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卒業生の方の執筆情報(アメリカ証券取引法入門) [卒業生より]


2015年の秋学期がスタートして1か月が経ちました。今年度、Vanderbilt University LawSchoolには7人の日本人LLM留学生が在籍していますので、今後、このブログにも、様々な情報をアップしていきたいと思います。
 

さて、まず今日は、日本で活躍される我らがVULawの先輩からの執筆情報です。2007年にJ.D.をご卒業された山本雅道さんが、このたび「アメリカ証券取引法入門」という本を執筆されたとのことで、ご連絡をいただきましたのでご紹介します。 


アメリカ証券取引法入門-基礎から学べるアメリカのビジネス法- Introduction to U.S. Securities Regulation

アメリカ証券取引法入門-基礎から学べるアメリカのビジネス法- Introduction to U.S. Securities Regulation

  • 作者: 山本 雅道
  • 出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン
  • 発売日: 2015/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
 
 
<山本さんからの紹介コメント(以下、引用)>
 
かつて「J.D.三年生のM」として「J.D.攻略法」をこのブログに書いておりました、山本と申します。このたび、「アメリカ証券取引法」という本を出版しました。VanderbiltやNashvilleについて御紹介するべきこのブログで、このようなことを書くのは大変恐縮ではございますが、在校生の皆様の御好意に甘えまして、少しだけ本書の宣伝をさせていただきたく存じます。
 
本書は、私が Vanderbilt Law School の Thomas 教授の Securities Regulation で学んだ知識、ニューヨーク州弁護士としての実務経験および法科大学院での講師経験を集大成し、「アメリカ証券取引法」の入門用の教科書として作成したものです。アメリカ法の初学者の方、これからアメリカのロースクールに留学される実務家、初めてグローバル・オファリングに携わる若手実務家など、様々な読者層を対象としています。本文だけではなく索引や重判解説などの付録も充実させ、使い勝手を良くするように努めました。また、留学時代のこぼれ話や、アメリカ最強の弁護士軍団の話など、証券取引法からは少し離れた「コラム」も多数掲載しております。
 
本書が、これからアメリカ法を(できれば Vanderbilt Law School で!)学ぼうとしている多くの皆様の一助になれば、大変嬉しく思います。
 
山本雅道  (引用終)
 
証券取引法やそれに関連する諸規制は、アメリカ法の中でも、日本企業の実務において比較的問題となることが多い分野ではないかと思いますので、私も是非、この本を手に改めて勉強してみようと思います。
 
'16 LLM 在学生 S 
 


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このブログについて [このブログについて]

このブログの主な目的は、ロースクール受験を考えていらっしゃる方々をはじめとする日本の皆さんへの情報提供です。このブログに掲載されている情報には正確を期していますが、われわれの経験に基づく主観が含まれていることをご了承ください。掲載されている個人・団体・リンク先などにつきましては、あくまで情報提供を目的とするものであり、特定の個人・団体・リンク先などを推奨するものではありません。また、このブログは学校が公式に提供するものではないため、出願などに関しましては、学校のホームページをご参照ください。
http://law.vanderbilt.edu/

 ブログ、留学生活、勉強などに関するご意見・ご質問など vandyjapan☆gmail.comでお待ちしております。スパムメールを防ぐため、お手数ですが、☆を@に変更の上,宛先に上記のアドレスをタイプしていただくよう、お願い申し上げます。各記事ではコメントを受け付けておりませんが、コメントをいただける場合には下記の記事のコメント欄にご記入いただけますと、大変ありがたく存じます。
http://blog.so-net.ne.jp/vanderbilt-law-japan/2007-09-06-1

以上


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コンサートホール紹介 [Nashville近辺情報]

さすがはミュージックシティ・ナッシュビル、毎週(毎日?!)のようにどこかでコンサートや音楽イベントが行われています。
大物歌手のライブツアーにも、ナッシュビルが組み込まれることが多く、また意外とチケットも取りやすいので、ナッシュビルへ行ったら是非ライブ情報もチェックしてみてください。

ここでは主要なコンサート会場を紹介します。

(1) Bridgestone Arena(ダウンタウン)
  アイスホッケー等スポーツの試合も行われる、大きなアリーナ。
大物歌手のコンサートや、カントリーミュージックの大きなイベント等が行われる。
arena outside.jpg bridgestone arena inside paul.jpg 

