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週替わり日記2008春 その2 H.T.の場合 [週替わり日記(2007-2008)]

 2月も後半に入り、ナッシュビルでも寒さが緩んできました。ナッシュビルは寒暖の差は日本よりも大きいですが、アメリカでは南部というだけあって、ニューヨークやシカゴなどに比べるとかなり春が来るのが早そうです。
 秋学期は毎日の宿題と授業についていくことに必死でしたが、春学期は授業がそれなりに理解できるようになったこともあり、また、勉強の仕方もわかってきたことから、幾分か落ち着いて生活できています。

1.期末試験と成績発表

 秋学期の授業は12月の上旬に終了し、12月中旬から期末試験期間に入りました。私の選択した科目のうち、Regal Writing 以外の3科目で期末試験を受けました。試験の内容はJDと同じですが、LLMの学生には言語のハンディキャップがあるということで、JDの学生に比べて1.5倍の時間が与えられ(試験によっては時間が8時間×1.5倍で12時間になるものもあります)、また英和・和英辞典などの辞書(電子辞書以外)の持ち込みも可能です。
 また科目にもよりますが、試験はノートや教科書の持ち込みが可能なものが多く、授業の内容を丸暗記していく必要はありません(年齢とともに記憶力が衰えつつある私にとっては非常に助かりました)。
実際の期末試験は予想通り長時間かつハードでしたが、特に論述式の問題は頭では答えが概ね分かっていてもうまく答案にすることができず、かなりもどかしさを感じました。しかしながら全ての科目を受験し終えると、内容は別として、解放感と充足感を感じることができ、秋学期はそれなりに頑張ったのだなあと久々に自分を褒めたくなりました。
 成績の発表は、バンダービルトロースクールでは期末試験の終了後1か月経過後となっており、今年は1月22日に発表されました。成績は校内のイントラネットで閲覧でき、予想通り私自身の成績はあまり芳しくないものでしたが、単位は無事取得できました(LLMに関しては、単位を落とすことはないと聞いていましたがそのとおりでした)。企業派遣の私にとっては、成績はさほど将来には影響しませんが、特にこれから就職やJDへのトランスファー(JDの2Lへの編入)を目指すLLMの同級生にとっては、成績はかなり重要な要素のようで、多くの同級生が成績にはかなり一喜一憂していたようです。

2.春学期の週間スケジュール

3.授業の様子
 
 秋学期は週の前半に授業が固まっていたので週の前半は特にハードでしたが、春学期はその反省も踏まえて毎日の授業数ができるだけ同じになるようにしました。単位数はそれぞれの授業が3単位ずつで、4科目の合計は12単位ですが、そのほか聴講生としてコーポレートガバナンスのショートコースを受講しますので、授業のボリュームはトータルでは秋学期と同じです。
 今学期のクラスの選択は、New York Barの受験にはあまり向いた選択ではないですが、私は今年の秋学期まで学校に通ってLLMの2年目のプログラムであるLaw & Business Programを修了する予定ですので(修了するとCertificateがもらえます)、Law & Business Program の必修科目を中心に科目を選択しました(Law & Business Programは通常1年間かけて受講することになっていますが、LLMの1年目に多めに必修科目を受講すれば、2年目の半年間で修了することも可能です)。
 また、私の留学の目的の一つはアメリカの証券規制を学ぶことでもありましたので、証券取引法(Securities Regulation)と国際商取引法(International Business Transaction)のクラスを選択しました。証券取引法は主に米国内の証券(金融商品)取引に関する規制、国際商取引法は主に外国会社に対する米国証券規制とEU・日本を含めた証券・金融マーケットの概要をそれぞれ学んでいます。特に証券取引法は噂に聞いていたとおり予習が大変ですが、帰国後の仕事には生かすことができそうです。
 今学期の授業は、宿題の量は相変わらずですが、秋学期よりもかなりリスニング能力が向上したことに加え、全てJDの2L以上の選択科目を受講しているので、クラスの雰囲気も落ち着いており、気持ち的にも少し余裕をもって授業を受けることができています。
 しかしながら、秋学期から引き続きLL.M. Englishのクラスにも参加しているので、結果的には必要な勉強の量は秋学期とさほど変わっていないのが現状です。

4.学校外生活

 春学期に入りサンフランシスコから友人が来たので、案内のついでにアメリカ最古のラジオ番組である「グランドオールオープリー」の公開収録を見に行きました。
 グランドオールオープリーは、カントリーミュージックやブルーグラスなどのライブを中心とした音楽番組ですが、通常はナッシュビル郊外のオープリーランドで公開収録が行われており、時々ダウンタウンのライマン公会堂で収録が行われます。私が行ったときはライマン公会堂での公開収録でした。
 日本ではあまり知られていませんが、アメリカでのカントリーの人気は高く、カントリーのイベントが全国ネットで放送されたりすることもあります。若手のカントリー歌手のものはポップスやロック風にアレンジされており若者にも人気がありますが(ニコール・キッドマンの夫のキース・アーバンも人気カントリー歌手です)、グランドオールオープリーで行われるものはややご年配の方向けのものが多く、収録には観光バスでお年寄りが大勢押し寄せたりもします。
 私が見たときもカントリーやブルーグラスの歌手が多数出演しており、日本ではこういうものはないなあと感心しました(強いて例えるとNHK歌謡コンサート的な感じです)。
 また、途中で杖をついたお年寄りの女性歌手が出演しテネシーワルツを歌いましたが、彼女の歌がその年齢にしてはびっくりするほど上手く、観客も総立ちで中には号泣する人もいるほどでした。「確かに上手だがなんで皆そんなに感動しているのだろうか」とそのときは疑問に思っていましたが、家に帰って調べると、パティ・ペイジという1950年代の超人気歌手で、テネシーワルツも彼女が歌って世界で600万枚以上売れたとのことです(日本でも江利チエミがカバーして大ヒットしたそうです)。観客が号泣した理由もようやく合点がいきました。そういえば留学する直前に会った人に「テネシー州の大学に行きます」と言うと、「どこそれ?」という反応のほか、「ジャックダニエルか?」という人と「テネシーワルツのテネシーか?」という人がいましたが、ようやくテネシーワルツのことが少しわかった気がしました。
 ナッシュビルでは、そのほかダウンタウンなどでカントリーのライブをやっている店も多く、ナッシュビルならではのカントリーや音楽文化を知るのも留学の良い思い出になると感じました。



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