徴的な意味合いが大きかったことを改めて感じました。
週替わり日記2008秋学期 その6 S.Tの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。S.Tです。ナッシュビルも最近かなり冷え込むようになり、車のフロントガラスに霜が降りる日もあるようになりました。ロースクールは、噂に聞いていたとおり勉強が大変で、特に英語があまり得意でない私は予習に追われる日々を過ごしていましたが、最近、ようやく、友達の外食等に参加する余裕がでてきました(図書館に引きこもっているところ、誘ってくださる皆さんに感謝です。)。
1. 授業の様子
秋学期に私がとった授業は、以下のとおりです。
Contracts、Legal Research & Writingは、Kさん、S.Yさん、D.Sさんの日記でも触れられているので、他の方がとっていないTorts(不法行為法)の授業について紹介しようと思います。Tortsの授業は、1L(一年生)向けの必修授業で大人数の授業ですが、完全に教授と学生または学生同士のディスカッションだけで進められていきます。教授からは予め、授業中PCで詳細なノートは取る必要がないから授業に積極的に参加するように言われ、各回ノートを取る学生が割り当てられており、彼/彼女のノートがウェブにアップされます。授業中の発言も採点対象なので、学生はかなり積極的に発言します。テキストの判例と練習問題が議論の中心ですが、早口の学生の言っていることはまだまだ私には聞き取れません。また、いくつかの判例や練習問題については、まず数分間、隣の学生とディスカッションをすることがあります。このディスカッションも採点対象に含まれていて(全体の15%)、Peer Reviewとしてたぶん学期末に教授にそれぞれ報告することになるものと思われます。私のパートナーは、明るくていい人なのですが、私の英語力不足のせいでディスカッションがそう長く続かない時もあり、そのたびに悩んでいましたが、同じ授業を取っている他のJDと話したところ、その人のパートナーはテキストを読んでこないことがあるため、ディスカッションをしていないこともあるそうで、JDでもそんなこともあるんだと思い少し安心しました。また、ディスカッションが長く続かないと、私のパートナーは後ろの席の友達も交えてディスカッションの続きをするのですが、JD3人を相手に私の入る余地はなかなか見つからずひたすら聞き入っていたところ、この前、こそっと私のパートナーにだけ意見を言ったら、「彼女がいいことを言っている」と言ってくれ、後ろの席の学生も含めたディスカッションの仲間に入れてもらえました。なお、ディスカッションは、授業内にとどまらず、Tortsの授業用のウェブサイト上でも展開され、それも採点対象になります。
また、私はTortsのみ中間テストがあったのですが、そのテストに備えて、LL.M.の学生(中国人3人、スウェーデン人1人と私)だけで勉強会をしました。毎回誰かがレクチャーし、その人を中心にディスカッションをするという形式だったのですが、他のLL.M.生の英語力の高さと授業の理解の深さには、本当に感心し、とても良い刺激になりました。この勉強会でも、私はあまりディスカッションに貢献できず、どちらかといえば分らないところ(勉強の仕方も含め)を教えてもらうばかりだったのですが、本当に良い友達に恵まれたと実感しました。
2. First Friends
Vanderbiltでは、大学が留学生に、アメリカ人の友達を紹介してくれる制度があります(First Friendsプログラム)。私のFirst Friendは、30代半ばくらいの女性で、この前は、一緒にIndian Festivalに行ってきました。このお祭りでは、American Indianが各部族の踊りを披露したり、民芸品などを売るお店がたくさん出店されます。Indianの衣装は非常にきらびやかで、部族ごとに特徴があり、その種類の多さに驚きました。また、独特の太鼓のリズムと歌声も心に響きました。お土産屋さんには、かつてキムタク主演の「ビューティフルライフ」で(古いドラマですみません。)日本でも一時有名になった「ドリームキャッチャー」がたくさん売られていました。帰る時に、First Friendに「このお祭りに来た人の中でアジア人はあなただけだったわね。」と言われ、地元のディープな一面を見られるのも、First Friendsプログラムの良さだなあと思いました。
3. Halloween Party
アメリカではHalloweenを盛大にお祝いすると聞いていたので、どんなことをするのだろうと思っていました。色々と忙しかったためロースクールが主催するパーティーに行くかどうか迷いつつ、Halloweenの数日前にコスチュームをレンタル又は購入するお店に行ったところ、非常に混んでいて熱気に包まれていました。その熱気に押され、コスチュームを購入してしまった時点で私のパーティー参加が決まりました。Halloween当日は、昼間はTortsの授業でバナナのかぶり物をかぶっている人が一人いるくらいで、特に変わった様子はなかったのですが、夜になると奇妙な格好をした人が外でかなりうろうろし始め、ダウンタウンに行くともはやそれが普通の光景となっていました。ロースクールのパーティーは、ダウンタウンのバーの2階を借り切り、ダンスパーティといういかにもアメリカ的なパーティーでした。日本では社会人になってしばらく経つとそういう機会はなくなってしまうので、存分に楽しんできました。一晩飲んで踊ったおかげでかなりリフレッシュされました。
1. 授業の様子
秋学期に私がとった授業は、以下のとおりです。
|
AM | PM |
Mon | Contracts | 予習 |
Tue | Contracts | 予習 |
Wed | Contracts | Torts |
Thu | 予習 |
Torts Writing |
Fri | Torts |
Writing Research |
Sat | Free | 翌週の予習 |
Sun | 翌週の予習 | 翌週の予習 |
Contracts、Legal Research & Writingは、Kさん、S.Yさん、D.Sさんの日記でも触れられているので、他の方がとっていないTorts(不法行為法)の授業について紹介しようと思います。Tortsの授業は、1L(一年生)向けの必修授業で大人数の授業ですが、完全に教授と学生または学生同士のディスカッションだけで進められていきます。教授からは予め、授業中PCで詳細なノートは取る必要がないから授業に積極的に参加するように言われ、各回ノートを取る学生が割り当てられており、彼/彼女のノートがウェブにアップされます。授業中の発言も採点対象なので、学生はかなり積極的に発言します。テキストの判例と練習問題が議論の中心ですが、早口の学生の言っていることはまだまだ私には聞き取れません。また、いくつかの判例や練習問題については、まず数分間、隣の学生とディスカッションをすることがあります。このディスカッションも採点対象に含まれていて(全体の15%)、Peer Reviewとしてたぶん学期末に教授にそれぞれ報告することになるものと思われます。私のパートナーは、明るくていい人なのですが、私の英語力不足のせいでディスカッションがそう長く続かない時もあり、そのたびに悩んでいましたが、同じ授業を取っている他のJDと話したところ、その人のパートナーはテキストを読んでこないことがあるため、ディスカッションをしていないこともあるそうで、JDでもそんなこともあるんだと思い少し安心しました。また、ディスカッションが長く続かないと、私のパートナーは後ろの席の友達も交えてディスカッションの続きをするのですが、JD3人を相手に私の入る余地はなかなか見つからずひたすら聞き入っていたところ、この前、こそっと私のパートナーにだけ意見を言ったら、「彼女がいいことを言っている」と言ってくれ、後ろの席の学生も含めたディスカッションの仲間に入れてもらえました。なお、ディスカッションは、授業内にとどまらず、Tortsの授業用のウェブサイト上でも展開され、それも採点対象になります。
また、私はTortsのみ中間テストがあったのですが、そのテストに備えて、LL.M.の学生(中国人3人、スウェーデン人1人と私)だけで勉強会をしました。毎回誰かがレクチャーし、その人を中心にディスカッションをするという形式だったのですが、他のLL.M.生の英語力の高さと授業の理解の深さには、本当に感心し、とても良い刺激になりました。この勉強会でも、私はあまりディスカッションに貢献できず、どちらかといえば分らないところ(勉強の仕方も含め)を教えてもらうばかりだったのですが、本当に良い友達に恵まれたと実感しました。
2. First Friends
Vanderbiltでは、大学が留学生に、アメリカ人の友達を紹介してくれる制度があります(First Friendsプログラム)。私のFirst Friendは、30代半ばくらいの女性で、この前は、一緒にIndian Festivalに行ってきました。このお祭りでは、American Indianが各部族の踊りを披露したり、民芸品などを売るお店がたくさん出店されます。Indianの衣装は非常にきらびやかで、部族ごとに特徴があり、その種類の多さに驚きました。また、独特の太鼓のリズムと歌声も心に響きました。お土産屋さんには、かつてキムタク主演の「ビューティフルライフ」で(古いドラマですみません。)日本でも一時有名になった「ドリームキャッチャー」がたくさん売られていました。帰る時に、First Friendに「このお祭りに来た人の中でアジア人はあなただけだったわね。」と言われ、地元のディープな一面を見られるのも、First Friendsプログラムの良さだなあと思いました。