(2) Ryman Auditorium(ダウンタウン)
 伝統ある中規模ホール。
ホール内にはカントリーミュージックのスターたちの衣装や楽器が飾られている。窓のステンドグラスも美しい。
大きすぎず、古くて温かみのある造りで、会場の一体感が生まれやすい良い雰囲気だが、1階には柱が多くステージが見づらい席が多いので注意。
ryman outside.jpg ryman outside.jpg ryman 2nd floor.jpg ryman inside.jpg

(3) Schermerhorn Symphony Center(ダウンタウン)
 ナッシュビルシンフォニーのコンサートホール。
クラシック、ジャズ、ポップス等、連日様々なジャンルのコンサートが行われる。
少し正装をして行きたくなるような、綺麗で格式高い雰囲気がありながら、親しみやすくもあるホール。
schermerhorn outside.jpg schermerhorn inside.jpg

(4) Country Music Hall of Fame and Museum(ダウンタウン)
 博物館内のスペースで、休日の昼間等に無料(博物館入場券は必要)のイベントや楽器演奏デモンストレーション等が行われる。
博物館隣接の中~小規模ホールでも、カントリーミュージックのライブ等が行われることがある。
なおヴァンダービルトの学生証を提示すれば、博物館入場券はいつでも無料!!
cmf.jpg CMF demonstration.jpg 

(5) Grand Ole Opry House(ミュージックバレー)
 カントリーミュージックの有名・長寿ラジオ番組Grand Ole Opryの公開収録を、ライブとして楽しむことができる。
カントリーミュージックの大御所を含め、歌手たちが2~3曲の歌とトークを披露し、次々と交代していくので、トラディショナルなカントリーミュージックをお手軽に味わうのにちょうど良い。
曲中にステージ上で忙しく動き回るスタッフたちの姿も見ることができるのもラジオ番組ならでは。
曲の間の提供企業の宣伝も、ステージ上のアナウンサーによる生紹介。
grand ole opry outside.jpg grand ole opry outside w guiter.jpg grand ole opry stage.jpg

(6) LP Field(ダウンタウンから川を挟んで東側)
 アメフトの試合が行われる大型屋外スタジアム。
有名アイドルやロックバンド等のコンサートが行われる。
lp field.jpg

(7) Frist Center for the Visual Arts(ダウンタウン)
 建物内のカフェで無料のライブを行ったり、夏季は屋外広場で無料の音楽イベント等を開催したりしている。
frist center cafe.jpg frist center outside.jpg

(8) Centennial Park(ミッドタウン)
 夏季を中心に様々なイベントが開催される。
Centennial Park Big Band Danceでは、インストラクターから簡単なダンスのレクチャーを受けながら、生のビックバンドの演奏と共にダンスを楽しめる。
centennial park.jpg centennial park 2.jpg



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ミュージックバー紹介 [Nashville近辺情報]

ミュージックシティ・ナッシュビル。
「カントリーミュージックの『聖地』」という言葉が大袈裟ではないほど、街は音楽に溢れています。

ちょっと箸休めに、学校周辺のミュージックバーのいくつかを、カントリーミュージック素人のざっくりした印象とあわせて紹介していきます。

ここで紹介する以外にもミュージックバーはたくさんあり、ダウンタウンを歩けば3歩ごとに、別の店から別の生演奏が聴こえてくるくらいです。
気軽に立ち寄って、お気に入りの一軒を探してみてください。

(1) Tootsie's Orchid Louge(ダウンタウン)
 紫の建物が目印。老舗のカントリーミュージックバーで、いつも賑わっている。
tooties.jpg

(2) Robert's Western World(ダウンタウン)
 オールドスタイルなウエスタン・カントリーミュージックを楽しめる。店内の雰囲気も渋い。
普通のバーだが、音楽を聴く目的で来ているお客さんが多いイメージ。
roberts.jpg rober's stage.jpg

(3) Tin Roof(ダウンタウン)
 ロックな感じのカントリーミュージック。
店内はカジュアルでハンバーガーショップのような雰囲気もあり、ランチや軽食にも立ち寄りやすい。
tin roof outside.jpg

(4) The Stage(ダウンタウン)
 ロック、ポップス寄りのカントリー。
店内は広く、オールドアメリカな(西部劇のような?)雰囲気。
the stage.jpg

(5) Honky Tonk Central(ダウンタウン)
 ロック寄りで、ドラムやエレキギターがパワフルなカントリー。
3階建てで大きく、ワイワイ飲んで騒げる雰囲気。
honky tonk.jpg

(6) Margaritaville(ダウンタウン)
 ドラムがなく、二人くらいの少人数編成のバンドが、良い感じの音楽を奏でている。
音楽を聴くなら、通りに面したバルコニー風の席に座るのが良さそう。
margaritaville.jpg

