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週替わり日記2010春学期 Aの場合 [週替わり日記(2009-2010)]

 こんにちは。2010年度LL.M.のAです。この冬は、近年まれに見る寒さだったようで、ナッシュビルでも雪が10cm近く積もることもありましたが、ここ4月に入ってからようやく暖かくなってきました。
 春学期ももう終わりに近づいています。9か月のプログラムですが、振り返ってみると早いものですね。それでは、秋学期と同様、履修した科目を振り返ってみましょう。


1. 春学期のスケジュール

AM

PM

Mon自習自習
Tue自習LLM English
Wed自習Law of Entertainment Industries
ThuInternational IPFirst Amendment
Law of Entertainment Industries
FriInternational IPFirst Amendment
Sat余暇/自習余暇/自習
Sun余暇/自習余暇/自習


2. 科目の概要
(1) Law of Entertainment Industries
 エンターテイメント業界に関する法制を広く学ぶ、というもの。ナッシュビルに事務所を持っている3人の弁護士が交替で担当する形です。ナッシュビルという場所柄、音楽関連業界の話題が多かったです。また、他の授業のように判例を読み込んでいくというよりは、より実務的な観点からのレクチャーに近かったように思います(例えば、業界の慣行や、契約書の見方)。

(2) International Intellectual Property
 現在、国際的な知的財産保護は様々な枠組みのもとで行われています。この授業では、法的枠組み(条約や協定)の概要を学ぶこと、実際問題となったケース(WTOの勧告・裁定)を理解すること、の2点について行われました。各国間の力学であったり、実効性担保のための枠組みなど、改めて学ぶと参考になる点が多かったように思います。

(3) First Amendment Constitutional Law
 アメリカ合衆国憲法は、修正第1条で表現の自由、信教の自由等を規定しています。この授業は、この1条にフォーカスを当てたものです。日本であれば、憲法の授業は「統治機構」「人権」という区分が一般的ですが、この条文だけでも判例法理の蓄積が膨大であることから、独立した授業として設置されています。
 日本国憲法下の表現の自由や信教の自由の議論は、アメリカの議論の影響を強く受けており、LRAであったり、レモンテストであったり、耳慣れた言葉も多く、なじみやすさはあったように感じます。授業のスタイルとしては、パワーポイントによるレクチャーの割合が多く、ポイントはつかみやすい授業でした。

(4) Constitutional Protection of Property Rights
 2月に2週間のショートコースとして履修しました。教授は、かつてヴァンダービルトで財産法を担当していた名誉教授の方です。これは、「財産権に関する法制史」と言えばいいでしょうか。「財産権」といえば、今では当たり前のように使っていますが、そもそもその由来とは何でしょう、ということをアメリカ独立戦争時から時代を追って探求していきます。財産権の制限についての考え方に変遷があること、財産権概念の違いが南北戦争の一つの契機となったという考え方があること、などなど、発見には事欠きません。
 法制史ということで、日々の実務に直接結び付くものではありませんが、(個人的に歴史が好きなこともあり)とても勉強になりました。


(5) LLM English
 秋学期と同様、LLMの学生向けの英語のレッスンです。今学期は、日本人学生のみになり、少人数のレッスンという色彩になりました。内容も、語学スキルそのものというよりは、日々のニュースを素材にしてディスカッションする形式がメインになりました。


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