3. Halloween Party
アメリカではHalloweenを盛大にお祝いすると聞いていたので、どんなことをするのだろうと思っていました。色々と忙しかったためロースクールが主催するパーティーに行くかどうか迷いつつ、Halloweenの数日前にコスチュームをレンタル又は購入するお店に行ったところ、非常に混んでいて熱気に包まれていました。その熱気に押され、コスチュームを購入してしまった時点で私のパーティー参加が決まりました。Halloween当日は、昼間はTortsの授業でバナナのかぶり物をかぶっている人が一人いるくらいで、特に変わった様子はなかったのですが、夜になると奇妙な格好をした人が外でかなりうろうろし始め、ダウンタウンに行くともはやそれが普通の光景となっていました。ロースクールのパーティーは、ダウンタウンのバーの2階を借り切り、ダンスパーティといういかにもアメリカ的なパーティーでした。日本では社会人になってしばらく経つとそういう機会はなくなってしまうので、存分に楽しんできました。一晩飲んで踊ったおかげでかなりリフレッシュされました。
週替わり日記2008秋学期 その5 D.Sの場合 [週替わり日記(2008-2009)] [編集] [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。D.Sです。秋学期ももう半分以上過ぎたにもかかわらず、期待していたようには英語力が伸びず、未だに授業が十分に理解できないことがよくあり、困ったなあと思っている今日この頃です。焦りそうになりますが、焦っても仕方がないので、ぼちぼちがんばるしかないと言い聞かせながら、がんばっています。
1.秋学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Law and Finance of M&A
この授業は、M&Aに関してリーガル、ビジネスの両方の観点から分析するというもので、ロースクールの教授がリーガルの観点から講義され、ビジネススクールの教授がビジネスの観点から講義されます。学生も、ロースクールの学生とビジネススクールの学生の両方が取っていて、ロー、ビジネス混成のグループを作り、毎週与えられた課題についてグループで検討して成果物を提出します。課題の多くは、過去のM&Aの事例について企業価値の算定や法的問題の検討などを行うというもので、前者についてはビジネススクールの学生が主に担当し、後者についてロースクール生が主に担当するという形で進めています。成果物の作成過程において何度かミーティングを行いますが、僕は、英語力、米国法の知識においてJ.D.の学生に明らかに劣っていますので、このミーティングにおいてグループに貢献するのはかなり難しい作業となりますが、なんとかがんばっています。この授業が、今取っている授業の中で一番負担が重たいですが、内容は充実していると思います。何度もミーティングを重ねていくうちに、J.D.の学生と仲良くなれたことも良かったと感じています。
②Introduction to Accouting
授業の内容自体はそれほど難しくはないのですが、教授が早口なため聞き取れないことが多いのが悲しいです。
③ELC(Speaking Course)
英語力不足を感じているバンディの学生が無料で受けることのできる任意のイングリッシュ・レッスンです。僕は、特にスピーキングを強化したいと思い、スピーキングの練習をするクラスを取りました。1セメスターで5回くらいプレゼンテーションを行い、自分のプレゼンは全てビデオで録画されますので、後で先生と一緒にビデオを見ながらアドバイスを頂戴します。おかげさまで、少しずつですが、効果が出てきているような気もします。また、このクラスには、ロースクール生は僕しかおらず、他は他学部の人ですので、他学部の人と仲良くなれるのも良い点だと思います。
④Legal Writing
法律事務所のアソシエイトが、パートナーから、ある法律問題についていくつかの判例を分析して予想される結論をまとめるよう指示されたという想定で、アソシエイトの立場でリーガル・メモを作成します。このような作業は、日本で弁護士業務を行う中で日常的に行っていましたので、比較的なじみやすいです。
⑤Conflict of Law
僕が今取っている授業の中で唯一ロースクールの伝統的授業ぽいものです。判例がたくさん集められた教科書を読み込んでいき、授業はソクラテスメソッドで進められます。判例が非常に難解で、最初はさっぱり分かりませんでしたが、最近少しずつ分かるようになって来たような気がします。
3.余暇について
平日は、授業と予習で本当に大変ですので、週末は、妻と一緒にどこかに出かけてリフレッシュするようにしています。また、ロースクールでの学生生活も1年しかありませんので、なるべく他の学生たちと一緒に遊ぶ機会を大切にしたいと思っています。ここにいると本当にいろんな国の人と知り合うことができるので、すごく刺激を受けます。彼らと仲良くなって信頼関係を築くことができたら良いなあと思っています。具体的には、ロースクールのすぐそばに学生がたくさん住んでいるアパートがあり、そこでちょくちょく宴会が開かれますので、そこに顔を出したり、他の学生と一緒にアイスホッケーやアメフトの試合を見に行ったりしています。来週は、ハロウィンパーティがあるようなので、これも楽しみです。
1.秋学期の週間スケジュール
2.授業の様子
①Law and Finance of M&A
この授業は、M&Aに関してリーガル、ビジネスの両方の観点から分析するというもので、ロースクールの教授がリーガルの観点から講義され、ビジネススクールの教授がビジネスの観点から講義されます。学生も、ロースクールの学生とビジネススクールの学生の両方が取っていて、ロー、ビジネス混成のグループを作り、毎週与えられた課題についてグループで検討して成果物を提出します。課題の多くは、過去のM&Aの事例について企業価値の算定や法的問題の検討などを行うというもので、前者についてはビジネススクールの学生が主に担当し、後者についてロースクール生が主に担当するという形で進めています。成果物の作成過程において何度かミーティングを行いますが、僕は、英語力、米国法の知識においてJ.D.の学生に明らかに劣っていますので、このミーティングにおいてグループに貢献するのはかなり難しい作業となりますが、なんとかがんばっています。この授業が、今取っている授業の中で一番負担が重たいですが、内容は充実していると思います。何度もミーティングを重ねていくうちに、J.D.の学生と仲良くなれたことも良かったと感じています。
②Introduction to Accouting
授業の内容自体はそれほど難しくはないのですが、教授が早口なため聞き取れないことが多いのが悲しいです。
③ELC(Speaking Course)
英語力不足を感じているバンディの学生が無料で受けることのできる任意のイングリッシュ・レッスンです。僕は、特にスピーキングを強化したいと思い、スピーキングの練習をするクラスを取りました。1セメスターで5回くらいプレゼンテーションを行い、自分のプレゼンは全てビデオで録画されますので、後で先生と一緒にビデオを見ながらアドバイスを頂戴します。おかげさまで、少しずつですが、効果が出てきているような気もします。また、このクラスには、ロースクール生は僕しかおらず、他は他学部の人ですので、他学部の人と仲良くなれるのも良い点だと思います。
④Legal Writing
法律事務所のアソシエイトが、パートナーから、ある法律問題についていくつかの判例を分析して予想される結論をまとめるよう指示されたという想定で、アソシエイトの立場でリーガル・メモを作成します。このような作業は、日本で弁護士業務を行う中で日常的に行っていましたので、比較的なじみやすいです。
⑤Conflict of Law
僕が今取っている授業の中で唯一ロースクールの伝統的授業ぽいものです。判例がたくさん集められた教科書を読み込んでいき、授業はソクラテスメソッドで進められます。判例が非常に難解で、最初はさっぱり分かりませんでしたが、最近少しずつ分かるようになって来たような気がします。
3.余暇について
平日は、授業と予習で本当に大変ですので、週末は、妻と一緒にどこかに出かけてリフレッシュするようにしています。また、ロースクールでの学生生活も1年しかありませんので、なるべく他の学生たちと一緒に遊ぶ機会を大切にしたいと思っています。ここにいると本当にいろんな国の人と知り合うことができるので、すごく刺激を受けます。彼らと仲良くなって信頼関係を築くことができたら良いなあと思っています。具体的には、ロースクールのすぐそばに学生がたくさん住んでいるアパートがあり、そこでちょくちょく宴会が開かれますので、そこに顔を出したり、他の学生と一緒にアイスホッケーやアメフトの試合を見に行ったりしています。来週は、ハロウィンパーティがあるようなので、これも楽しみです。