(7) Acme Feed & Seed(ダウンタウン)
 カントリーに限らず色々なジャンルの音楽をやっている。
店内の雰囲気もおしゃれで、バーとしても人気。食事メニューも色々。
acme stage.jpg acme inside.jpg

(8) Bourbon Street Blues & Boogie Bar(ダウンタウン)
 ジャズやブルースミュージック。
ニューオーリンズ酒場風の店内で、ケイジャン料理等も食べられる。
bourbon st outside.jpg bourbon st inside.jpg

(9) The Station Inn(The Gulch、ダウンタウンの西の外れ)
 ブルーグラスを聴くならここ。
バーというより、音楽をメインに楽しみに行くところ。

(10) City Winery(ダウンタウンの少し南)
 カントリー、ポップス、ブラスバンド等、様々なジャンルの音楽。
お洒落でムーディな店内。ワインと食事もしっかり楽しめる。

(11) 3rd and Lindsley(ダウンタウンの南東)
 ブルーグラス、ウエスタンスウィング、ロック等。
音楽メインのバー。



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2014-15学期中の過ごし方 Bの場合 [受講ガイド(2014-2015)]


 企業派遣で
1年間LL.M.に来ました。
 初の留学・海外生活という不安を抱えつつ、大きすぎない規模の大学・クラス、単身女性で車がなくても暮らしやすい街、という視点から、ナッシュビルのVanderbiltを選びました。

 1. スケジュール

(1)
秋学期

 

AM

PM

Mon

余暇 or 予習

LL.M. Academic Writing
Corporations & Business Entities
(Contracts Study Group)

Tue

余暇 or 予習

LL.M. Academic Writing
Corporations & Business Entities
(Yoga)

Wed

Intro to Legal Research & Writing
Contracts

Corporations & Business Entities

Thu


Intro to Legal Research & Writing
Contracts

余暇 or 予習

Fri

Intro to Legal Research & Writing
Contracts

余暇 or 予習

Sat

余暇 or 予習

余暇 or 予習

Sun

余暇 or 予習

余暇 or 予習

※上記に加え、不定期開講のLife of the Lawと、集中講義Trademarks Short Courseを受講しました。

(2)
春学期

 

AM

PM

Mon

Property

余暇 or 予習

Tue

Property

(Pilates)

Wed

Property

LL.M. Academic Speaking

Thu

余暇 or 予習

Transnational Litigation
Professional Responsibility

Fri

余暇 or 予習

Transnational Litigation

Sat

余暇 or 予習

余暇 or 予習

Sun

余暇 or 予習

余暇 or 予習

※上記に加え、集中講義Patent Litigation Short CourseNegotiations Short Courseを受講しました。

2.
授業概要
(1) 授業選択について
 ①NY Bar受験の科目、②企業法務に関連のある科目、③英語力の補強、という視点で選択しました。
 また、一週間の中の授業のバランスにも気を付けました。私は英語を読むのがあまり速くなく、予習にそれなりの時間がかかることから、授業数は必要単位最低限にし、また各科目の予習時間を取りやすいよう平日まんべんなく授業を取るようにしました。 

(2)
秋学期
 ア.Life of the LawAさんの記事をご覧ください) 

 イ.
Legal Research and WritingAさんの記事をご覧ください)

 ウ.
Corporations & Business Entities
 会社法の授業。
 取締役の責任、株主の権利、M&ALLPLLC等を学びます。
 歴史的・経済的背景とあわせて法規制を学べます。判例が長くてややこしいものが多く、予習に少々苦戦しました。 

 エ.
Contracts
 契約法の授業。
 JD1年生(1L)の必修科目の一つで、LL.M.生も1Lのクラスに混じって受講しました。
 人気講師Professor Georgeの授業は活気があり、生徒達も積極的で、米国ロースクールらしい授業を体験できます。教授は生徒をガンガン指名して発言させる(コールオン)ので、毎回気が抜けません。 

 オ.
LL.M. Academic Writing
 English Language CenterELC)が提供する、LL.M.生向けの英語の授業。
 3~6人の小規模クラスで、ノンネイティブが間違いやすい冠詞や前置詞の使い方や、ビジネスEメールの書き方、読みやすい文章の構成等を丁寧に教えてもらえ、個人フィードバックももらえます。授業内に時間制限つきのWriting練習ができるのも良かったです。 

