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受験体験記 N.Mさん [受験体験記(2008年入学)]

1.プロフィール
(1)在籍プログラム:LL.M.(2009年度)
(2)留学形態:社費
(3)出身業務・業務経験:素材メーカーに11年強勤務(工場の人事・総務を3年弱、本社の総務・法務を8年強)
(4)海外経験:特にありません(旅行やホームステイ程度)

2.留学の動機
 勤務先の会社にチャンスをいただいたから、というのが正直なところですが、留学準備を進める中で、自分なりに見えてきたのは:
(1)民間企業の(弁護士でもない)法務部員としての存在意義を突き詰めていくなかで、「海外案件を自分で処理(完結)できるようになりたい」という思いを切実に感じていた;
(2)そろそろ会社でも中堅の域に入ろうかというこのタイミングで、これまでの日常生活から離れて一生懸命勉強等に打ち込むことにより、「自信」を取り戻し仕事へのモチベーションを向上させたかった;
(3)せっかく海外展開している会社でサラリーマンをしているのに法務要員だとなかなか海外勤務のチャンスがないので、ぜひこの機会に海外に住んでみたかった。

3.バンダービルトを選択した理由
私は、全部で6校出願しましたが、出願先の選定にあたっては、以下の要素を重視していました。逆に、いわゆる「ランキング」には(個人的には)ほとんどこだわりはありませんでした。
①雰囲気:学校が自分のことを大切にしてくれそうなこと
②規模:LL.Mプログラムの規模が大きすぎないこと
③場所:中西部や南部など、「古き良きアメリカ」を感じられるエリアにあること。また、NYやLAなどの大都市ではなく郊外または地方都市に立地していること。
④実績:上司・先輩方がいかれていないところ
⑤環境:家族(妻・娘)がいるので、生活環境がよい(医療・安全面、日本食材の調達可否、アクセス等)ところ
 結果的に6校すべてから合格をいただきましたが、上記の要素すべてで高得点だった当校とノースカロライナの某校(Dukeではありません)との間で大いに悩み、実際に両校を訪問してみて(家庭の事情などもあって)最終的に当校に決めました。いずれの学校でも大歓迎を受け、自分の選択は間違っていなかったと感じることができました。なお、当校を訪問した際には、アドミッション担当者がLunchやDinnerに連れまわしてくれたほか(これに釣られたわけではありません)、授業の聴講やDeanとの面談をセッティングしてもらうことができました。また、在校生の皆さんも学期中で忙しいにもかかわらず、滞在中ずっとつきっきりで、スーパーや日本食材店などを案内していただくことができました。東京でも卒業生の皆さんがメールでの質問などには大変親切・丁寧に応えてくれ、複数の方には実際にお会いしてお話をきくことができました。また、合格者・出願者を交えた同窓会も複数回開催され、卒業生の皆さんの学校に対する熱い想いを感じることができました。まだ(日本人の)卒業生が少ないこともあると思いますが、この学校・卒業生・在校生に共通したウェットな雰囲気に惹かれたのだと思います。

4.TOEFL
 私は、2007年夏から留学する予定だったためCBTでTOEFLを受験し、結局iBTは受けないまま出願してしまったので(一応期限切れ、と言われたときのためPBTを受けて600点以上は確保しておきましたが)、皆さんのお役には立たないと思いますが、一応、ご参考までに経験をお話しますと、予備校はたくさんありますが、私は、プリンストンレビュー(現アゴス)、イフ、駿台留学センター、KAPLAN、トフルアカデミー、LINGO L.L.Cとあちこちに通ってみました。それぞれ特色がありますが、アゴスは多くの人が通うので「何からすればいいんだろう」という段階ではお勧めです。ただ、自分に一番フィットして、点数が上がったのは飯田橋にあるLINGOという小さな塾でした。結局は自分でどれだけ勉強するかなのですが、自分に合ったペースメーカーを見つける、というのは重要だと思います。

5.エッセイ・推薦状
(1)エッセイ
 エッセイもまた色々な学校がカウンセリングを提供していますが、私は恵比寿にあるIvy Consultingというところを利用しました。あとはEssay Edgeを利用して修正しました。今から思えば、ずいぶん大きなことを書いたな、と思いますが(嘘はついてはいません)、こっちに来て感じたのが、特にいわゆる発展途上国から来ている人などは自国に対する問題意識も高く、そんな人の話を聞いていると、あんまり小さくまとまらずに壮大なストーリーを語ってもいいんじゃないか、と思ったりもします(結果は保証の限りではありませんが)。

(2)推薦状
 企業派遣の場合、大学のゼミの先生と上司の2通までは確保できても3通目を誰にお願いするか悩む、という方が多いようですが、私もその例にもれず、3通目で悩みました。学生時代の成績もすこぶる悪く、TOEFLの点数も高くなかったので、少しでもここで差別化を、と思い、麻布にあるTemple大学日本校のContinuing Education(社会人向けの生涯教育プログラム)でLaw関係の授業を受講し、その講師(アメリカ人)に書いてもらいました。なお、同プログラムでは、一定の単位を取得するとCertificateがもらえたので、出願の際にはこれも添付して出しました。とにかくベースの部分で勝負できるレベルではなかったので、おまけを沢山つけるからこれでどうだ!という感じでした。

6.一言
 こちらに来て感じたのが、日本人は本当に英語が話せない、ということです(もちろん大変上手な方もおられますが)。この点、ヨーロッパ人や中国人の多くは、(我々からすると)ほぼ完璧に英語を使いこなします。英語が話せないということは、積極的なClass Participationが求められるこちらのロースクールでは(特に人数が多くないところでは)、クラスに出席はしていても参加できていない、少なくとも教授とのディスカッションを通じて授業を100%エンジョイしているとはいえないと言わざるを得ません。ABAの公認校であれば、どこの学校も同じような内容の授業を提供しているわけで、ロースクールで学ぶことによる成果をどれだけあげられるかは、どこの学校に行くか、ということではなく、いかに自分が学校を使いこなせるか、ということにかかる部分が大きいのではないでしょうか。iBTは大変だと思いますが、Speaking能力はとても大事だと思いますので、頑張られても損はしないと思います。また、学校選択に当たっては、知名度が高い、有名な教授(教え上手とは限りません)がいる、などの理由だけでなく、自分なりのベストスクールを見つける、という観点からも検討されてみてはいかがでしょうか?

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