週替わり日記2008秋学期 その4 S.Yの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。S.Yです。アメリカに来てから約4ヶ月が経過しました。想像していた通り授業についていくのが大変で、こんな状態で試験を乗り切れるのだろうか・・・と思っているところなのですが、もうはや次の学期(春学期)の登録科目を考えなくてはいけないません。本当に月日が経つのが早いです。それだけ充実してるということでしょうか・・・。
以下、秋学期の様子に加えて、7週間過ごしたBostonでのサマースクールについても少し書かせて頂きます。
1.サマースクールについて
サマースクールは、Vanderbiltではなく、Boston Universityのプログラムに参加しました(大学によっては、その大学のサマースクールに参加することを義務付けているところもありますが、Vanderbiltは自由です。Vanderbiltのサマープログラムの最終週には全員参加する必要があったようですが、うっかり気付かず参加しませんでした)。別の大学のサマープログラムに参加するメリットは、①別の大学のLL.M.生と友達になれる、②単純に別の都市での生活を楽しむことができることなどがあると思います。他方で、デメリットとしては、①生活設営の時間が短くなってしまう、②費用が高くなる可能性があることなどがあると思います(移動のフライト代など。当方の場合、Boston Universityのサマープログラムが終了からVanderbiltでのLL.M.プログラム開始日まで3日(しかも1日は移動日、1日は日曜日で営業日ではない)しかありませんでした。その3日間で住まいを見つけることは不可能と考え、サマープログラム前にNashville入りして住まいの契約を行ったので、サマープログラム期間中は、ボストンでの寮費とNashvilleでの住居費の二重払いをせざるを得ませんでした。但し、それほど住まいにこだわりがないのであれば、このような事態を避けることは可能と思います)。
2.秋学期の週間スケジュール
3.授業の様子
①Contracts
典型的なロースクールの授業という感じで、ひたすら判例を読んで教授がソクラテスメソッドで生徒とやり取りをしながら授業を進めていきます。教授の英語が大変クリアで、また効果的にパワーポイントを使いながらの授業なので大変分かりやすいです。JDの学生にとって、1L(JD1年生)の成績は就職等の観点から非常に重要なので、1Lのための授業である本授業は、2L(JD2年生)及び3L(JD3年生)の授業である以下の②、③、⑤よりも生徒の発言意欲が比較的高いように感じます。
②Corporations
Kさんも書かれているように、日本の法学部の授業に近いかなと思います。教授が時々相当早口になるのが辛いです。
③Economics of Regulations and Antitrust
独禁法の授業を取りたくてとった科目ですが、独禁法というよりはまさに経済学。経済学の知見がほぼない当方にとっては非常に難しい授業。ただ、独禁法を理解するためにはEconomicsが非常に重要であることを改めて実感しています。
④Legal Writing
唯一LL.M.生のみで構成されている授業。(どうでもいいですが)教授が非常にハイテンション。弁護士事務所のアソシエイトであるというシュミレーションのもと、Legal memoを書くことが授業の中心です。
⑤EU Competition Law
ショートコースと呼ばれる1週間の集中講義。かつてVanderbiltのLL.M.に在籍していたドイツ人が講師。前半はEUの制度の説明、後半は独禁法の説明。当方は、Auditとして本授業を受講したため、テストを受ける必要はありませんでした(しかしその分単位も貰えない)。
4.その他
①車生活
日本で車の免許を取得したものの一度も運転したことがない完全なペーパードライバーだったので当初は不安でしたが、こちらは道路が広いこともあり今はドライブがよい気分転換になるレベルになりました(あくまで自己評価ですが。ちなみに車が必須かというと、私のように車で通学する場合は必須だと思います。しかしながら、大学から徒歩圏内に住むのであれば、普段は歩きで、遠出するときだけ車を持っている人に乗せて貰うなどして生活可能です。)。東京に戻ったら車を運転することはないと思いますので、車生活を楽しみたいと思っています。
②大学のサポート
他のLL.M.について知りませんので比較はできませんが、少なくともVanderbiltは、授業外でも非常に手厚いサポートをしてくれる大学だと思います。いろいろなプログラムがあるのですが、私が参加している2つのプログラムを以下紹介します。
(1)First Friendsプログラム
大学の国際部が、留学生に対してそれぞれの留学生の出身国に興味を持っているアメリカ人を紹介してくれます。
(2)Mentor制度
ロースクールの学生団体が、1L及びLL.M.生に対してMentorとして2Lあるいは3Lを紹介してくれる。週に1回ランチを食べながら、授業の相談とかに乗ってもらってます。
③遠出
ナッシュビルには日本からの直行便は残念ながらありませんが、国内便は充実していますし、空港までは車で20分位で行くことができます。先日New Yorkに行ってきました。飛行時間は2時間(時差が1時間あるので、実際は3時間経過してしまいますが)位です。正直言って学期中はThanksgiving休暇中の小旅行を除いて遠出する余裕はないですが、冬休みなどにどこかいけたらいいなと思います。
④気分転換
特に月曜と火曜は授業が3つずつあるので予習が大変なのですが、少なくとも1週間1回程度は、友達と外食するか、友達の家でご飯を一緒に食べるか、大学近くの寮での飲み会に行くかなどの機会があり、とてもよい気分転換になってます。受験体験記にも書きましたが、LL.M.の規模が比較的小さいこともあり、非常にアットホームでこの大学を選んでよかったなと改めて感じます。
以下、秋学期の様子に加えて、7週間過ごしたBostonでのサマースクールについても少し書かせて頂きます。
1.サマースクールについて
サマースクールは、Vanderbiltではなく、Boston Universityのプログラムに参加しました(大学によっては、その大学のサマースクールに参加することを義務付けているところもありますが、Vanderbiltは自由です。Vanderbiltのサマープログラムの最終週には全員参加する必要があったようですが、うっかり気付かず参加しませんでした)。別の大学のサマープログラムに参加するメリットは、①別の大学のLL.M.生と友達になれる、②単純に別の都市での生活を楽しむことができることなどがあると思います。他方で、デメリットとしては、①生活設営の時間が短くなってしまう、②費用が高くなる可能性があることなどがあると思います(移動のフライト代など。当方の場合、Boston Universityのサマープログラムが終了からVanderbiltでのLL.M.プログラム開始日まで3日(しかも1日は移動日、1日は日曜日で営業日ではない)しかありませんでした。その3日間で住まいを見つけることは不可能と考え、サマープログラム前にNashville入りして住まいの契約を行ったので、サマープログラム期間中は、ボストンでの寮費とNashvilleでの住居費の二重払いをせざるを得ませんでした。但し、それほど住まいにこだわりがないのであれば、このような事態を避けることは可能と思います)。
2.秋学期の週間スケジュール
|
AM | PM |
Mon |
Contracts Economics of Regulations and Antitrust |
Corporations |
Tue |
Contracts Economics of Regulations and Antitrust |
Corporations |
Wed | Contracts | 復習 |
Thu | 予習 |
Writing |
Fri | 予習 |
Writing Research |
Sat | Free | 予習 |
Sun | 予習 | 予習 |
3.授業の様子
①Contracts
典型的なロースクールの授業という感じで、ひたすら判例を読んで教授がソクラテスメソッドで生徒とやり取りをしながら授業を進めていきます。教授の英語が大変クリアで、また効果的にパワーポイントを使いながらの授業なので大変分かりやすいです。JDの学生にとって、1L(JD1年生)の成績は就職等の観点から非常に重要なので、1Lのための授業である本授業は、2L(JD2年生)及び3L(JD3年生)の授業である以下の②、③、⑤よりも生徒の発言意欲が比較的高いように感じます。
②Corporations
Kさんも書かれているように、日本の法学部の授業に近いかなと思います。教授が時々相当早口になるのが辛いです。
③Economics of Regulations and Antitrust
独禁法の授業を取りたくてとった科目ですが、独禁法というよりはまさに経済学。経済学の知見がほぼない当方にとっては非常に難しい授業。ただ、独禁法を理解するためにはEconomicsが非常に重要であることを改めて実感しています。
④Legal Writing
唯一LL.M.生のみで構成されている授業。(どうでもいいですが)教授が非常にハイテンション。弁護士事務所のアソシエイトであるというシュミレーションのもと、Legal memoを書くことが授業の中心です。
⑤EU Competition Law