 カ.
Trademarks Short Course
 裁判官による、商標法の集中講義。平日の夜と、休日を使った、連続五日間の授業です。
 この授業も含め、ショートコースは読む判例の量が多く、それが連日続くので、予習がなかなか大変です。その代わり、期末試験は無く、全講義終了後に課題を提出する形なので、その分期末試験時の負担は減ります。
 米国商標法の要件やコンセプトを概観することができます。有名ブランドの訴訟等、興味深い判例が多く、これらを通して商標法を学べるのでイメージしやすいです。ただテンポの速い連続集中講義のなかで、うっかり日本の商標法をベースに判例を読みそうになるので、自分で日本法との違いを常に意識しながら頭を整理する良いトレーニングになりました。 

 
[番外編①:Contracts Study Group]
 Study Groupとは、授業の理解を深めたり試験対策で協力し合ったりするための、学生同士の少人数編成グループです。予習・復習を共同で行ったり、学生ごとに担当科目や曜日を決めてノート作りを分担しシェアしあう、というやり方もあるようですが、私は他のLL.M.生と5人で実験的に、一緒にContractsの授業の復習をし、分かりづらい点を確認し合うグループとして、週一回一時間の集まりの時間を設けました。
 主な流れは、軽く前週の授業内容をおさらいし、お互い分かりづらかったところを質問しあい、それでも分からないところは後で教授に質問をしに行く、というものでした。気軽に質問し合えるというだけでなく、中国人・韓国人のクラスメート混合のグループだったのでCivil Lawとの違い等を一緒に確認しながら頭を整理することができ、また英語の練習にもなりました。 

 
[番外編②:Yoga]
 Vanderbilt Dance Programが提供するダンス等のレッスン。有料で、レッスンは学内外問わず誰でも受講できますが、Vanderbiltの学生には割引があります。バレエ、ヒップホップ、アフリカンダンス等、様々なラインナップがあり、レベルも初級から上級まで色々用意されています。
 私が受講したヨガの初級クラスは、ストレッチに主眼をおいたもので、Yogaド初心者の私でも無理なく体をほぐすことができました。
 Vanderbilt Dance Programのホームページ⇒ http://www.vanderbilt.edu/dance/ 

(3)
春学期
 ア.Property
 1L必修科目であり、NY Bar受験科目でもあります。Contracts同様、LL.M.生も1Lのクラスに混じって受講しました。1Lの授業らしく、生徒をランダムに指名し回答させるコールオンがあり、気が抜けません。
 日本法では分かりづらいコンセプトも多く、NY Bar対策の一部としても事前に受講しておく意義があるかと思います。 

 イ.
Professional Responsibility
 NY Barの受験に必須の、法曹倫理についての授業。
 実際のケースを交えつつ、法曹倫理を学びます。 

 ウ.
Transnational Litigation
 日本法研究で著名なProfessor Haleyによる国際間訴訟に関する授業。
 米国・カナダ・EU・日本の間の訴訟判例を通じて、各国法の共通点・相違点や、各国での条約の取り扱い等を学びます。米国のCivil Procedureも同時に一部学べます。企業法務にも大いに関連する分野で、複雑ですがとても興味深いです。日本の民事訴訟法や判例を英文で読むというのも貴重な体験です。 

 エ.
Academic Speaking
 English Language CenterELC)が提供する、LL.M.生向けの英語の授業。
 ラジオのニュース音源でリスニングのトレーニングをしたり、プレゼンテーション等を通じ、発音、抑揚、強弱のつけ方等を練習したりします。スピーキングに関しては、インストラクターから個人フィードバックを受けられます。米国の法や制度、国際的なテーマ等、ホットトピックを多く取扱い、留学生同士で意見交換ができるのも面白いです。 

 オ.
Patent Litigation Short Course
 裁判官による、特許訴訟に関する集中講義。平日の夜と、休日を使った、連続六日間の授業です。
 他のショートコース同様、読む判例の量がかなり多く、授業の進み具合も速いです。裁判管轄や訴訟手続き等も多く取り上げており、Civil Procedureを勉強していない者としてはなかなかハードでしたが、短期間で特許の重要判例をさらうことができます。 

 カ.
Negotiations Short Course
 効果的な交渉の仕方について、主にシミュレーションを通して学びます。
 他のショートコースとは違い、大量の判例の予習は無く、その代わり授業での積極的な参加が求められます。具体的には、ランダムに決められた生徒同士で、毎日2つずつの交渉シミュレーション(ロールプレイング)を行います。シミュレーション時には、自分のロールの情報・前提が書かれた紙のみを受け取り、お互い自分の情報・前提は相手に開示しないまま、より良い結果を目指して短時間の交渉を行います。交渉相手は毎回変わるので、色々な学生と交流することもでき、とても面白い授業でした。 

