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2005-2006年度LL.M.在籍 Oさん [卒業生より]

 LLMの学生は、8月後半から始まる本格的な授業の準備のため、約1か月の間、Lawに関係する「英語」の講義を受講します。講師はVanderbilt Universityの英語学校であるEnglish Language CenterのC先生で、とても親身な方でした。この法律英語の授業はとても役に立ちました。法律用語等の知識だけでなく、この授業を通じて本格的な授業を受けるにあたっての心構えができたと思います。C先生も不安が多い学生を気遣って、よく励ましてくれました。C先生の授業は、一言で言えば、プロフェッショナルです。授業の構成、話し方、教材等、とても満足できるものでした。ロースクールの計らいで、9月以降も週1回、C先生から論文作成の助言を受けることができました。
 このような融通の利く対応は、比較的小規模なロースクールであるVULSであるからこそできるのでしょう。また、このLLMの学生だけを対象とした授業を通じて、LLMの学生同士(6か国から計10人)が仲良くなれたことも利点の一つです。法律英語の授業を担当する先生は、年度によって異なるようですが、現在のLLM学生の話によれば、とても中身の濃い授業が続けられているとのことです。
 8月の下旬以降、本格的な授業が始まりました。私は、仕事の関係で主に国際法を受講することにしました。LLM学生に必須以外の講義の選択に際しては、私のアドバイザーであったHelfer教授(国際法)の指導を得るとともに、JDに在籍しているMさんやVULSの職員の助言を頼りにしました。Internationalと銘打つ講座の中からいくつかを選択し、あまり欲張らずに最低必要な単位数のみを受講しました。授業の予習に必要な時間(私の場合、1時間の授業に対し、平均3~4時間もかかりました。)や試験準備を考慮すると正しい判断だったと思います。当初、授業は勉強の方法、授業の内容等、分からないことばかりでした。前述のMさんやアメリカ人学生の助けを借りて、何とか最初の学期を乗り越えることができました。次の春学期は、秋学期の反省をもとに授業を受けることができたので、同じクラスのアメリカ人学生の助けを得ながらも、比較的スムーズに授業を受けられるようになりました。
 VULSのスタッフ及び学生は、外国人学生に対してとても親切であると言えます。VULSの授業の質は、どの点をとっても日本の大学の授業とは比べものにならないくらい良いと思います。教授について言えば、授業に対して必ず綿密に準備しており、学生の質問等に対する応答もとても丁寧です。JDの学生と同様に、教授も選び抜かれた感があります。
 LLMでの修士論文作成は留学の主な目標の一つでした。アドバイザーのHelfer教授は、私の論文作成に対して、年間を通じて熱心に取り組んでいただきました。教授から「1級の論文ができあがるようにしたい。」と言われた時には、教授の高い要求に答えられるか心配しました。論文の主題選びから始まり、参考文献の選択、Outlineの作成、原稿の修正等、何回も教授の指導を得ることができました。また、原稿を書く際には、ELCのC先生に10回以上も原稿の添削をしてもらいました。C先生は、「教授に原稿を読んでもらうときには、ひとつの英語の間違いもあってはならない。」と言い、Helfer教授に見せる前には必ずC先生の指導を受けました。このLLMの論文作成は、時間も手間もかかり、本当に苦労しましたが、英語論文の書き方を知ることができたとともに、主題に関する知識や考え方を学ぶことができたので、本当に良い経験となりました。
 また、5月の卒業式は、とても華やか且つ盛大なもので、大学全体で卒業式が執り行われました。ブッシュ大統領夫人がゲストスピーカーとして招待され、スピーチを聞く機会を得ました。卒業証書授与式は、スクール毎に執り行われます。LLM学生は、JDの卒業生と同様に、LLM学生用の黒色のガウンと帽子を身につけて大勢の出席者の前で登壇し、VULSのDeanから卒業証書が授与されました。このような卒業式を体験したことも、米国の大学に留学した際の貴重な経験の一つであったと思います。
 最後に、VULSは学生の教育に対して本当に熱心です。そして、LLMは、留学生に対する支援(特に、LLM担当スタッフのシンシアさんは、きめ細かな対応をしてくれました。)等も含めて、極めて充実したカリキュラムであると確信します。


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