ショートコースと呼ばれる1週間の集中講義。かつてVanderbiltのLL.M.に在籍していたドイツ人が講師。前半はEUの制度の説明、後半は独禁法の説明。当方は、Auditとして本授業を受講したため、テストを受ける必要はありませんでした(しかしその分単位も貰えない)。
4.その他
①車生活
日本で車の免許を取得したものの一度も運転したことがない完全なペーパードライバーだったので当初は不安でしたが、こちらは道路が広いこともあり今はドライブがよい気分転換になるレベルになりました(あくまで自己評価ですが。ちなみに車が必須かというと、私のように車で通学する場合は必須だと思います。しかしながら、大学から徒歩圏内に住むのであれば、普段は歩きで、遠出するときだけ車を持っている人に乗せて貰うなどして生活可能です。)。東京に戻ったら車を運転することはないと思いますので、車生活を楽しみたいと思っています。
②大学のサポート
他のLL.M.について知りませんので比較はできませんが、少なくともVanderbiltは、授業外でも非常に手厚いサポートをしてくれる大学だと思います。いろいろなプログラムがあるのですが、私が参加している2つのプログラムを以下紹介します。
(1)First Friendsプログラム
大学の国際部が、留学生に対してそれぞれの留学生の出身国に興味を持っているアメリカ人を紹介してくれます。
(2)Mentor制度
ロースクールの学生団体が、1L及びLL.M.生に対してMentorとして2Lあるいは3Lを紹介してくれる。週に1回ランチを食べながら、授業の相談とかに乗ってもらってます。
③遠出
ナッシュビルには日本からの直行便は残念ながらありませんが、国内便は充実していますし、空港までは車で20分位で行くことができます。先日New Yorkに行ってきました。飛行時間は2時間(時差が1時間あるので、実際は3時間経過してしまいますが)位です。正直言って学期中はThanksgiving休暇中の小旅行を除いて遠出する余裕はないですが、冬休みなどにどこかいけたらいいなと思います。
④気分転換
特に月曜と火曜は授業が3つずつあるので予習が大変なのですが、少なくとも1週間1回程度は、友達と外食するか、友達の家でご飯を一緒に食べるか、大学近くの寮での飲み会に行くかなどの機会があり、とてもよい気分転換になってます。受験体験記にも書きましたが、LL.M.の規模が比較的小さいこともあり、非常にアットホームでこの大学を選んでよかったなと改めて感じます。
週替わり日記2008秋学期 その3 N.Mの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
こんにちは。N.Mです。秋学期が始まってから約一月半が過ぎましたが、いまだに4重苦(読めない、聞けない、話せない、書けない)で苦しんでいます。お隣アラバマ州出身のヘレンケラーに負けないように、またこちらの幼稚園に通って2か月の娘(3歳)に追いつかれないよう頑張っているつもりですが、早くも「パパ!“ハロー”じゃなくて“ヘロー”でしょ!」と厳しい指摘を受けてしまいました。
1.サマープログラム(English for Legal Purposes Institute)について
6月下旬に家族(妻・2歳の娘)とともにナッシュビルに到着し、ひととおり生活のセットアップをすませて7月中旬から4週間に渡るサマープログラムに参加しました。サマープログラムでは、平日9時から13時まで、法律英語と大学の授業で必要な英語スキルについての授業が行われました。英語に慣れる、という意味で役に立ったのはもちろんですが、それよりもむしろ①午後を生活のセットアップにあてられた(特に家族帯同だと色々と大変です)、②LL.Mの同級生(約半数が全4週間参加し、最後の1週間はほぼ全員参加しました)と仲良くなれた、という点が良かったと思います。
2.LL.M Class of 2009について
今年のLL.Mは全員で30名、このうち日本人が6名です。また、このほかに2年目のH.Tさんと韓国人、インド人各1名が2年目として在籍しています。JDが1学年200名弱ですので、ロースクール全体としても規模は大きくはありません。特にLL.Mは全員がお互いに“クラスメイト”として認識できる規模で、多すぎず、少なすぎずちょうど良い規模だと思います。独身・単身者の多くが住む学校の目の前のアパートメントでは毎週のように夜中まで(夜中から?)酒盛りが行われているようです。このへんについては、深夜の部レギュラーメンバーのS.Yさん、I.Aさん、お願いします。なお、出身国は、日本が最多で、以下人数順に中国、タイ、ドイツ、ノルウェー、韓国、ブラジル、インド、ニカラグア、ベネズエラ、フィンランド、ナイジェリア、フィリピン、アルゼンチン、ロシア、ルクセンブルグと規模のわりには多岐に渡っています。日本人は今年も最多ですが、これまでも(意外にも)かなりの割合を占めていたようで、学校のスタッフも「日本人が何たるか」、をよく知っておられるので、何かと助かります。
3.秋学期の週間スケジュール
私は2年間当校に在籍する予定ですので、H.Tさんと同じくLaw & Business Programの履修を前提に、同プログラムの必修科目(会社法、証券取引法、税法、会計学入門、ファイナンス入門)のうち3科目(会社法、税法、会計学入門)を履修しています。このほか、LL.M全員必修のIntroduction to Legal Research & Writing in the United Statesと、オリエンテーション期間中にJDを含めた新入生全員が受講するLife of Lawというショートコースをあわせ、計13単位を履修しています。なお、私は卒業論文を書かないCourse Trackですので、卒業単位は23単位です。 また、この他、LL.Mの希望者が無料で受講できる英語の授業も週2コマ受講しています。大学の英語教育機関(ELC)から、サマープログラムと同じ講師が派遣され、発音矯正など、受講者の希望に沿ってテーマを選定してくれます。また、この他にも当校のGraduate StudentはELCで開講しているコースのうち希望コースを1つ無料で受講できます。今学期は気持に余裕がなく見送りましたが、来学期は挑戦してみようと思っています。
会社法は、今期は2人の教授が開講していますが、私は、このうちLLCなどCorporation以外の形態についてもカバーする4単位(他方は3単位)の授業を選択しました。毎回のReading Assignmentは10~20ページ程度と多くはありませんが、連邦、デラウェア州、ニューヨーク州などJurisdictionごとに考え方が若干異なるので、深く理解しようとするとなかなか奥が深く、気づいたら随分長い時間教科書(日本語の参考書を含め)と向かい合っていた、ということもあります(眠りに落ちていることもよくあります。)。担当教授はとても上品な方でゆっくり話される上、LL.MプログラムのDirectorでもあることから、外国人(特に日本人)の語学能力をよく理解されていて、授業終了後質問に行くと、懇切丁寧に、かつ、さらにゆっくり説明してくれます。また、毎週水曜日の昼は昼食持参のオフィスアワーとされていて、授業に関する質問のみならず、LL.Mプログラムに関する意見なども聞いてもらえます。当校の看板科目の一つですので、他の学生たちも積極的に授業に参加しています。
税法は、実はほとんど興味がないにもかかわらず必修科目だから、ということで履修したのですが、今学期の履修科目の中では断然面白く、はまってしまっています。カバー範囲は連邦税の大部分を占める個人所得税で、Federal Tax CodeというStatuteはあるのですが、単に条文をなぞるのではなく、ケースをもとに、憲法との関連や、経済的な視点などから、「税金とは何ぞや」を問うダイナミックな授業が展開されています。他の授業では、JD達は教授がしゃべったことを猛烈なスピードでタイプしてノートを取るのが一般的ですが、この授業では、「自分のレクチャーノートを毎週サイトにアップするのでノートを取る必要は一切ない。授業中は考えることに集中しなさい」という方針なので、とてもノートなどを取れない私には有難い一方、教授は議論を好み、バシバシ指名されるので、かなり緊張感があります(ただし教授はせっかちでもあるので、う~とか、あ~とか言っていると自分でさっさと答えて先に進んでくれます)。MBAホルダーでもある教授はかなりの熱血漢で、興奮してくると、叫んだり、とび跳ねたり、机の上に飛び乗ったりとかなり危ないのですが(他の教授も彼は???と言っていました)、日本の大学の授業ではありえない熱い雰囲気に時間を忘れてのめりこんでしまいます。
会計学入門は、「簿記がわかれば大丈夫」と聞いていたのですが、今年から講師が変わり、そもそも講師の英語がまったく聞き取れず教室で何が起こっているのかわからない、というピンチに直面しています。その旨講師に率直に打ち明けたところ、「僕は日本に留学していたことがあるし、今のクライアント(彼はナッシュビルの会計事務所のパートナーCPAです)も日本企業だから、君の状況はよくわかるよ。」と(結構上手な日本語で)なぐさめてくれました。とはいえ困った状況はまったく変わらないのですが…。
4.学校外生活