 
[番外編①:Pilates]
 秋学期同様、Vanderbilt Dance Program提供の有料レッスン。
 春学期にはピラティス初級クラスを試してみました。バレエの先生らしきインストラクターのもと、地味に見えながら体感を鍛える動き・ポーズにじんわりと良い汗をかきます。
 自分でジムに行ったりスポーツをしたりするのがちょっと苦手、という方にもおすすめです。
 Vanderbilt Dance Programのホームページ⇒ http://www.vanderbilt.edu/dance/

 



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2014-15 学期中の過ごし方 Aの場合 [受講ガイド(2014-2015)]

LL.M. Class of 2015Aです。
国家公務員向け留学プログラムを利用して20137月からアメリカに来ています。昨年,西海岸のロースクールでLL.M課程を修了し,現在,ヴァンダービルト大学で2つ目のLL.M課程を履修しています。興味・関心の方向がビジネスロイヤーや企業の法務部に所属する方とは異なるかと思いますが,ヴァンダービルトで得られる経験のバリエーションの1つとして参考になれば幸いです。

1
.スケジュール
(1) 秋学期(Fall 2014

 

AM

PM

Mon

予習

LL.M. Academic Writing

Tue

予習

LL.M. Academic Writing
Mediation

Wed

Introduction to Legal Research & Writing

Intellectual Property Survey

Thu

Introduction to Legal Research & Writing

Intellectual Property Survey

Fri

Introduction to Legal Research & Writing

Intellectual Property Survey

Sat

余暇 or 予習

余暇 or 予習

Sun

余暇 or 予習

余暇 or 予習

  上記に加え,不定期開講のLife of the Law,集中講義International Commercial Arbitrationを受講しました。 

(2) 春学期(Spring 2015

 

AM

PM

Mon

予習

Family Law
Law and Neuroscience

Tue

予習

Family Law
L
aw and Neuroscience

Wed

Law and Bioethics

LL.M. Academic Speaking

Thu

Juvenile Justice

予習

Fri

Juvenile Justice

予習

Sat

余暇 or 予習

余暇 or 予習

Sun

余暇 or 予習

余暇 or 予習

  上記に加え,集中講義Patent Litigationを受講しました。

2.授業概要
(1) 授業選択について
Bar Examを受験しないため,潔く自分の関心に沿った科目選択になっています。
「法と科学の相関関係」と「紛争解決」を2年間を通じたテーマにしており,1年目は,裁判手続法,ADR(裁判外紛争解決),憲法及び医療関係法を主に学んできました。2年目の今年は,それらを踏まえて,科学と法に関係する科目及びADRの発展科目を主に選択しています。加えて,春学期には,アメリカに来てから関心を持つようになった家族と子どもに関する法律関係についての授業も履修しています。

(2)
秋学期
 ア.Life of the
Law
「法の一生」)※原則として必修
 法学未習者であるJD1年生やアメリカに来たばかりのLL.M生に,授業を乗り切り,単位を揃えるために必要な知識と技能を与えることを目的とする授業で,秋学期開始直前の1週間をまるごと使って(秋学期開始後は不定期開講),アメリカの司法制度の概要にはじまり,ロースクールにおけるソクラテスメソッドの紹介,判例の読み方,契約法の模擬授業,ビザ関係の注意点に至るまで,多岐にわたる授業を受けました。
 1年目に当該科目に相当する科目を履修していた(どこのロースクールでも大抵この手の科目は必修)ので,免除を申請しようかとも思ったのですが,LL.M.だけで受ける授業は限られているので,クラスメイトと仲良くなる機会と思って受講しました。受講してみると,非常によく練られたカリキュラムで,内容面でも受講して良かったと思います。

イ.
Legal Research
and Writing
(法の調査及び文書作成)※必修
 アメリカの法曹に求められる文書は,連邦最高裁の判決から学生のレポートに至るまで,構成,論の立て方,文献の引用等にかなりきっちりしたルールがあります(但し,実際の判決では無視されていることも多いですし,州の裁判所が定めたローカルルールがあればそちらが優先します。)。これはJD, LL.M.の別を問わず馴染みのないものなので,そのお作法をマスターする授業が必修になっています。文献を探し,文章を組立て,書き起こす過程を段階を踏んで教わりました。課題は大変ですが(秋学期で一番負担が重いのはこの科目),繰り返し書いているうちに,なんとなく,コモンローにおける先例の意味や判例の射程の考え方が身についてくる……ような気もします。

