SSブログ

週替わり日記2008 その1 H.T.の場合 [週替わり日記(2007-2008)]

 はじめまして。2008年度のLL.M. に在籍するH.T.と申します。週替わり日記といいつつ、授業等多忙でなかなか更新ができず、早くも11月になってしまいました。
 ナッシュビルに7月中旬に到着し、早くも4ヶ月が経過しました。7月中旬からはサマースクール、8月下旬からは秋学期で英語漬けの毎日を送っているせいか、日々少しずつ会話やリスニング能力が上達していると感じています。

1.2008年度のLL.M.の状況

 まず2008年度のLL.M.の状況ですが、2007年度よりも人数が増えて、LL.M.は合計26人になりました。出身地は日本人(2人)のほか中国、韓国、インド、ドイツ、フランス、スウェーデン、ベルギー、ポーランド、リベリア、アメリカとバラエティに富んでいます。多くの学生が、LL.M.の人数が少ないこと、ビジネスローを勉強したいという理由で(恋人や配偶者が近くにいるという理由の人もいます)バンダービルトを選んでいるようです。日本人が2人と少ないので、必然的に他の国から来た学生と接する機会が多く、英語の上達という点ではとてもよい環境です。

2.週間スケジュール

3.授業の様子

 LL.M.は論文を書かず通常のクラスのみを受講する場合(Course Track)と、論文を書く場合(Thesis Track)で卒業要件が少し異なりますが、私は通常のクラスのみを受講する予定ですので、卒業に必要な単位数は23単位です。今学期はできるだけ多めに単位を取得しようと思いましたので、4科目13単位を登録しました。登録した単位数自体は日本の大学に比べると少ないですが、各科目で必要な勉強量ついては私の大学時代とは比べ物にならないくらいハードです。特に月曜日から水曜日までは、会社法(Corporation)と契約法(Contract)が毎日あり、授業の予習以外のことはほとんど何もできない状態です。契約法(Contract)については、アメリカは日本と違い、コモンローを採用しているので、ケース(判例)がそのままルールになるのですが、毎日の授業で扱う判例は3~4つあり、完璧な予習をするためには、一日あたり概ね6~7時間の勉強時間が必要だと思っています(いまだ実現していません)。契約法の授業はJDの1L(1年生)科目であり、JDの学生にとっては、1Lの成績が就職先等を決めるときに大きな要素になるとのことで、JDの学生は非常に積極的に授業に参加しています(よい発言には教授が加点しているとのことです)。一方、会社法(Corporation)は、私がこちらで特に勉強したいと思っていた科目ですが、JDでは2L(2年生)以上の選択科目ですので、こちらの授業の雰囲気はとても落ち着いています。授業は理解できない部分もありますが、担当しているThomas教授が毎週水曜日の昼食時に自由参加の質問会を開いてくださるので、毎週参加し、授業で分からない部分や、興味のあることを聞くようにしています。バンダービルトロースクールでは、教授との距離は聞いていた以上に近いので、何か興味がある分野の勉強を深めたい方には向いているのではないかと思います(LL.M.の学生の中にもゼミを受講したり論文を書いたりする人が多くいます)。また、卒業単位には換算されませんが、今年も例年どおり、LL.M.の学生を対象とした英語のクラス(週2回、合計3時間)が開講されています。LL.M.の学生のうち希望者のみが参加しており、我々の希望に応じて講師がさまざまな教材を用意してくれます。特に自分一人ではなかなか訓練しにくい発音やアクセントの練習のほか、スラングなども教えてもらっており、授業と言いつつも、息抜きに近い感覚で楽しく授業を受けています。

4.学校外生活

 授業はかなりハードですが、週末など、授業がないときにもいろいろと予定が入りますので、かなり充実した毎日をすごしていると感じています。バンダービルト大学では、授業以外にもイベントがたくさんあり、毎週金曜日の夕方にロースクールが主催しているブラックエーカー(ロースクールのロビーや中庭でビールやワイン、スナックなどが振舞われるパーティー)だけでなく、ISSS(インターナショナルステューデントセンター)主催の各種イベントも頻繁に開催されています。その中の1つに、ファーストフレンドプログラムという、ナッシュビル近郊在住の外国に興味がある方を紹介してくれるプログラムがあり、私はナッシュビルに住む若いご夫婦を紹介していただきました。そのご夫婦は、とても日本に興味があるとのことで、特に日本の映画や音楽、アニメなどに造詣が深く、私も話についていけないほどです。日本にいるときにはアメリカ南部といってもピンときませんでしたが、こんな地球の裏側にも日本に興味がある人がいてくれるというだけで、少しうれしくなります。
 週末も授業の予習などであまり出かける時間はないのですが、先月初めて土日を利用して遠出してきました。行き先はグレートスモーキーマウンテン国立公園で、アメリカで最も入場者数の多い国立公園だそうです。メンバーは私の家族ともう一人の日本人のB.J.さんのほか、中国人のクラスメートとその家族、中国系アメリカ人のJDの友人の計7名で、2台の車に分乗して行きました。グレートスモーキーマウンテン国立公園はナッシュビルから車で通常4~5時間かかりますが、アメリカの高速道路はとても運転しやすいので、思ったほどは疲れません。グレートスモーキーマウンテンでは紅葉が始まっており、とても美しい景色を堪能し、勉強で疲れた心も癒されました。また、夜はコテージを借りて中国人の友人達が作った中華料理に舌鼓を打ちました(ちなみに私は日本を代表するキャンプ料理としてカレーライスを作りました。結構評判はよかったです)。翌日は渋滞していたこともあり、ナッシュビルに帰るまでに6時間程度かかってしまいましたが、とても充実した2日間でした。ただ、翌日からの授業の予習もあまりできておらず、しかも疲労もかなり溜まっていたため、翌週は授業についていけなかったことは言うまでもありません。週末勉強しなかったツケは大きいとつくづく感じましたが、よい思い出になりました。

 忙しいながらも充実した秋学期を過ごしていますが、12月に入ると、いよいよ試験が始まります。電話帳ほどもあるケースブックを読み返すとなると少し気が滅入りますが、この3カ月間頑張った成果を発揮できるよう、全力で準備したいと思っています(試験が終わると楽しい冬休みが待っています)。

H.T.のプロフィール・受験体験記はこちらです。
http://blog.so-net.ne.jp/vanderbilt-law-japan/2007-09-30


nice!(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。