私は妻と娘を連れてきているため、自分が勉強に打ち込むためにも、家族のケアーが重要となってきます。こちらで生きていくためには、まずは車と英語、ということで渡米直後から妻は車の運転の練習を始めました。日本では完全にペーパードライバーだったのですが、こちらは道や駐車場も広く、交通量も多くないので、すぐに運転できるようになり毎日学校まで送り迎えしてもらっています(片道10分弱ですが)。また、英語については、複数の教会で無料の英会話教室が開かれていて、妻も毎週火・水・木・日と3つの教会に通っています(すべて無料です)。また、当校のELCや近くにある他の大学のELSに通われている奥様方もおられます。この他、教会以外でも無料のConversation Partner Programなどがあって、私も週1回参加しています。私のパートナーはアメリカ人の女子短大生で、毎回1時間強のひそかに楽しい(!)時間です。
教会で知り合った夫婦にナッシュビルを案内してもらいました。
大都会と違ってこちらの人は本当に親切です。
ナッシュビルには日系企業も多く、親日的な土地だと感じることが多いですが、NYCなどと比べれば在留日本人も圧倒的に少なく(1000人弱)、日本人学校もありません(ナッシュビルから30分ぐらいのところに補習校はあり、かなりの数の小中学生が在籍しているようです)。娘の幼稚園のことが気にかかっていたのですが、在校生の方やビジネススクールの方の奥様などからいろいろ教えていただき、学校のそばにある教会付属のとても評判のいい幼稚園に入れることができました。今年は日本人の子供が4人在籍しているのですが、同じクラスにはアメリカ人の子供しかいないので、娘は先生や他の子供と英語でコミュニケーションを取らなくてはなりません。日本でも母親から長時間離れたことがないので心配していたのですが、最初のうちは泣いていたものの、すぐに慣れ、今では毎朝投げキッスでバイバイするようになりました。先生方もとても熱心で、とてもよく子供を観察していてくれます。妻も英語ができないため先生との会話を心配していましたが、根気強く妻に付き合ってくれ、うまく通じなければ手紙を書いてくれたりするので問題ありません。
娘の通う幼稚園です。大きな教会の中にあります。
幼稚園の遠足でZooに行きました。仲のいいお友達と。
幼稚園以外でも、子供を育てる環境、という点では当地は最高だと思います。ナッシュビル自体、比較的生活水準が高く教育レベルも高い町とされているうえ、当校が所在し、留学生の多くが住むエリアは、その中でもいわゆる「いいエリア」で、治安も大変よく、教育施設、きれいな公園等やかわいい子供服屋さん、質のいいおもちゃ屋さんなども多くあります。また、州都かつ州最大の都市で不便はないにもかかわらず、日常生活は車で15分以内のエリアですべて済ますことができるので、家族との時間も多く持つことができます。どうせなら、豊かな自然に囲まれたゆとりのある生活を送りたい、という方にはおススメです。
アパートメントの目の前にある大きな公園。よくここで家族で
ピクニックをします。立派なテニスコートもあっていつでも無料
で使えます。
NAPという児童館みたいなところ。お母さん同士の情報交換
も大切です。
1.サマープログラム(English for Legal Purposes Institute)について
6月下旬に家族(妻・2歳の娘)とともにナッシュビルに到着し、ひととおり生活のセットアップをすませて7月中旬から4週間に渡るサマープログラムに参加しました。サマープログラムでは、平日9時から13時まで、法律英語と大学の授業で必要な英語スキルについての授業が行われました。英語に慣れる、という意味で役に立ったのはもちろんですが、それよりもむしろ①午後を生活のセットアップにあてられた(特に家族帯同だと色々と大変です)、②LL.Mの同級生(約半数が全4週間参加し、最後の1週間はほぼ全員参加しました)と仲良くなれた、という点が良かったと思います。
2.LL.M Class of 2009について
今年のLL.Mは全員で30名、このうち日本人が6名です。また、このほかに2年目のH.Tさんと韓国人、インド人各1名が2年目として在籍しています。JDが1学年200名弱ですので、ロースクール全体としても規模は大きくはありません。特にLL.Mは全員がお互いに“クラスメイト”として認識できる規模で、多すぎず、少なすぎずちょうど良い規模だと思います。独身・単身者の多くが住む学校の目の前のアパートメントでは毎週のように夜中まで(夜中から?)酒盛りが行われているようです。このへんについては、深夜の部レギュラーメンバーのS.Yさん、I.Aさん、お願いします。なお、出身国は、日本が最多で、以下人数順に中国、タイ、ドイツ、ノルウェー、韓国、ブラジル、インド、ニカラグア、ベネズエラ、フィンランド、ナイジェリア、フィリピン、アルゼンチン、ロシア、ルクセンブルグと規模のわりには多岐に渡っています。日本人は今年も最多ですが、これまでも(意外にも)かなりの割合を占めていたようで、学校のスタッフも「日本人が何たるか」、をよく知っておられるので、何かと助かります。
3.秋学期の週間スケジュール
私は2年間当校に在籍する予定ですので、H.Tさんと同じくLaw & Business Programの履修を前提に、同プログラムの必修科目(会社法、証券取引法、税法、会計学入門、ファイナンス入門)のうち3科目(会社法、税法、会計学入門)を履修しています。このほか、LL.M全員必修のIntroduction to Legal Research & Writing in the United Statesと、オリエンテーション期間中にJDを含めた新入生全員が受講するLife of Lawというショートコースをあわせ、計13単位を履修しています。なお、私は卒業論文を書かないCourse Trackですので、卒業単位は23単位です。 また、この他、LL.Mの希望者が無料で受講できる英語の授業も週2コマ受講しています。大学の英語教育機関(ELC)から、サマープログラムと同じ講師が派遣され、発音矯正など、受講者の希望に沿ってテーマを選定してくれます。また、この他にも当校のGraduate StudentはELCで開講しているコースのうち希望コースを1つ無料で受講できます。今学期は気持に余裕がなく見送りましたが、来学期は挑戦してみようと思っています。
会社法は、今期は2人の教授が開講していますが、私は、このうちLLCなどCorporation以外の形態についてもカバーする4単位(他方は3単位)の授業を選択しました。毎回のReading Assignmentは10~20ページ程度と多くはありませんが、連邦、デラウェア州、ニューヨーク州などJurisdictionごとに考え方が若干異なるので、深く理解しようとするとなかなか奥が深く、気づいたら随分長い時間教科書(日本語の参考書を含め)と向かい合っていた、ということもあります(眠りに落ちていることもよくあります。)。担当教授はとても上品な方でゆっくり話される上、LL.MプログラムのDirectorでもあることから、外国人(特に日本人)の語学能力をよく理解されていて、授業終了後質問に行くと、懇切丁寧に、かつ、さらにゆっくり説明してくれます。また、毎週水曜日の昼は昼食持参のオフィスアワーとされていて、授業に関する質問のみならず、LL.Mプログラムに関する意見なども聞いてもらえます。当校の看板科目の一つですので、他の学生たちも積極的に授業に参加しています。
税法は、実はほとんど興味がないにもかかわらず必修科目だから、ということで履修したのですが、今学期の履修科目の中では断然面白く、はまってしまっています。カバー範囲は連邦税の大部分を占める個人所得税で、Federal Tax CodeというStatuteはあるのですが、単に条文をなぞるのではなく、ケースをもとに、憲法との関連や、経済的な視点などから、「税金とは何ぞや」を問うダイナミックな授業が展開されています。他の授業では、JD達は教授がしゃべったことを猛烈なスピードでタイプしてノートを取るのが一般的ですが、この授業では、「自分のレクチャーノートを毎週サイトにアップするのでノートを取る必要は一切ない。授業中は考えることに集中しなさい」という方針なので、とてもノートなどを取れない私には有難い一方、教授は議論を好み、バシバシ指名されるので、かなり緊張感があります(ただし教授はせっかちでもあるので、う~とか、あ~とか言っていると自分でさっさと答えて先に進んでくれます)。MBAホルダーでもある教授はかなりの熱血漢で、興奮してくると、叫んだり、とび跳ねたり、机の上に飛び乗ったりとかなり危ないのですが(他の教授も彼は???と言っていました)、日本の大学の授業ではありえない熱い雰囲気に時間を忘れてのめりこんでしまいます。
会計学入門は、「簿記がわかれば大丈夫」と聞いていたのですが、今年から講師が変わり、そもそも講師の英語がまったく聞き取れず教室で何が起こっているのかわからない、というピンチに直面しています。その旨講師に率直に打ち明けたところ、「僕は日本に留学していたことがあるし、今のクライアント(彼はナッシュビルの会計事務所のパートナーCPAです)も日本企業だから、君の状況はよくわかるよ。」と(結構上手な日本語で)なぐさめてくれました。とはいえ困った状況はまったく変わらないのですが…。
4.学校外生活