ウ.
Intellectual
Property Survey
(知的財産法概説)
 文字通り,知的財産法を概括的に学ぶ授業で,営業秘密に関する法,特許法,著作権法,商標法及びパブリシティーに関する法が対象となります。条文及び各分野における代表的判例を読んで知的財産法のエッセンスを身につけることが主眼で,個別分野についてはあまり深く学ばないので,知財の実務経験がある学生には物足りないようですが,個人的には,知的財産法全体を学ぶことで,知的財産制度全体の設計やバランスについてより全体的に理解することができ,良かったように思います。
 ちなみに,LL.M担当教授であるProf. Gervaisが担当しており,LL.M.の学生にとっては英語が聞き取りやすい,いきなり難しいことは聞かれなさそう,という意味でも安心な授業です。

エ.
Mediation調停
 調停手続を導入(Conveying),オープニング(Opening),相互理解(Communication),交渉(Negotiation)及びクロージング(Closing)の5段階に分け,各段階における到達目標とその手段を意識しながら手続を進めるアプローチを学びました。授業は,予習した文献を踏まえて,調停人がどういった技術を用いることが各段階における目標達成に有効かについてブレインストーミングを行い,その上で,学生間でのロールプレイングでその技術を実践する,という流れで行われ,3時間15分の授業があっという間に感じました。
 交渉の技術等は,「ハーバード流交渉術」などの名前で売られている本を通じて既に日本でも周知の内容を含みますが,実際にアメリカの学生とロールプレイングをしてみると,交渉文化の違いを感じて興味深いです。個人的には,昨年度在籍していた西海岸の学校の学生に比べると,Vandyの学生が総じて大人しく,First Offerもそれほど高く設定してこない上,比較的協調的であったことから,アメリカ国内での文化が違いが印象に残っています。

オ.集中講義 
International
Commercial Arbitration
(国際商事仲裁)
 Short Courseと呼ばれている,週末を含む1週間(この講義の場合は木曜からなので4日間)で合計14時間の授業を受ける集中講義の1つです。国際仲裁の経験が豊富なNYの弁護士を講師に迎え,国際商事仲裁の特長,NY条約,国内法との相互関係,仲裁における技法,管轄,ディスカバリーの範囲,執行における問題点等を学びました。ショートコースといえど,1時間あたりに求められる予習の量は通常並み,かつ,10頁以上のレポートが課されたため,一時的な負担は大きいのですが,各論点について短時間ながらしっかり議論がされ,実務的なアドバイスも聞くことができ,有益であったように思います(期末試験前にこのレポートを書くのは大変でしたが……。)。

(3)
春学期
ア.Law and Neuroscience(法と神経科学)
 脳神経科学分野の発展,特に脳モニタリング技術の発展(いわゆる「ブレイン・マッピング」等)と法の相互関係を検討する,という,メディカルセンターと連携しているヴァンダービルトならではの授業で,生命科学を専門とするロースクールの教授と神経科学を専門とする教授が2人で授業を行います。理系出身の学生が多く,心理学部の学生もちらほら受講しています。
 講師の研究テーマが刑事法寄りなので,刑事手続に関する話が中心になりますが,脳の解剖やはたらき,脳に対するモニタリング及び操作の技法,その限界及び注意点,神経学的証拠(脳CTや脳波測定の結果)の法廷における証拠能力,脳死の定義と診断基準等,興味深い論点がてんこ盛りです。
 ヴァンダービルトに進学を決めたときから楽しみにしていた講義の1つであり,実際に受講している感想としても,予習教材・授業内容ともに,今期1番面白い授業です。

イ.
Bioethics and
Law
(生命倫理と法)
 生殖補助医療,受精前遺伝子診断と選択的中絶,延命治療,脳死の基準と臓器提供,深部脳刺激によるパーキンソン病及び精神疾患の治療等について,倫理的問題点の所在を学び,それらの問題点を克服するための法的規制手段について検討するゼミ形式の授業で,これも医師の資格を有する教授が講師です。日本においても問題になる可能性が十分にあり,かつ議論や問題意識が未成熟な問題点も多く,アメリカにおける議論を見ると改めて考えるべき点が明らかになる効果があるように思います。