私は妻と娘を連れてきているため、自分が勉強に打ち込むためにも、家族のケアーが重要となってきます。こちらで生きていくためには、まずは車と英語、ということで渡米直後から妻は車の運転の練習を始めました。日本では完全にペーパードライバーだったのですが、こちらは道や駐車場も広く、交通量も多くないので、すぐに運転できるようになり毎日学校まで送り迎えしてもらっています(片道10分弱ですが)。また、英語については、複数の教会で無料の英会話教室が開かれていて、妻も毎週火・水・木・日と3つの教会に通っています(すべて無料です)。また、当校のELCや近くにある他の大学のELSに通われている奥様方もおられます。この他、教会以外でも無料のConversation Partner Programなどがあって、私も週1回参加しています。私のパートナーはアメリカ人の女子短大生で、毎回1時間強のひそかに楽しい(!)時間です。
教会で知り合った夫婦にナッシュビルを案内してもらいました。
大都会と違ってこちらの人は本当に親切です。
ナッシュビルには日系企業も多く、親日的な土地だと感じることが多いですが、NYCなどと比べれば在留日本人も圧倒的に少なく(1000人弱)、日本人学校もありません(ナッシュビルから30分ぐらいのところに補習校はあり、かなりの数の小中学生が在籍しているようです)。娘の幼稚園のことが気にかかっていたのですが、在校生の方やビジネススクールの方の奥様などからいろいろ教えていただき、学校のそばにある教会付属のとても評判のいい幼稚園に入れることができました。今年は日本人の子供が4人在籍しているのですが、同じクラスにはアメリカ人の子供しかいないので、娘は先生や他の子供と英語でコミュニケーションを取らなくてはなりません。日本でも母親から長時間離れたことがないので心配していたのですが、最初のうちは泣いていたものの、すぐに慣れ、今では毎朝投げキッスでバイバイするようになりました。先生方もとても熱心で、とてもよく子供を観察していてくれます。妻も英語ができないため先生との会話を心配していましたが、根気強く妻に付き合ってくれ、うまく通じなければ手紙を書いてくれたりするので問題ありません。
娘の通う幼稚園です。大きな教会の中にあります。
幼稚園の遠足でZooに行きました。仲のいいお友達と。
幼稚園以外でも、子供を育てる環境、という点では当地は最高だと思います。ナッシュビル自体、比較的生活水準が高く教育レベルも高い町とされているうえ、当校が所在し、留学生の多くが住むエリアは、その中でもいわゆる「いいエリア」で、治安も大変よく、教育施設、きれいな公園等やかわいい子供服屋さん、質のいいおもちゃ屋さんなども多くあります。また、州都かつ州最大の都市で不便はないにもかかわらず、日常生活は車で15分以内のエリアですべて済ますことができるので、家族との時間も多く持つことができます。どうせなら、豊かな自然に囲まれたゆとりのある生活を送りたい、という方にはおススメです。
アパートメントの目の前にある大きな公園。よくここで家族で
ピクニックをします。立派なテニスコートもあっていつでも無料
で使えます。
NAPという児童館みたいなところ。お母さん同士の情報交換
も大切です。
週替わり日記2008秋学期 その2 Kの場合 [週替わり日記(2008-2009)]
1. 週間スケジュール
秋学期は、Contracts(4), Corporations(3), Intro Accounting(2), Writing & Research(2)の計4科目(11単位)としました。
その他、秋学期の最初の1週間に、JD1年生とLL.M.全員が受講を義務付けられているアメリカ法入門の"Life of Law"(1)を受講したので秋学期は合計12単位となります。(卒業に必要な最低単位数は23単位)
2.授業の様子
Contracts
典型的なcommon lawの科目なので、とにかく判例を読み込むことが求められます。
授業では予習してきた判例をもとに議論が進められます。いわゆるソクラテスメソッドで、当該判例の事実関係の整理から始まり、何が争点なのか、裁判所の結論、およびその理由付けは何なのか、別の似た判例で結論・理由付けが異なるのは何故なのか等、矢継ぎ早に教授から質問が浴びせられます。当てられた学生がそれに答えていき、そのやり取りの中からルール等を学んでいくというものです。
まだまだ英語力に不安のある現在では、教授の話を聞きとるのに精いっぱいなのに、教授以上の早口で答える学生の回答を聞きとるのに非常に苦労しています。
1日にだいたい3つくらいの判例を学ぶのですが(古くは18世紀のイギリスの判例まで扱うこともあります)、予習ではそれに関連するRestatmentやUCC(単純に言えば各州が参考にするモデル法)も読まなければならず、時間がかかっていますが、いかにもアメリカ法といった科目なので面白みを感じながら勉強しています。
Corporations
会社法の授業ですが、基本的に制定法の授業なので、Contractsのようにcaseを読み込むというよりも、制度の趣旨や関係法令の勉強が中心になるので、日本の法学部の授業に似ているかなと思います。
Intro Accounting
地元ナッシュビルの会計事務所の方による授業で、会計の基礎を実務に即した形で勉強しています。
特に今年は、学期中にアメリカの金融危機・政府によるbailout等の大きな出来事がリアルタイムで起こったので、それに関しても授業で取り上げられました。
Writing & Research
これはLL.M.全員受講必須の授業で、lawyerとして必要なwriting能力や、westlawとLexisというオンラインでの判例・文献等の検索サービスの利用法を通じたresearch能力習得に向けたものです。
LL.M. English
通常の授業とは別個で、英語力に不安のあるLL.M.生を対象に、ELC(English Language Center)という大学の語学教育機関の先生が英語の授業をしてくれています。
現在参加しているのは私を含めて4~5人程度ですが、少人数であるが故のメリットを生かし、その都度我々の要望を聞いてくれ、発音や日常会話などの授業をしてもらっています。
|
AM | PM |
Mon | Contracts |
Corporations Intro Accounting |
Tue | Contracts |
Corporations LLM English |
Wed | Contracts | 復習 |
Thu | 翌週の予習 |
Writing LLM English |
Fri | 翌週の予習 |
Writing Research |
Sat | Free | Free |
Sun | 翌週の予習 | 翌週の予習 |
秋学期は、Contracts(4), Corporations(3), Intro Accounting(2), Writing & Research(2)の計4科目(11単位)としました。
その他、秋学期の最初の1週間に、JD1年生とLL.M.全員が受講を義務付けられているアメリカ法入門の"Life of Law"(1)を受講したので秋学期は合計12単位となります。(卒業に必要な最低単位数は23単位)
2.授業の様子
Contracts
典型的なcommon lawの科目なので、とにかく判例を読み込むことが求められます。
授業では予習してきた判例をもとに議論が進められます。いわゆるソクラテスメソッドで、当該判例の事実関係の整理から始まり、何が争点なのか、裁判所の結論、およびその理由付けは何なのか、別の似た判例で結論・理由付けが異なるのは何故なのか等、矢継ぎ早に教授から質問が浴びせられます。当てられた学生がそれに答えていき、そのやり取りの中からルール等を学んでいくというものです。
まだまだ英語力に不安のある現在では、教授の話を聞きとるのに精いっぱいなのに、教授以上の早口で答える学生の回答を聞きとるのに非常に苦労しています。
1日にだいたい3つくらいの判例を学ぶのですが(古くは18世紀のイギリスの判例まで扱うこともあります)、予習ではそれに関連するRestatmentやUCC(単純に言えば各州が参考にするモデル法)も読まなければならず、時間がかかっていますが、いかにもアメリカ法といった科目なので面白みを感じながら勉強しています。
Corporations
会社法の授業ですが、基本的に制定法の授業なので、Contractsのようにcaseを読み込むというよりも、制度の趣旨や関係法令の勉強が中心になるので、日本の法学部の授業に似ているかなと思います。
Intro Accounting
地元ナッシュビルの会計事務所の方による授業で、会計の基礎を実務に即した形で勉強しています。
特に今年は、学期中にアメリカの金融危機・政府によるbailout等の大きな出来事がリアルタイムで起こったので、それに関しても授業で取り上げられました。
Writing & Research
これはLL.M.全員受講必須の授業で、lawyerとして必要なwriting能力や、westlawとLexisというオンラインでの判例・文献等の検索サービスの利用法を通じたresearch能力習得に向けたものです。
LL.M. English
通常の授業とは別個で、英語力に不安のあるLL.M.生を対象に、ELC(English Language Center)という大学の語学教育機関の先生が英語の授業をしてくれています。
現在参加しているのは私を含めて4~5人程度ですが、少人数であるが故のメリットを生かし、その都度我々の要望を聞いてくれ、発音や日常会話などの授業をしてもらっています。
週替わり日記2008秋学期 その1 H.T.の場合 [週替わり日記(2008-2009)]
ご無沙汰しております。ロースクール2年目のH.T.です。
LL.M.で2年目というと少し不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、バンダービルトロースクールでは、Law and Business ProgramというLL.M.の2年目向けのコースがあり、私も同プログラムを履修するため、今学期も在籍しています(私の場合は秋学期でLaw and Business Programを修了する予定で、修了するとCertificateがもらえます)。
今年の秋学期は1年目のように授業についていくだけで精一杯という状況もなく、勉強をしていることに充実感を感じることも多くなり、ロースクールでの勉強が楽しいと思えるようになってきました。
1.秋学期の週間スケジュール
2.授業の様子
今学期はM&Aと独禁法を主に勉強したいと考え、ロースクールの科目である「経済規制と独占禁止法」、ショートコース(「EU競争法」、「商標法」)のほか、Owenビジネススクールとの合同授業である「M&Aの法とファイナンス」及びOwenビジネススクールの科目である「中小企業のマネジメント」を受講しており、合計10単位を登録しました。
バンダービルトロースクールでは、ロースクールの科目以外にもOwenビジネススクールのファイナンスやマネジメント関連科目の一部を受講して卒業単位に換算することができ、もちろんLaw and Business Programの認定単位にもなっています。
「M&Aの法とファイナンス」と「中小企業のマネジメント」の両授業では、ひたすらケースブックと格闘するというロースクールの勉強スタイルとは違い、クラスディスカッションやグループワークなどのビジネススクールのメソッドで授業が進められていくので、ロースクールとは一味違った経験をすることができます。また、ロースクールとビジネススクールの学生の態度や授業の方法を比較してみて、双方が大きく違っていることに気付かされます。ロースクールでは宿題として出される膨大なケースブックを読んで授業に臨み、授業中は多くの学生がひたすらノートをとることに集中します。また、時々教授から指名され、回答しなければならないこともあります。ロースクールでの成績評価は、授業中の発言を加点する場合はあるものの、期末試験で一発勝負ということが多いです。一方ビジネススクールでは、グループワークや授業中の発言が成績に占める割合が高く(試験の割合は相対的に低いようです)、クラスでは積極的に発言をする学生が多いです(授業はスライドや配布資料を使って行われることが多く、ノートテーキングはあまり必要ないようです)。さらに、ロースクールの場合はほとんどが個人で勉強を進めるのに対し、ビジネススクールではグループに対して宿題が出されることが多く、週末はグループで集まって一緒に課題を完成させるのが一般的です(誰とチームを組むのかが大きなポイントになるようです)。
特に私が受講している「M&Aの法とファイナンス」ではロースクールとビジネススクールの共同授業であることから、双方の学生の違いが顕著に現れており、授業中もビジネススクールの学生は積極的に手を上げて発言する一方、ロースクールの学生はあまり発言せず、ノートテーキングに励んでいる学生も多く、学生の資質も大きく違っているのだと実感しています。
私について言えば、「M&Aの法とファイナンス」では履修の前提としてファイナンスと会社法の知識が求められており、ビジネススクールから参加している学生はファイナンス専攻の学生が多いことから、ミーティングでファイナンスの議論が始まるとついていくのは大変で、毎週末のミーティングの準備にはかなりの時間をかけています。
また、渡米から1年が経過して英語力はかなり上達したものの、チームミーティングなどでアメリカ人と対等に議論ができるレベルには至っていないと感じており、単位には換算されませんが、英語力の更なる向上のためELC(Vanderbilt English Language Center)の上級英会話のクラスを受講しています。ELCでは、留学生のためのさまざまな英語プログラム(LL.M. のサマースクール、LL.M. English等)を用意しており、特別なプログラム以外の通常のコースについても、バンダービルトの学生は1科目までは無料で受講することができます。
今学期は通常のロースクールの授業に加えビジネススクールの授業を受講することで、今までとは違った経験をすることができ、自分にとっても新たな成長の機会を見つけることができたことにとても満足しているところです。
3.学校外生活
ナッシュビルでの生活も2年目に入り、アメリカ生活に対する新鮮味は薄れましたが、安定した毎日を過ごすことができています。
週末の主な過ごし方としては、買い物や食事会などのほか、最近はカントリーミュージックを中心とした音楽のライブを見に行く、若しくはゴルフをするということが多いです。
ナッシュビルは「ミュージックシティ」と言われているだけあって、音楽のライブやイベントなどが盛んに開催されており、ライブを探して見に行くのはナッシュビルならではの楽しみだと思っています。ゴルフについては、練習場やゴルフ場が近郊にたくさんあり、9ホールであれば予約なしでも10ドルほどで回れますので、少し暇を見つけるとクラスメートや日本人の友人とともによく出かけています。
また、長距離ドライブにも慣れてきましたので、週末などを利用して遠出することもあります。ナッシュビルから1泊2日程度で行ける場所としては、メンフィス(片道約3時間)、アトランタ(片道約4時間)、グレートスモーキーマウンテン国立公園(片道約4時間)、シンシナティ(片道約5時間)、インディアナポリス(片道約5時間)といったあたりになりますが、先日はメジャーリーグ観戦を兼ねて1泊2日の日程でセントルイスに行ってきましたので、その模様をお伝えしたいと思います。
セントルイスはナッシュビルから車で片道約5時間ほどで、距離にすると500キロほどありますので日本の感覚ではかなり遠いのですが、アメリカで片道5時間といえば、「近い」範囲に入ります。セントルイスにはナッシュビルから高速道路を北西に向かってひたすら走り、途中ケンタッキー州とイリノイ州を通過して行きますが、高速道路の制限速度は65~70マイル(時速約105~113キロ)で、道幅も広く交通量も少ないので快適に運転できます(ただし、ひたすら運転し続ける必要があります)。朝早くナッシュビルを出発すれば、昼ごろにはセントルイス市街に到着することができます。
セントルイスでは、1日目はメジャーリーグ観戦とゲートウェイアーチの見学、2日目はバドワイザーの工場見学をしたほか、ワシントン大学に立ち寄りました。
メジャーリーグはカーディナルス対ダイヤモンドバックスの試合を観戦し、炎天下の中でのデーゲームでしたが、幸いにも打撃戦でホームランもたくさん飛び出し、とてもよい試合でした。
試合後は球場のすぐ近くにあるゲートウェイアーチを見学しました。ゲートウェイアーチはセントルイスのシンボルにもなっているのですが、1965年に建てられたものにもかかわらず(日本人の感覚ではそう古くないかと思います)、既にナショナルメモリアルになっており、歴史の浅いアメリカでは文化財に対する考え方も日本とは異なるようです。
2日目は朝から市内にあるバドワイザーの工場を見学しました。バドワイザーを製造しているアンハイザーブッシュ社はセントルイスに本社があり、工場見学は予約なしで無料で参加できます(所要時間は1時間半ほどです)。また、見学の最後には無料でバドワイザーが試飲できますが、工場自体が基本的に車で行かなければならない場所にあるにもかかわらず、見学に来た人の多くは普通に試飲しています(私の場合は妻に運転を任せて心置きなく試飲しました)。実際、ナッシュビルのアメリカ人にもレストランでとりあえず食事の最初にビールやワインを飲み、少し酔いを醒ましてから運転して帰る人が多く、車社会であるアメリカではやむを得ないという感覚なのだと思います(運転免許試験でも「ビールを3本飲むと3時間以上休む必要がある」というのが答えになっているほどです)。
その後は同市内にあるワシントン大学に立ち寄りました。ワシントン大学はロースクールを出願した際に合格通知をいただいたものの、結局進学しなかったのでどんなところか少し興味がありました。キャンパスはセントルイスの中心から少し西に行ったところにあり、付近には大きな公園があってとても緑豊かです。また、キャンパスはレンガ造りで統一されていてとても美しく、中西部の名門と呼ばれるにふさわしい雰囲気を醸し出しています。せっかくなのでロースクールも少し覗いてみましたが、建物自体は重厚であるものの、中は新しくとても快適そうです。
私がロースクールに出願したときにはキャンパスビジットは全くしなかったので、人から聞いた話やインターネット上の情報を頼りにしていたのですが、「百聞は一見にしかず」というとおり実際キャンパスを訪れてみて、どんな雰囲気の大学で、周りに何があってどんな生活ができるのかといったことを自分の目で確かめるということが非常に大事だということを改めて感じました。
今回の旅は1泊2日でしたが、セントルイスの見どころを概ね見ることができ、とても満足することができました。しかしながら、自宅に帰ってからは宿題の山が待っており、疲れた体に鞭打って深夜までかかって宿題をなんとか終わらせました。ロースクールでは勉強との兼ね合いでなかなか遠出するチャンスはないかもしれませんが、たまには思い切って遠くに出かけてみると、新たな発見や経験をすることができるのではないかと思います。