ウ.
Family Law(家族法)
 家族関係の定義,その形成及び解消に関わる法的論点を理解し,家族,特に子及びドメスティック・バイオレンスに関連する紛争解決(ADRを含む。)に携わる上で必要な知識を獲得することを目指すもので,今までのところ,同性婚,法律上の婚姻を伴わないパートナーシップ,婚外子に関する法律関係等を学びました。講師はキューバ出身の,日本でいうと「大阪のおばちゃん」という感じの親しみやすい女性で,デリケートな内容でも明るく進むのがありがたいです。

エ.
Juvenile
Justice
(少年法)
 少年法は,刑事法の一分野で,いわゆる少年非行(未成年者による犯罪行為,飲酒,不登校等)を扱います。内容は,捜査機関が未成年者に対して身体拘束を伴う取調べを行う際に配慮すべき点,教育機関における身体捜索の要件,通常刑事手続への移行の要件,仮釈放のない無期懲役の合憲性,といった少年事件に特有の論点について,手続の流れに沿って検討します。受講生は,既にパブリックディフェンダー(刑事国選弁護を専門に行う弁護士)又は検察官として就職が決まっている学生(多くは既に研修で実務経験がある。)や,関連分野に関心が深い学生が多く,議論もかなり実際的です。
 加えて,刑事責任能力及び訴訟能力に関する精神鑑定を専門に行うヴァンダービルト大学の医療チームから講師を迎えて非行少年の精神面に関する講義を受けたり,通常非公開の少年事件法廷及び少年鑑別所を見学したりと,実務も見ることができる点も魅力です。

 以上に加え,秋学期に
Academic
Writing
,春学期にAcademic
Speaking
というLL.M向けの英語講座も受講しています。

長くなってしまったので,生活面は,改めて投稿したいと思います。長文にお付き合い頂いてありがとうございました
[ぴかぴか(新しい)]



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2014春学期の過ごし方 Dの場合 [受講ガイド(2013-2014)]

1.春学期のスケジュール

 

AM

PM

Mon

Secured Transactions

International Financial Regulation

Regulation of Financial Institutions

Tue

Secured Transactions

International Financial Regulation

Regulation of Financial Institutions

Wed

自習

LL.M. Academic Speaking

Thu

自習

Professional Responsibility (LL.M.)

Fri

自習

LL.M. Academic Speaking

Sat

余暇 or 予習

余暇 or 予習

Sun

余暇 or 予習

余暇 or 予習

 この他、3月末にIntroduction to Private Equityという1週間のショートコースを受講予定。

 

2.春学期に履修した科目の概要

 春学期は必修科目がなくなりましたが、秋学期同様、①NYBar受験に必須、②NYBar受験に一定の単位が必要な科目、③自分の興味、④英語力の補強という4つの軸で選びました。

 私の場合、秋学期にContracts(②に相当)を取らなかったため、その分Secured Transactionsで補う必要がありました(憲法などでも充足可)。

 もっとも、提出課題の多い必修科目や慣れない英語に苦しめられた秋学期に比べ、コマ数も少なく、学内外で自分の興味に集中できる学期となりました。そのため、教授から教えてもらった論文を授業外に読み込んだり、帰国後に役立つであろう先端知識を詰め込んだりと、充実した時間を過ごしています。

 

(1)Secured Transactions ②(Cさんの記事をご覧ください)

 

(2)International Financial Regulation

 金融当局で働いた経験を持つ教授による、国際金融規制の授業。典型的なロースクールの授業と異なり、ケースブックは一切用いず、教授の選んだ多岐にわたる学術論文や規制当局の公表物を予習段階で読み込み、授業中にその知識をアウトプットしていきます。Vandyならではの少人数授業で、JDに交じって常に発言を求められるため、議論についていくための予習は大変です(期末には試験のほか、研究発表も課される予定)。しかし、リーマン・ショックの反省を世界がどう斟酌するのか、今しか現在進行形で語られない領域を最先端の国で学ぶことができる喜びは、格別です。

 

(3)Regulation of Financial Institutions

 大手民間金融機関での勤務経験を持つ教授による、米国銀行規制の授業。中央集権的な日本のそれとは異なり、「Dual Banking System」など、複数階層に複数の当局を持つ米国の規制体系は、複雑怪奇そのもの。これを解きほぐしながら、規制が持つ経済的なインパクトは何か、政治的にはどのような背景を持つ規制なのかなど、規制の周辺域まで視野を広げ、掘り下げていく授業。ときに、議会証言で証拠として扱われたメールを題材にするなど、常に学生の興味を引く形で進行します。

 

(4)Professional Responsibility (LL.M.) ①(Cさんの記事をご覧ください)