LL.M.で2年目というと少し不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、バンダービルトロースクールでは、Law and Business ProgramというLL.M.の2年目向けのコースがあり、私も同プログラムを履修するため、今学期も在籍しています(私の場合は秋学期でLaw and Business Programを修了する予定で、修了するとCertificateがもらえます)。
今年の秋学期は1年目のように授業についていくだけで精一杯という状況もなく、勉強をしていることに充実感を感じることも多くなり、ロースクールでの勉強が楽しいと思えるようになってきました。
1.秋学期の週間スケジュール
2.授業の様子
今学期はM&Aと独禁法を主に勉強したいと考え、ロースクールの科目である「経済規制と独占禁止法」、ショートコース(「EU競争法」、「商標法」)のほか、Owenビジネススクールとの合同授業である「M&Aの法とファイナンス」及びOwenビジネススクールの科目である「中小企業のマネジメント」を受講しており、合計10単位を登録しました。
バンダービルトロースクールでは、ロースクールの科目以外にもOwenビジネススクールのファイナンスやマネジメント関連科目の一部を受講して卒業単位に換算することができ、もちろんLaw and Business Programの認定単位にもなっています。
「M&Aの法とファイナンス」と「中小企業のマネジメント」の両授業では、ひたすらケースブックと格闘するというロースクールの勉強スタイルとは違い、クラスディスカッションやグループワークなどのビジネススクールのメソッドで授業が進められていくので、ロースクールとは一味違った経験をすることができます。また、ロースクールとビジネススクールの学生の態度や授業の方法を比較してみて、双方が大きく違っていることに気付かされます。ロースクールでは宿題として出される膨大なケースブックを読んで授業に臨み、授業中は多くの学生がひたすらノートをとることに集中します。また、時々教授から指名され、回答しなければならないこともあります。ロースクールでの成績評価は、授業中の発言を加点する場合はあるものの、期末試験で一発勝負ということが多いです。一方ビジネススクールでは、グループワークや授業中の発言が成績に占める割合が高く(試験の割合は相対的に低いようです)、クラスでは積極的に発言をする学生が多いです(授業はスライドや配布資料を使って行われることが多く、ノートテーキングはあまり必要ないようです)。さらに、ロースクールの場合はほとんどが個人で勉強を進めるのに対し、ビジネススクールではグループに対して宿題が出されることが多く、週末はグループで集まって一緒に課題を完成させるのが一般的です(誰とチームを組むのかが大きなポイントになるようです)。
特に私が受講している「M&Aの法とファイナンス」ではロースクールとビジネススクールの共同授業であることから、双方の学生の違いが顕著に現れており、授業中もビジネススクールの学生は積極的に手を上げて発言する一方、ロースクールの学生はあまり発言せず、ノートテーキングに励んでいる学生も多く、学生の資質も大きく違っているのだと実感しています。
私について言えば、「M&Aの法とファイナンス」では履修の前提としてファイナンスと会社法の知識が求められており、ビジネススクールから参加している学生はファイナンス専攻の学生が多いことから、ミーティングでファイナンスの議論が始まるとついていくのは大変で、毎週末のミーティングの準備にはかなりの時間をかけています。
また、渡米から1年が経過して英語力はかなり上達したものの、チームミーティングなどでアメリカ人と対等に議論ができるレベルには至っていないと感じており、単位には換算されませんが、英語力の更なる向上のためELC(Vanderbilt English Language Center)の上級英会話のクラスを受講しています。ELCでは、留学生のためのさまざまな英語プログラム(LL.M. のサマースクール、LL.M. English等)を用意しており、特別なプログラム以外の通常のコースについても、バンダービルトの学生は1科目までは無料で受講することができます。
今学期は通常のロースクールの授業に加えビジネススクールの授業を受講することで、今までとは違った経験をすることができ、自分にとっても新たな成長の機会を見つけることができたことにとても満足しているところです。
3.学校外生活
ナッシュビルでの生活も2年目に入り、アメリカ生活に対する新鮮味は薄れましたが、安定した毎日を過ごすことができています。
週末の主な過ごし方としては、買い物や食事会などのほか、最近はカントリーミュージックを中心とした音楽のライブを見に行く、若しくはゴルフをするということが多いです。
ナッシュビルは「ミュージックシティ」と言われているだけあって、音楽のライブやイベントなどが盛んに開催されており、ライブを探して見に行くのはナッシュビルならではの楽しみだと思っています。ゴルフについては、練習場やゴルフ場が近郊にたくさんあり、9ホールであれば予約なしでも10ドルほどで回れますので、少し暇を見つけるとクラスメートや日本人の友人とともによく出かけています。
また、長距離ドライブにも慣れてきましたので、週末などを利用して遠出することもあります。ナッシュビルから1泊2日程度で行ける場所としては、メンフィス(片道約3時間)、アトランタ(片道約4時間)、グレートスモーキーマウンテン国立公園(片道約4時間)、シンシナティ(片道約5時間)、インディアナポリス(片道約5時間)といったあたりになりますが、先日はメジャーリーグ観戦を兼ねて1泊2日の日程でセントルイスに行ってきましたので、その模様をお伝えしたいと思います。
セントルイスはナッシュビルから車で片道約5時間ほどで、距離にすると500キロほどありますので日本の感覚ではかなり遠いのですが、アメリカで片道5時間といえば、「近い」範囲に入ります。セントルイスにはナッシュビルから高速道路を北西に向かってひたすら走り、途中ケンタッキー州とイリノイ州を通過して行きますが、高速道路の制限速度は65~70マイル(時速約105~113キロ)で、道幅も広く交通量も少ないので快適に運転できます(ただし、ひたすら運転し続ける必要があります)。朝早くナッシュビルを出発すれば、昼ごろにはセントルイス市街に到着することができます。
セントルイスでは、1日目はメジャーリーグ観戦とゲートウェイアーチの見学、2日目はバドワイザーの工場見学をしたほか、ワシントン大学に立ち寄りました。
メジャーリーグはカーディナルス対ダイヤモンドバックスの試合を観戦し、炎天下の中でのデーゲームでしたが、幸いにも打撃戦でホームランもたくさん飛び出し、とてもよい試合でした。
試合後は球場のすぐ近くにあるゲートウェイアーチを見学しました。ゲートウェイアーチはセントルイスのシンボルにもなっているのですが、1965年に建てられたものにもかかわらず(日本人の感覚ではそう古くないかと思います)、既にナショナルメモリアルになっており、歴史の浅いアメリカでは文化財に対する考え方も日本とは異なるようです。
2日目は朝から市内にあるバドワイザーの工場を見学しました。バドワイザーを製造しているアンハイザーブッシュ社はセントルイスに本社があり、工場見学は予約なしで無料で参加できます(所要時間は1時間半ほどです)。また、見学の最後には無料でバドワイザーが試飲できますが、工場自体が基本的に車で行かなければならない場所にあるにもかかわらず、見学に来た人の多くは普通に試飲しています(私の場合は妻に運転を任せて心置きなく試飲しました)。実際、ナッシュビルのアメリカ人にもレストランでとりあえず食事の最初にビールやワインを飲み、少し酔いを醒ましてから運転して帰る人が多く、車社会であるアメリカではやむを得ないという感覚なのだと思います(運転免許試験でも「ビールを3本飲むと3時間以上休む必要がある」というのが答えになっているほどです)。
その後は同市内にあるワシントン大学に立ち寄りました。ワシントン大学はロースクールを出願した際に合格通知をいただいたものの、結局進学しなかったのでどんなところか少し興味がありました。キャンパスはセントルイスの中心から少し西に行ったところにあり、付近には大きな公園があってとても緑豊かです。また、キャンパスはレンガ造りで統一されていてとても美しく、中西部の名門と呼ばれるにふさわしい雰囲気を醸し出しています。せっかくなのでロースクールも少し覗いてみましたが、建物自体は重厚であるものの、中は新しくとても快適そうです。
私がロースクールに出願したときにはキャンパスビジットは全くしなかったので、人から聞いた話やインターネット上の情報を頼りにしていたのですが、「百聞は一見にしかず」というとおり実際キャンパスを訪れてみて、どんな雰囲気の大学で、周りに何があってどんな生活ができるのかといったことを自分の目で確かめるということが非常に大事だということを改めて感じました。
今回の旅は1泊2日でしたが、セントルイスの見どころを概ね見ることができ、とても満足することができました。しかしながら、自宅に帰ってからは宿題の山が待っており、疲れた体に鞭打って深夜までかかって宿題をなんとか終わらせました。ロースクールでは勉強との兼ね合いでなかなか遠出するチャンスはないかもしれませんが、たまには思い切って遠くに出かけてみると、新たな発見や経験をすることができるのではないかと思います。