 

(5)LL.M. Academic Speaking ④(Cさんの記事をご覧ください)

 

(6)Introduction to Private Equity(ショートコース)③(3月末受講予定)

 米国発祥の資金調達手法であるPEの授業。ヴォルカー・ルールによる銀行出資制限が見込まれる中、市場がどのように変化していくのか、興味深いです。 



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2014春学期の過ごし方 Cの場合 [受講ガイド(2013-2014)]

メーカーの法務部からの派遣で、LL.M.に在籍しています。

 

1.春学期のスケジュール

 

AM

PM

Mon

Secured Transactions

Constitutional Law I

自習

Tue

Secured Transactions

Constitutional Law I

自習

Wed

International Business Transactions

LL.M. Academic Speaking

Thu

International Business Transactions

Comparative Law

Professional Responsibility (LL.M.)

Fri

Comparative Law

LL.M. Academic Speaking

Sat

余暇 or 自習

余暇 or 自習

Sun

余暇 or 自習

余暇 or 自習

 

 

2.春学期に履修した科目の概要

秋学期は、LL.M.の必修科目及びNY Bar受験に必要な授業を履修しました(Contracts, Corporations)。春学期は、派遣元の業務に関連する科目を履修しつつも、自分の興味・関心に従い授業を選択しました。

 

(1)Secured Transactions

 地元ナッシュビルの弁護士によるアメリカ統一商事法典(UCC)第9編の担保付き取引についての講義です。講義では、丁寧に担保付き取引の諸概念について説明されるとともに、実務上の問題点についても随時言及されます。

  

(2)Constitutional Law I

 憲法のうち統治機構に関する部分を取り扱う講義です。違憲立法審査権の確立から始まり、司法、行政、立法の各機関に関する論点について解説します。LL.M.学生にとっては実務との関係が薄く、なじみのない議論が多く苦労しますが、アメリカの統治機構の仕組みや歴史を理解する良い機会となります。

 

(3)International Business Transactions

  地元ナッシュビルで国際取引に携わる弁護士による講義です。物品の売買から始まり、代理店、技術移転、直接投資、その他贈収賄等、国際取引に関する論点について解説します。多くのテーマ・論点について言及するため国際取引に関する知識を整理するのに適切な講義となっています。


(4) Comparative Law: Europe, Latin America and East Asia  

 日本法研究で著名なJohn Haley教授による講義です。Common LawCivil Lawの違い、Civil Law国同士の司法制度や統治機構の違いについて、制度を形成した歴史を遡り理解を深めます。


(5)Professional Responsibility (LL.M.)

 NY Barの受験要件となる法曹倫理についての講義です。法曹倫理上問題になる場面に自分が直面したらどのように行動するべきか、講義とともに議論していきます。

 

(6)LL.M. Academic Speaking

 English Language Centerが提供するLL.M.学生のためのSpeakingの授業です。発音の矯正、プレゼンテーションや交渉の練習、さらには異文化コミュニケーションに関する理論等を勉強します。参加者が少ないため発言の機会が多く、LL.M.学生にとって貴重な機会になっています。

 

3.アパートメント紹介

 アパートメントの選択は、自動車、帯同家族の有無や周辺環境の好みによると思いますが、ここでは日本人LL.M.学生の住むアパートメントを中心に紹介します。

 

(1)キャンパス周辺

  ①『Twenty & Grand

    ロースクール至近のアパートメント。徒歩3分。単身での留学の方の入居が多いようです。

 

  ②『Americana Apartment

      こちらもロースクール至近のアパートメント。徒歩3分。今年は中国からのLL.M.学生が複数入居しています。


  ③『Village at Vanderbilt

    教育学部のあるPeabodyキャンパスに隣接しているアパートメント。徒歩15分。

 

  ④『Bell Hillsboro Village

      レストランやバーの集まる21st streetに近いアパートメント。徒歩20分。バスでの通学も可能。 

 

  ⑤『Grove Whitworth & Richland

    家族帯同の留学生に人気のアパートメント。自動車15分。ビジネススクールやメディカルスクールの日本人学生、駐在員も多数入居しています

 

(2)ダウンタウン

   『Cumberland Apartment  

   ダウンタウンの中心に位置するアパートメント。自動車15分。近隣にスーパーやバスターミナルもあり、自動車がなくても生活可能。

 

(3)郊外

   『865 Bellevue Apartment』

   ナッシュビル郊外のBellevueにあるアパートメント。自動車25分。公園や緑の多い環境です。

 



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